呟きもしなかった事たちへ_No.45(2023年3月号)

※コンセプトは創刊号をご確認ください。ぼーっとする文章が続きます。バックナンバーはこちら索引もあります。

あるyoutubeチャンネルの待機画面に関してなんか聞き覚えのあるオルゴールだなと思ったのだけれど、初代マリオカートのピノキオの曲に似ていたのだった。

今月も、呟きもしなかった事たちへ。

太巻き

10年以上ぶりに、恵方巻を食べた。

太巻き、酒を飲む人間としては極めて食べるタイミングが難しい。そして豪華になり続けて更に難しくなった。豪勢な事は良い事だし、多分世の中の働いている主婦/主夫はイベントと称してご飯を作らず買って帰る(だけで済ます)事が出来るのは嬉しいのだろうなとは思う。しかし、酒を飲む人間としては、ツマミにするには米が多いし、恵方巻と別にツマミを用意するには本体が主張しすぎている。

普通の太巻き(でんぶ・かんぴょう・卵のやつ)は好きな味なので、締めに食べられるといいのだけれど、コンビニとかでは大抵助六として売られていて、そして助六になると締めにしてはちょっと量が多いというのは節分に限らず悩んでいる。もう少し少ない量であればな…と普段思っていた。

そんな折、コンビニで普通の太巻きサイズで、具も豪勢でない恵方巻が夜割引されていた。これは良い。そうして、恵方巻を半分に切って嫁と締めに食べ、ああこれは良い物だと思った次第だが、多分これマーケットに何もミートしてないな。

メロンソーダ

セブンイレブンの「濃いメロンサイダー」を一口飲んで驚いた。結構しっかりメロンの味がする。いわゆる「メロンソーダ」ではなく、ちゃんとメロンの味だ。しかし驚いた次の日に残りを飲んだ時は、その感覚は失われないまま、「いわゆる普通のメロンソーダ、おしいな」と思った。僕らが安い味だと思うメロンソーダと濃いメロンサイダーの差は大きいと感じていたが、実は恐らく「安い味だと思うメロンソーダ」にちょっとだけ香料を足せばすぐに辿り着く味ではないか、という気付きがあって、故におしいと感じた次第だ。

味の差というのは凄く微妙なものではあって、例えば肉や魚は塩の一振りでレベルが変わる。おそらく、「濃いメロンサイダー」といわゆる安いメロンソーダの差も大きくはないのだろうし、実際「濃いメロンサイダー」は値段は高くなくて、むしろセブンの飲み物でも安い部類に入る。そういう事なのだ。人の工夫はお金で表せない価値を作る。技術、テック。

風邪

久々に風邪を引いた。ちょっと楽しかったというか、なんていうか、妙に安心してしまった。

体がちゃんとだるくなる事、それが理由で家で寝ていられる事、仕事を放置出来る事、しかし翌日の仕事に滅茶苦茶響く事、快復する事、何もかもが久々で、生きているとこういう事もあるよな、という形で生を認識してしまった。

多分こんな感じだと、今何らかの事故で入院とかしたら妙に嬉しくなってテンション上がってしまいそうだな…という危機感がある。健康でありたい。

治安

家から最寄り駅まで、比較的静かな住宅街を通る。車はほとんど走らず、駅前の大通りだけ。電車は混んでいるが変な客はおらず、オフィスのある駅は大型商業施設であり、広くて明るい通路がある。

通勤している限り、何か危ない目に合う事はないな、とふと思う。治安がいい。こうした安心と安定が生活の基盤なのだろう。風邪で一人休むだけで会社がちょっとバタつくのに、こうした所で誰かが危ない目に合うようだと社会も成り立たないのではと思うし、世の中治安がこんなに良い所も珍しい訳で、薄氷の上に社会はあると感じる。かつて霞が関であった惨劇はこういう薄氷を突いたものであることは覚えておく必要もあろう。風邪ひいただけでオウムを思い出すのも変な話だが。

練習

大門地リューゴンがギターを始めたのだけれど、ちょっとよく分からない成長曲線を見せている。

本当に初めて触って3時間でいい音が鳴る。

1か月でもう、「弾けている人」だ。

単に練習している人のギターというのが環境音源としてチルいのもあって、いい配信シリーズだ。手っ取り早さを否定して基礎練習を積み上げる事が結果をもたらすという事をいやというほど分からせてくれる。

ソウルライクシリーズのようなゲームで、第1形態を苦戦しつつ倒しているうちは第2形態を倒せるわけがないのだけれど、そこで第1形態を死ぬほど練習してノーミスにしてから第2形態に行く、というのはちょっと気持ちとしては折れるところがある。「第2形態の練習もかねて通しで挑戦しよう」なんてやっているうちに第1形態が上手く行って第2形態も何とか通せた…という体験の方が個人的には多いし、その方が楽しめるように思う。ちなみにこれで全く上手く行かなかったのはカップヘッドで、あれは第1形態を完璧にするまでリトライを繰り返した。

ギターなんかもちょっと音が出るとエフェクターなんかつけてしまって、「鳴っている自分」を喜んでしまったりするし、そこから曲を適当にやってみたりする(そして半端に喜ぶ)のだけれど、リューゴンは「まず音を出す」事の練習をひたすらに繰り返していて、とても良い。

カツサンド

割と好きな食べ物で、サンドイッチでもつまみながら仕事をするか、という時などによく選んでしまう。とはいえ、絶品だなと思うようなことは少ないのもカツサンドだと思う。まい泉のカツサンドも好みだが、「好み」であって「とても美味い」というものかと言われるとよく分からない。

癖で食べている可能性がある。

ヘルシェイク矢野

妻が、飲みながら、「わき腹がたまに痛むが、婦人関係のものではなさそうで、消化器官かしらん」という話をしていた。

ところが僕は途中から、「婦人関係、ルパン三世と踏めるな」という謎のひらめきのまま「俺様は婦人関係(CVクリカン)」とか、「おい婦人(CV小林清)」とか、「不二子ちゃんて多分婦人科のマスコットキャラクターなんだろうな」とか「またつまらぬものを切ってしまった(外科)」とかどうでもいい事が頭をよぎっていた。

あ、ごめん今フジン三世の事考えてた。

↑クリエイターと言われるのこっぱずかしいですが、サポートを頂けるのは一つの夢でもあります。