呟きもしなかった事たちへ_No.30(2021年12月号)

※コンセプトは創刊号をご確認ください。ぼーっとする文章が続きます。バックナンバーはこちら索引もあります。

牛スジ肉の下ごしらえをしている時に出る灰汁が好きだ。薄ピンクと灰色の混じったような、どろどろして泡立つもので、本当に「取った方がいい」という害の在りそうな佇まい。灰汁取りをしている時に「やっているな」という充実感が強い。

今月も、呟きもしなかった事たちへ。

柚子

柚子を会社の人からいただいた。「家で沢山なっちゃうので…」ああー、聞いたことあるやつだ。まぁ人にあげる時に気を使わせない用の常套句だよな。

などと思いながらありがたくいただき、鍋のたれに使ったり、風呂に入れたりしてあっという間に使った。

そしてお礼を言ったら、その翌日すぐにまたいただいた。「本当に沢山なってるんですよ」。常套句じゃなくて本当に沢山なっているらしい。柚子ってそういえばそういうものだったかもしれない。

それはそうと、柚子をもらうという事は、若いヤツだとは思われなくなった事だという気もする。

土産話

全国のうまいものがちょこちょこと買えるので、物産館にはよく行くが、そのくせ行っても色々あってあまり買わない事の方が多い。ちょっとは買うが、30分ちょっとも滞在した挙句に2・3点買う程度に収めてしまう。

買いたくないのではない、「それ、自作で試そう」になってしまうのだ。

例えば先日、「野沢菜を入れたなめたけ」が売っていた。なるほど美味そうだが、買うよりもまず自作してみたくなる。野沢菜以外でも出来そうだ。結局その日は「野沢菜入りなめたけ」は買わず、翌日スーパーでカブとエノキを買って、カブの葉とエノキでなめたけを作った。さらに後日は春菊を入れたなめたけも作った。どちらも美味しかったが、商品だけでなくアイディアに対して何もお金を払っていない。反省。

物産館では土産話ではなく、土産を買え。

ヘッドマッサージ

先日、ちょっと体が疲れ切っているなという時にリフレッシュで髪を切った。勢いヘッドスパもしてもらった際、頭頂部にある自律神経のツボ「百会」を押されたが果たしてその直後から、足の先まで急に温かさがやってきた。

これが、ツボか!

今までも肩こりのツボなどを押してはいたのだが、ここまで明確なものは初めてだった。こういうものなのか。

自分でも出来るのだしシャンプーの際にしっかりヘッドマッサージをした方が良いのは自覚しているのだが、寝汗もかくしと朝に風呂に入る身では、出社前はマッサージをしている余裕もあまりない。せめて土日はしたほうがいいのだろうな。Noteに書くと記憶に残るのでメモしておく。

カード

先月のサシ飲みに気を良くした訳では無いが、今月は部の飲み会の幹事をした。支払はカードを使い、翌日精算で参加者から現金をもらう。一時的に財布が膨れる。気が大きくなる。

これ、実態はカードキャッシングだよな…。

新陳代謝

会社に勤め15年、結婚して12年、今の家で13年過ごしている。変化がない。DINKSとはこういうものか。変わらないなりに新たな人脈と交流を広げたりはしてきたが、転職や転勤、引っ越しなど大きなイベントもなく過ごしてきた。

そんな訳でか、気が付くとクローゼットに20年前の服がゴロゴロある。会社員は私服を着る機会が少ないので傷まないのだが、このままではクローゼットはいっぱいで、新しい服を買わなくなる。これは油断していると、こうしているうちにさらに時が経ち、そうして、40年前の流行服を着る老人になってしまうのではないか(昭和の頃の世俗写真を見ると、今の老人が着ている服と同じもの着ていて、なるほどと思う)。

まずは不必要な服を捨てなければ。しかしもったいない精神はあるので、筋トレ時の服や寝間着にして汚してから捨てる事にしよう。そして、それで終わらせず、新しい服を買わなければならない。断捨離ではなく、新陳代謝を。新しい生活を。

野菜リベンジ

10月から馬鹿みたいに忙しくなって、平日料理をしている余裕がなく、日曜日に常備菜をドカドカと作るようになった。次第、野菜が多くなるし、こうなると、こだわりたくなる。煮つけ用のかぼちゃは国産を買う。そしてそれがうまい。野菜、ちゃんと応えてくれるなという感触がある。ちょっと前は高い野菜が買えないと言っていたが、もう230円のほうれん草も怖くない。

しかし冬になってきて、ほうれん草は良い物も普通に150円で買えるんだよな。今年は白菜も出来がいいし、覚悟をしなければならないような出費はなかったりする。

5G

携帯を新しくし、5G対応になった。と言ってもエリアも狭いし何が変わる訳も無い…と思っていたのだが、会社の所在地がまさかのその「狭い5Gエリアの端」だった。当然、端なので5Gを選ぶと通信が不安定になる。携帯新調して電波の入りが悪くなるとは思わなんだ。

それと、新しい携帯は自分が思っている以上に長いし、滑る。どこに置いても重心が思っている位置と違うのか、置いた後滑る。

柚子2

3回もらうと、もうジャムに使うしかない。マジで沢山なるんだな…。

センターバック

飲み屋の常連Hさんから伺った「課長職はいわばサッカーのセンターバック」、あまりにも鮮やかなのでやはりまとめておく。「あるある」も含めて書き出すと記事一本に出来るレベルだが、それはそれ何というか、自分発のネタでも無いのに調子に乗り過ぎであろう。

センターバック、それはフィールド全体を見渡し、ディフェンスの要にして、攻める際のフォーメーションの起点である(形を変えたりするのはMFやSBの仕事としてあるけれど)。必要に応じて前に出たりもする。いかにも中間管理職らしい。そして何よりセンターバックの仕事とは、キーパーという名の部長に怒られる事である

前提として、キーパーは部長だ。部長はサッカーにおける監督やGMではない。キーパーとは、フィールドにいるプレイヤーだが、なるべく仕事しないで済む方が組織としては良い存在だ(部長だ…)。試合中7本ぐらいシュートが打たれるが、うち5本はDF陣の力で枠外に飛んでいくのを見送り、残り2本ぐらいに対応するのが当人にとっての理想だ(部長だ…)。出来れば1本はボテボテを止めながら倒れ込み、もう1本はしっかりセーブするぐらいの活躍が一番キーパーとして気持ちいい(部長だ…)。そしてその止めた2本とも、止めた後はCBにキレるのがキーパーだ(部長だ…!)。

「部長もFK時のキーパーよろしく、自分が主役として出る段になると指示がめちゃくちゃ細かい」とか、もうそういう「あるある」まで言い出すとこの話はもう止まらないのだが、要するにキーバーは部長で、課長職はCBなのだ。この話は永久にできるが、Hさんのネタなので筆をおく。



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