呟きもしなかった事たちへ_No.6(2020年1月号)

※コンセプトは創刊号をご確認ください。ぼーっとする文章が続きます。バックナンバーはこちら

明けて、めでたさの後に、日常が帰ってくる。本来は日常がつつがなく続くことがめでたいのだろうけど、正月の非日常感はちょっと「日常が続く」という話からは逸脱しているようにも思う。分からないけど、今年もよろしくお願い致します。

今月も、呟きもしなかった事たちへ。

年末年始休暇

年末年始は一段と冷える、とはよく言われるし体感としてもそうなのだが、やはり人の営みが少し落ち着くところにも理由はあろうとは思う。働いている人が減れば、熱量は落ちる。遊びや休暇は仕事に比べると悪のエネルギーを産み出さないので、仕事と同じくらい遊んでも仕事の方が悪のエネルギーを出せる分カロリックなのだ(造語)。

今月のファミマ

いつものファミリーマートについては、今後はもう作品だけ紹介すればいいかな、と思い始めているので、こちらに乗せる。(これまでの経緯は第1回第2回第3回をご覧いただきたい)

いらっしゃいませ。いつもファミリーマートをご利用いただき、ありがとうございます。ただいまおすすめしているスイーツは、レアチーズのクレープです。今週の新商品の、レアチーズのクレープは、甘味と酸味がちょうどいいバランスのあっさりとしたレアチーズケーキに、ブルーベリーソースをあわせ、さらにそれをクレープで挟んだ商品です。クレープが食べたいと思ったらまず、当店のレアチーズのクレープを試していただきたい。それほどの自信作です。池袋までクレープを買いにいかなくても、満足できる商品だとおもいます。食後のデザートやおやつにちょうどいい、食べやすい大きさのレアチーズのクレープを、是非、本日の食後のスイーツに加えて見てください。

商品名の連呼感は相変わらず良さがある。結構レアチーズの話をしているが、よく聞くと押しとしてはクレープであることだ。一方、「ファミマの」ではなく「当店の」と言い出す謎の自信も良い。

それにしても、今クレープ買いに池袋行くかぁ?

消費

あの時はすごい熱中していたドラマなのに今細部を思い出せない、という事はあると思う。べつに、消費はその後本人の血肉にならなくてもいい。むしろ、「血肉になるものしか消費しないし、消費したコンテンツは全て血肉にしてます!」という人、怖い。大喜利の番組とか見てみるみるうちに話術が向上したりするのだろうか。

で、これ。すごい。見る前から分かる無なんだけど、何となく見れてしまう(まさしく「消費」は出来ている)し、「無」が消費できていることが面白い。

突き進みきっている。

Windows10

起動時の背景写真が放っておいてもランダムで定期的に変わり、それに対して敢えてフィードバックをしたければ「気に入りました」「あまり好みではありません」と返す。不思議な儀式だよな、と思う。

ある日急に苦手なものの写真が(それも大写しで)出てきたり、気に入った写真だということをちゃんとフィードバックしても容赦なく勝手に変わったり、がっかりする面もある。だがそれはそれ、繰り返していくと家のPC、嫁の職場のPC、自分の職場のPCで違う写真になり、それが会話のネタになったりするのは面白い。先日はかわいいカモメの写真で嬉しかった。

何かしら生活にポイントが増えている。だが望んだわけでも、嫌なわけでもない。豊かさ、とは違うだろうが、ではこれは一体。

トイレ

ここに書く前に飲み会で喋ってしまい、みおにもツイートされてしまったが。まぁいいか。

あまり女性には知られていない気がするが、男子トイレ(小便器)には

人がいなくても水が流れることがあります

というシールが貼ってあることがある。実際流れる。設備洗浄が目的だそうだ。無人の暗いトイレ(センサーでライトがつく)に入ろうとした途端暗がりからバシャーという音がして驚いたりする。

深夜のオフィスや商業施設で、暗いなかバシャバシャ言っているんだろうなと想像すると、なんだか不思議だ。怖い感じはない。人がいなくなった世界でも機械だけが動いている…そういう感じだ。

国破れて山河あり、みたいなものだろうか。そういえば冒頭の注意書きもそういう趣があるな。

人がいなくても、水が流れることがあります。

アキバ

深夜残業の果て、知人のいる秋葉原のコンセプトバーで一息付くかと訪ねてみると、大型スナイパーライフルのモデルガンを持っている人が何故かいたので、「MAD MAX 怒りのデス・ロード」でマックスの肩を借りてライフルを構えるヒュリオサのシーンを知人とやり、それがチェキになった。

ランダム文章で作ったような話だなと自分でも思うが、実話だ。秋葉原は何かこう、誰も意図しない事が起きる街ではある。どうでもいいような事なのだが、その余計さが素敵だと思う。

こてこて

「いかにもな」「ティピカルな」という意味で使う事があるなと思ったが、案外辞典だと出てこない。大辞林には「そのものの特徴を濃厚に持っているさま」とあるが、これも第1の意味にやや引っ張られている。率直に言えば

「コテコテの関西人」

で出てきた「コテコテ」が、「濃い」から「ティピカルな」に転じて使われるようになったのだろうなという気はする。関西人が「濃い」のはいまや「デフォ」である、という変化が見られる。いずれ、新しい用法なのだろう。

と、思っていたのだが、実はどうも「古典も古典の」が転じた「こてこての」が、以て「いかにもな」「ティピカルな」を意味するという使われ方は昔からあったらしい。大阪人がコッテリしてるのがデフォに、という話とかなり温度差があるが、たまたま同じ語に落ち着いたというのは興味深い。

…どうだろう、一瞬でも「へー」と思わせたら勝ちなのだが。実は「古典も古典の」のくだりは完全に創作である。途中まで本当の事を言ってからハンドルを切るのが詐欺の手法というので真似してみたが果たして。

ホンダ

いつも見かける度に思うのだけど、白バイのフロントに書かれている

POLICE
HONDA

って妙だ。2つのロゴが近い。完全に「ポリス本田」だ。ピン芸人っぽさがすごい。

どーもー、本官はポリス本田でーっす!即、逮捕。ではやっていきましょーねー

とか、そういうタイプだ。警官あるあるとかやる。

これは元旦アップデート予定なので、皆さんの駅伝にポリス本田が現れる呪いがかからんことを(新年早々何をしてるんだ)

↑クリエイターと言われるのこっぱずかしいですが、サポートを頂けるのは一つの夢でもあります。