呟きもしなかった事たちへ_No.56(2024年1月号)

※コンセプトは創刊号をご確認ください。ぼーっとする文章が続きます。バックナンバーはこちら索引もあります。

自販機の前で缶飲料を飲みながら立ち話をしてダラダラするような、豊かな時間がほしい。

今月も、呟きもしなかった事たちへ。


縁起物の結論

2022年末から酉の市で熊手を買わなくなって代わりを探していたのだけれど、代わりの縁起物は結局アクスタだった気がする。大浦るかこさんやポールプリンセスだけでなく、Panpanyaやハイパーインフレーションのも買ったし、嫁もブラックタイガーとホワイトタイガーのを買っていて大層気に入っていた。飾れて、そして目に入った時に元気になるものこそ縁起物と呼ぶにふさわしいし、そういう意味では完全にアクスタは条件を満たしていた。組み合わせて遊べるのもいい。

それはそれとして昨年結婚された先輩が酉の市で熊手を買ってたのは良かった。新しい生活はそうでなくては。型を知り、本筋を知って、変えていけばいい。はじめは熊手がいい。うちもそうだった。

クラスメイト

なにかのニュースで、インタビューされている人の説明テロップで「被害者の中学生時代同学年だった友人」と書かれていた。

意味は分かる。だが妙な情報が多い。敢えて中学校時代は同学年と示すことで、高校に入ってから同学年じゃないこと(どちらかが留年なり浪人なり進学しなかったこと)がわざわざ分かるようにした理由は何か?別に「中学生時代のクラスメイト」で良くないか?その増えた情報とニュースとの関連も不明で終始変な感じがする。なにか物語性がある気がするが、よく分からない。

調べていくうちに展開するストーリーを自分で作るべきだろうか。一話作れそうだ。

ラーメンらしさ

予てから小籠包には胡椒が合いそうだよなと思いながら、大体において小籠包が出てくる店は刻み生姜とタレを出してくるのでそれに従っていた。

2023年の夫婦忘年会は梅蘭で飲茶ということになって、果たして机には胡椒の小瓶があった。小籠包の上に穴を開けて、胡椒を振って食べた。

…驚くほど、ラーメンの味がする。

いや、たしかに近いものではある。油分を含んだスープ、肉、ネギ、小麦粉を練ったもの。親戚ではある。だがここに胡椒が入るだけでこうも似通うか。中華そばを思わせるのに醤油が要らないこともショッキングではある。ラーメンって何だ…?小籠包に胡椒ぶっかけたもの、ではないはずなのだが…。

焼き鳥丼

セブンイレブンの焼き鳥丼が、難しい。

今セブンイレブンの丼物は、ご飯だけの白い容器の上に透明なトレーがかぶさっていて、丼の具はこのトレーの上にありご飯と分離されているタイプのものが多い。具の水分を多くしても白米がビシャビシャにならず、よく考えられている。しかしそれはそれトレーを上手く引きながら傾けて御飯の上に載せるという行為がある時に、焼き鳥丼が難しいのだ。

カツ丼や親子丼は、卵の力で具が一つになっている。牛丼や中華丼は、液体が多くするりと流れるのであまり困らない。しかし、そぼろ・焼ネギ・塩焼き鳥・たれ焼き鳥で構成されている焼き鳥丼はそうはならない。全然綺麗に載せられない。

そもそもトレーからこぼれ落ちる速度がバラバラなのだ。こんなものをどうしたらいいのか。テーブルクロス引き抜きか?

テーブルクロス引き抜き

テーブルクロス引き抜きというものはすっかり廃れた…宴会芸というものに流行り廃りがあるのは当たり前であるものの、テーブルクロス引き抜きはその面白さはプリミティブなものなのに興隆があるというのも興味深い。流行っていたのは堺正章の力が大きかったなと思う。ちょっと練習すればできる点も含めて、人を惹きつけるものがあっただろう。

だが、今や見かけない。ショート動画とかで流行りそうな気もするのだが、すっかり昭和の遊びの一つになってしまった。メンコ、ベーゴマ、ファミコン、テーブルクロス引き抜き。

平成だろ、というツッコミは野暮だ。

秘伝の技

年末にワーケーションと称して高知に行き、昼まではホテルでメールをさばき、夕方から飲みに行くようなことをしていた。メールが少ない日は昼から桂浜に行ったりもした。なかなか良い。

ウツボもキンメダイもメヒカリもおいしくて、なるほどこれが室戸の地引網の力かと感動していた。ウツボは身は淡白だが皮が独特の味なので、たたきか唐揚げにするのだなと勉強になった。しかし、やはり特筆すべきはカツオだ。

時期外れもいいところだし、冷凍されたものも使っていよう。そもそも高知産だけではない(焼津産が混じっている)ことも確認できている。だけれど、それでも、高知のどこで食べても東京で食べるより断然おいしい。小料理屋のようなちゃんとしたものでなくても(何なら桂浜のサービスエリアみたいな食堂で食べた薄切りの丼ものでも)東京よりおいしい。

これは理屈が合わない。先の通り産地と鮮度はもはや平等だ。となると焼き方とそぎ方になるのだけれど、包丁で東京の(私が信頼している)料理人が負け続けるとも思えない。最後は焼き方だが、別段大掛かりな設備でやっているわけでもない(火は大きく上がる店があったりもしたが)。これが東京で真似できない理由が無い。

何が起きているんだ?焼きをパーフェクトに行う秘伝の技が高知にあるのか?

捨てるために組む

以前からガンプラの類は興味があったが、出来上がったあとの完成品が増えていくと置き場所がないという問題を抱えて手が出せずにいた。作ることは楽しそうだし、作られたものは(楽しく作っただけあって)悪くないものに見えると、飾らざるを得ないだろう。嫁もおおよそ同じ理由でリリアンの類である手芸おもちゃに手を出せずにいる。

だが、別に捨てたっていいのだ。SDガンダムなんて600円程度なのだから、最悪組んで動かしてちょっと遊んで2時間程度だけだとしても、十分に元が取れる。縁日の型抜きみたいなものだと考えればいい。

そう思ったら気楽になって、勢いでいきなり二個買った。挙句ミニ四駆も2・3台目を買ってしまった。積みプラも場所を取るので、捨てるために組まないといけない。話が変わってきた。


↑クリエイターと言われるのこっぱずかしいですが、サポートを頂けるのは一つの夢でもあります。