児童文学リレーの第3ランナーでした
TBCラジオ『ロジャー大葉のラジオな気分』の、児童文学作家がおすすめの本をご紹介する「みちのく児童文学リレー」(13:45~14:00)。
佐々木ひとみさん、堀米薫さん、からバトンを受けた野泉マヤは、7月14日(火)に第3ランナーをつとめました。
そこで、2冊の本をご紹介しました。
1冊めは、野泉マヤのデビュー作『きもだめし☆攻略戦』。
今年は合宿や肝試しを行うのも難しいと思いますので、せめて物語を読んでその気分を味わって欲しいです。
主人公はとても怖がりな小学5年生の女の子、栞ちゃんです。
彼女は、夏休みに学校で行われる肝試しに向けて、健気にも、毎晩、暗やみに慣れる練習をはじめます。その練習中に、高校生で科学部のお兄さんと知り合い、栞ちゃんはお兄さんから、科学的アドバイスを受けます。
「怖いという感情は、よくわからなくて不安だから生じる。
もしも幽霊に出会ったとしても、その幽霊をよく観察すれば、そんなに怖がることはないはずだ」
さらにお兄さんは、幽霊探知機も作ると約束するのですが……。
さあ、栞ちゃんは、肝試しを無事にできるのでしょうか?
〇この本は、先生がお薦めする全国夏のお薦め図書に選ばれたこともあります。また、絵を描いてくれた狩野富貴子先生は、独特の柔らかなタッチで、数多くの絵本や児童書を手掛けたベテランの画家さんで、平成30年には児童文化功労賞も受賞されています。
〇そしてラストでは、ある事実が明かされます。感のいい人は、途中で気づくかもしれません。
もう一冊のご紹介は、佐々木ひとみ・作『七夕の月』。
仙台の七夕祭りがテ―マの物語です。今年は、お祭りも中止になったので、この本を読んで七夕祭りを想像して欲しいです。また、中止というこの機会に、七夕祭りの意味ってなんだろう?と考えてみるのもいいと思います。
それをガイドしてくれる本でもあります。
主人公は小学4年生の男の子、和也くんです。東京から仙台に転校してきたばかりなので、8月に行う七夕祭りのことがよくわからず、とまどってしまいます。
そのとき先生から、夏休みの自由研究に「七夕祭り」について調べるようにいわれます。ただし、和也君に対抗意識をもっているような厄介な男の子とペアを組まされます。このギクシャクした関係の少年二人が、どのように仙台七夕を調べて行って、何を見つけるのか? が、読みどころです。
以上、夏の気分を味わえる児童文学2冊でした。
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