呟きもしなかった事たちへ_No.14(2020年8月増刊号)

※コンセプトは創刊号をご確認ください。ぼーっとする文章が続きます。バックナンバーはこちら

本来次は9月号なのだが、8月中にネタが多く用意できたので増刊号を出す。旅行ネタが中心であるが、いつ行ったかは書いていないのでご留意されたい(なお、僕は人生で松山には4回も行っている)。

松山牛文化

松山のそば、三津で「三津浜焼」というものを食べた事がある。簡単に言えばいわゆる広島風お好み焼き(※これについてはまた書く)なのだが、牛脂を入れる。これがかなりパンチと甘みを出す。美味しかった。

ところで僕は松山の「瓢太」というラーメン屋(というよりかは飲み屋)のラーメンが大好きで、これは四国にありがちな甘いおでんの煮汁と鶏ガラスープをおそらく1対1ぐらいで割ったあまじょっぱい(そして胡椒が最後に効いた)味の爆弾のようなラーメンだ。中毒性が高く、前回松山に夫婦で行ったときは3日で2回食べた。数年ぶりに松山に行った際にもやはり食べたくなって、食べてやはりよいなと思った。先日家で作れたらさぞ最高だろうと思い立ち、さてこれを再現しようと思った際に、あの甘みはみりんや砂糖、それに練り物の味だけではなし得ないぞと気づいた。それに、鶏だけでは出ないコクがあったはずだ。もしや…改めておでんのお品書きを検索すると思った通りで、牛筋と牛モツが別におでん種で入っている。そういう事か。家でおでんを作る際に、(串の牛筋ではなく)別途塊の牛筋を買って多めにスジ肉として煮込んだ結果、かなり味が似た。なるほどやはりか。

松山というと「ことり」や「アサヒ」などの鍋焼きうどんも有名だが、これもいわゆる(牛)肉うどんなのだよな。みかんやじゃこ天や鶏に忘れられがちだが、伊予牛だけでなく食文化としての牛が強いと感じた次第。

お好み焼き

「広島風お好み焼き」と言いたくない気持ちは正直ある。あれは「風」でもない正真正銘の「お好み焼き」として生きてきたのだ。が、まぁ「お好み焼き」とお互いが主張していがみ合うよりはいいだろう。というより、本件に関しては、大阪も「大阪のお好み焼き」と名乗ればいいだけだろうと思っているのだが、これに関しては大阪が譲歩しないイメージがあってつらい。しかし大阪、うどんは関西の方がうまいと関東人に無駄に主張する人が多いが、一方で福岡と讃岐の事はスルーなのでこの辺も大阪いい加減にしろという気持ちがある。

ところで美味しい広島風お好み焼きを食べた事が無い人は結構いるという印象だ。というより、ひどい店が平気でのさばっていて、東京にも営業を続けさせるくらいなら燃やした方がいい店が多い(どこと言う方が情報としては有用なのだろうが、流石に言わない。水道橋に1軒あるとは書いておく)。これに関しては大阪の人も大阪のお好み焼きに関して似たような事を言うので、「広島のもんより大阪の方がうまい」とか言い出す大阪人は反省してほしい。要は、どっちも美味しい店は美味しいもので、馬鹿にしているうちは相手を知らない状態にあるのだ。リスペクトをしあうべきであろう。

ちなみに、この話を広島の人と大阪の人にした事があるが、広島の人は同調し、大阪の人は「言うて東京はうまいもんないしな」と言ってきた。たった1件ずつのサンプルケースでしかないが、大阪は駄目だな。




大阪は駄目だ。




大阪は駄目だ。


サンライズ

サンライズ瀬戸に乗った時の事を書こうと思う。夜行と名の付くものはフェリー、バス、飛行機そして電車を乗り、まぁおおむね制覇しているはずだ。他に何かあるだろうか。あれば教えてほしい。

サンライズではちゃんとシャワーも使った。テレホンカードみたいなのを買って、スロットにさすと「お湯残り時間6分」と出る。この6分のシャワーで体と頭を洗うのだ。揺れて面白かった。

ベッドは案外寝心地が良く、よく眠ったはずなのだが、どうにも疲れが取れない。岡山から高松まで起きて車窓を楽しみ、その後高松から特急「いしづち」に乗って(一部同じルートを)振り子車両で楽しんだ結果理解したが、サンライズは実はとにかく揺れる(一般車両線路であの速度だ、当たり前である)。これは案外しんどい。飛行機での移動も(席が良くてよく眠れても)疲れるが、似た感じだろうか。

楽しいけど疲れるので一度でいいかな、というのが感想だ。だが一度は面白いので乗っていいと思う。東京駅にまだ止まっている段階で二階建てベッドで備え付けの寝巻に着替え、発車とともにカーテンを開けてビールを飲むのはワクワクする。そのあと少し酔った体で揺れるシャワーを浴びるのも楽しい。客室に挟まれた細長い廊下も趣深い。

旅の夢

サンライズ瀬戸に乗った際、夢を見た。「満月の会」の友人と地方で飲むためにサンライズで向い、体が疲れていて難儀する夢だった。ほぼ正夢である。やはり眠りが浅かったか。

「満月の会」は気が付くと正会員4名が全員既婚者になった。会長A女史が子供を連れてくるので遅刻してはいけないと焦って、サンライズ瀬戸を降りた後慌てて京王線新宿駅を走り、8000系の特急に乗ると果たしてA女史は乗っていた。どういう訳か京王線は荻窪に着き、目当ての店まで話しながら歩いた。会長じゃない方のA女史は既に店の前で待っていて、合流する。そんな夢だった。夢の中で酒は飲み忘れた。

この話、まったく面白みはないのだが、満月の会の事を夢に見た事は記録しておくべきなので残しておく。ここは私のチラシの裏だよ。

これで終わるかと思ったのだが、サンライズ瀬戸の夢から2日後、長い夢を見た。

どうもコンセプトバーのキッチンで働くことになったらしい。キッチン兼ホール担当で、キャストの女の子たちとは違う形で接客をしている。店長ではないようだ。慣れない中難儀しながら接客をしていると、フードの注文が入った。ホールから暖簾をくぐり、学校の廊下を歩いて調理実習室へ行き料理をする。窓の外には高校時代の友人たちが歩いているのが見える。

「シャンネイ!」

あだ名で呼ぶと友人の山内君はこちらを向き、生徒会に今日は出ないのかと聞いてくる。ホールの仕事があるからと断ると、山内君は数人の女性と一緒に坂を上っていった。女性たちは僕を見てはひそひそと話し合っていた。

調理実習室から校庭に出て、下り坂の芝生を歩いてホールに戻る(さっきと形が違う気がする)と、閉店の時間で、どうも僕の仕事ぶりは良くなかったらしい。が、メイドの一番手と思われる子に「百舌鳥落としは出来るよね?やっておいて」と言われたので机に椅子を上げていく。これ百舌鳥落としと言うのか。いや言わないだろと思ったところで目が覚めた。

旅の時には長い夢を見る。家では長い夢はそうそう見ない。布団が変わるからか、あるいは興奮しているからか。それも旅の楽しみなのかもしれない。

↑クリエイターと言われるのこっぱずかしいですが、サポートを頂けるのは一つの夢でもあります。