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僕の人格形成を担った“ぞっこん町田”と言う存在

 僕の趣味といえば“よさこい”であることは周知の事実だと思う。1999年1月から地元町田市のチーム「ぞっこん町田’98」に家族5人で参加し、今まで20年間お世話になっている。どちらかと言うと“よさこいが好き”って言うよりは“ぞっこんのみんなで飲むのが好き”なので、「よさこいの良さを語れ!」と言われても困ってしまう。今日はそんなお話をするつもりもない。(もちろんよさこいはダイスキ)

 ぞっこんは、僕の人生を語る上で欠かせない存在。家族揃って入会したのが8歳の頃。当時、食卓での話題といえば「ぞっこんの〇〇さんとね…」「明日のぞっこんの練習では…」など、常に会話の中心にぞっこんがあった。今でも能條家が形を成しているのは、ぞっこん町田のおかげと言っても全く過言ではない。

 そして更に言えば、僕の人格形成の大部分を担ったのもぞっこんである。8歳の頃から、大学生の兄ちゃんや、上は60代の人生の先輩方に囲まれ過ごした。とてもとても可愛がってくれた。これだけ幅広い年齢層と、幼い頃からコミュニケーションを取っていると、自然と年上の方との喋り方が身についた。

 今思えば、僕には『後輩』と言う存在は結構少ない。しかし逆にその数倍も『先輩』がいる。上の方々と喋ることが全く苦ではなく、むしろ下の方々と喋るよりも“楽しい”と感じるようだ。『後輩が少ない』ってのもなかなか問題だとは思うが、ぞっこんでの、その期間があったからこそ、今の僕はたくさんの先輩方から、たくさんの物事を教わっている。

 『子どもの頃の習い事どうする問題』で悩まれている親御さんたちに一言アドバイスするなら、年齢層の幅広い方々が参加しているようなサークルにブチ込むことをオススメする。さすれば、あなたのご子息もちゃんとインドでラーメン屋ができるだろう。

 そんな僕の精神的支柱のぞっこん町田が、タイトルの通り、タイへ遠征に来ると言うのだ。僕の人生をいい意味で狂わせたボランティアツアーもタイだったし、初一人旅の舞台もタイだったこともあり、タイには特別な思いがある。そんな特別な思いのある“ぞっこん”がタイに行くとなれば、僕が行かないわけにはいかない(なんで)。

 早速ぞっこんの代表に「僕、タイ行きます!」と連絡を取り、フライトチケットを買った。その後社長に「あの〜…タイでぇ、すごい大事なぁ、よさこいのぉ、イベントがぁ…」と完全事後報告で休みをいただき、僕のタイ遠征が決まった。

 日本からは7人のメンバーが参加すると言うことだった。文字通り、現地集合現地解散となる。初日の夕方に演舞を終えればあとは観光!と言うことで、唯一の対経験があった僕がガイド役を担わせていただくことになった。せっかくタイに来たのであれば「時間がなかった」とかを言い訳にしたくなかったので、全力でプランニング。

 寺院は有名ドコロを3つくらい。あとは、チャオプラヤー川見て、そのあとはカオサンロードも見せたいし、そこのメシもめちゃウマなんだよな。あとは…などなどと色々考え、いざ出発。

 初日の夜はトレインマーケットへ。「スリに気を付けてくださいね!僕ベトナムで買ったばっかのスマホをスられたことあるんで!」とか言いながらみんなをアテンド。タクシーや商店での値段交渉も僕が担当し、じゃんじゃん楽しんだ。

 ここで気付いたのだ。

「あれ?俺めっちゃ英語喋れてね??」

そう、タイ人とのコミュニケーションに全く困ることなく、やり取りを進められている。それも自然とやっている。「そんなの当たり前じゃん」なんて思う人がいるかもしれないが、僕に取ってはこれは一大事なのだ。

 もともと、秋平を始めた2015年7月末。僕は「Enough」の意味も分からずにインドに渡ってきていたのだ。なんと言う無謀BOY。勉強がどうも性に合わず、高校受験も自分のレベルに合ったところ(元々行きたい所だったが)を目指したし、大学受験時は“試験も小論文も面接もない”指定校推薦で行ける大学を選んだ。とにかく勉強が嫌いだった。だから英語なんか喋れるわけない。

 しかし、それが逆によかったのかもしれない。とにかく喋るしかなかった。とにかく聞くしかなかった。実戦でガツガツ英語を使って覚えていった。当時、社長にはめちゃくちゃ迷惑かけたと思う。それくらいできないやつだった。一方、出来ないなんて言ってられなかったのも事実だった。

 インドでの超実践主義で鍛えた英語だったので、一つ問題もあった。それは「口調がなーんか怒ってる」と言うことだった。ふと自分の口調を振り返ると、タイ人ドライバーに対して「〇〇へ行くんだよ!」とか「は!?高すぎんだろ!〇〇バーツでいいだろ!!」みたいな雰囲気(あくまでも雰囲気。毛頭そんなつもりはない)だった。なぜか。

 いつもいつもインド人に対して怒っていたからに他ならない。日頃英語を使うときは、サボるスタッフを叱責したり、前述の通り、サプライヤーに対して「早くもってこい!」などと怒っているシーンで使うことが多かったため、英語を喋るときはなんだかいつも怒ってしまっていたのだ。これはまずい。それに気付いてからは、まるで菩薩かのように、ゆっくりおっとり喋るよう心がけた。

 これで僕も、正式に英語話者になれた!と思ったのも束の間、チェンナイ空港から家へ向かうタクシーで早速「なんで現金じゃなきゃダメなんだよ!いいから行けよ!!」と怒鳴り散らすのであった。僕に平穏な英語ライフは訪れるのだろうか。




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