呟きもしなかった事たちへ_No.26(2021年8月号)

※コンセプトは創刊号をご確認ください。ぼーっとする文章が続きます。バックナンバーはこちら索引もあります。

数年ぶりに会った会社の後輩に「なんか、武の達人のオーラ出てますね」と言われた。武の達人…?

今月も、呟きもしなかった事たちへ。

蜃気楼

時に思い出す友人Tの話。

16の時に、今の嫁と飲み会で出会った(もう20年以上前の事なので不問にしてほしい)。その事を部室で話した時、Tは「未成年で飲酒だなんて、なんて最低な野郎だ!その女も最低に違いない」と言った。Tに「どうせ君も大学行ったら18で飲むよ」と言ったが、Tは「そんな事はない。俺はお前やお前と飲んだ奴みたいな、そんな罪を犯さない」と言った。失礼な奴だなと、覚えた。

高校を卒業して4ヶ月後、18の夏に同窓飲み会があり、Tも来た。上記の事を覚えていたので当然のように僕は「Tはビールじゃなくて烏龍茶でいいよな?」と言ったが、Tは「いや、ビールで」と返してきた。呆気に取られていると「大学生活というものを考えるに、20歳まで飲酒不可能という法が無理な悪法で、そんなものに従う必要はない。」と補足してきた。(この話ももう18年以上前の事なので不問にしてほしい)

Tの変わり身の早さよ…と思うかもしれないが、彼は根本的には頑固である。彼はその時の自分の思う正義に忠実であり、その正義に反するものを許さない。ただ、その正義が、本人も予想できないままに、変わってしまう…そういうタイミングがあるというだけに過ぎない。彼は常に変わる事を想定できていない正義という蜃気楼に向けて爆走しつづけている。

Tとは今も飲むし、Tは相変わらず自分の(現在の)正義に忠実な物言いをする。長い付き合いだから彼の事も分かるし許せるが、18の時に「こいつさてはぶっ殺した方が良いな?」と一瞬思った自分の事も、全く間違いではないなと思う。現在のこの関係性も蜃気楼のようなものかもしれない。

先月号の通り自分で麦茶を作るようになったが、1リットル単位だと作る回数が多くて仕方ないので鍋で2リットル作る。そしてそれを、2リットルのペットボトルに漏斗で入れる。2リットルの麦茶を鍋から漏斗へ入れる時、やり始めは案外こぼしていたが、もうこぼさない。こんな事でも案外習熟はある。

ところで、秘密基地のお客さんから志布志のほうじ茶をいただき、これも作るようになった。そのままでもうまいが、これもキンミヤ焼酎で割るとめっぽううまい。居酒屋の緑茶割やウーロンハイをあまり飲んでこなかったのだが、宝酒造のウーロンハイの缶がちゃんとおいしかったり、先月からの麦茶やほうじ茶がキンミヤで割るとおいしかったりするので、単に「うまい茶は酒で割ってもうまい」という話な気がしてきた。

以前ロングカクテルを作る時の必殺技として午後の紅茶を使っていた事もあったな。アルコール入り茶、さてはうまいな?

レビュー

先月に映画レビュー記事を書いており、一時的に閲覧数がRingo Ishikawaを超えてくれた。ありがたい。

ところで僕の映画レビューは、どれも「初見向けと言いつつ小難しい事言ってるやつの事は信じるな」しか言っていない。例えばこれ。

…いやしかしだ、そもそも相手が映画である。リアルタイム大画面大音量コンテンツ。初見時にパワフルなそれを摂取しながら難しい事考えてくれと言う方が無理筋だろう…と思ってしまう。そうして、自分も初見時にそういう思考放棄しているからこそ、分かりやすくキラキラしたものを好みがちなのかもしれない(アニメもフリップフラッパーズとかを好んでしまう)。

それにしても、自分のNoteにおけるラスボスとしてのRingo Ishikawaの強さよ…。題材の面白さという意味ではRingoより圧倒的にレビュースタァライトなので、まぁようは何故か調理法がやたらよかったんだろうな、リンゴだけに。

平和

土日バタバタしてたりあるいは反動で死んでたりする事が多かったし、平日はやたらめったら地獄のような進行だったが、先日の日曜日は妙に平和だった。早起きが出来て、二日酔いもなく、午前中は買い出しと常備菜作りを終え、午後は電車にのってボーッとしたりコンサートを聞いてボーッとしたりして、まぁともかく、余裕があったのだ。

こんなもんでいいんだよなぁと思ったりもする。ただ、何もないのもね、という思いもある。

蝦子麺

蝦子麺(えび麺)の焼きそばが好きだ。エビが練り込まれている麺で、固めに1分ほど茹で、その間フライパンに油と唐辛子とねぎを温めておいて、最後フライパンでオイスターソースと和えるだけでいい。パツパツとした食感にエビとねぎと唐辛子が香る。美味い。

ただ、上記リンクでも分かるのだけど、1玉45グラムと量が難しい。1玉だと軽く、2玉だとちょっと多い気がする。焼きそばではなく茹で麺としてワンタンと楽しんでいる写真を見るとなる程と思うのだが、焼きそばの方が美味いんだよなー…。

そもそも、エビを練り込まれている麺を活かす中華スープ自体に自信がない。焼きそばの時にイメージを似せて、生姜と塩を利かせて、鶏ガラは弱め、オイスターソースとXOジャン若干…でいいのか?

ピザ

ドミノピザ、日曜日に行われる「Lサイズを1枚買うとMサイズが無料!」というバカみたいなキャンペーンの我が家での使い方がついぞ分からなかったのだけれど、在宅勤務になって分かった。Lサイズが夫婦の夕飯、Mサイズは翌日月曜の自分の昼食だ。温めて食べる。

ところでどうも、ピザについては人と話が合わなかった。味の趣味の話ではなくて、分量の話だ。Mサイズが1~2人前、Lサイズが2~3人前、と公式でも言われるのだけれど、これはいわゆる「ふっくら生地」(レギュラークラスト)の場合なのではないか。うちで宅配ピザを頼む時は何もしたくないのにビールを飲みたい時なので、つまみ目的で薄い生地(ウルトラクリスピークラスト)を頼む。結果、Lサイズにサイドメニューを追加しても夫婦で余裕食べ切れていた。そして、翌日昼食用のMサイズはふっくら生地にしたら、まぁ食べるのに苦労した。なるほど、表記通りだ。

正直これに関してはクラストに合わせて「何人前」の表記を変えるべきだとも思う。

野菜

悔しい思いをしながら、230円のほうれん草を買った。当然だが高い。スーパーの品ぞろえが良くない上にタイミングの悪い時に入店したので、葉物がそれくらいしかなかった。

しかし食べてみると美味しい。高級なだけある。お浸しにしたが、キュッと音がなるほどのシャキシャキ感。実に満足した。

高いものはうまい…一般的な事実として知っている。あんまりに安いものも美味しくないのも、知っている。しかし野菜に関して言うと、旬だとか豊作だと多少安くてもそれなりに美味しいし、逆に悪天候の後などは高くても美味しくない時があるという経験もあって、それゆえにワングレード高い野菜を買えない。小市民だ。生活を向上させられない。

高い野菜をニコニコしながら買えるようになりたい。


↑クリエイターと言われるのこっぱずかしいですが、サポートを頂けるのは一つの夢でもあります。