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今でも、ろくろ首が出そうな山道

輿禅院(仙台市泉区)という寺は、元々はこの山道の奥にありました。当時、本堂で和尚さんが読経していると、【ろくろ首】の化け物が現れ、和尚さんの首をペロペロと舐めたそうです。毎夜のことで、とうとう和尚さんは寺を逃げ出し、その後、寺は現在の場所に移転したのでした。

寺が移転してからも、この山道にはろくろ首が出たようです。

*****夕方、男の子が一人で歩いていたので、それを見た人が、うしろから「おい」と呼びかけた。すると男の子は「なんの用?」と振り向きざまに首をスルスルと伸ばしてきた。このろくろ首に出会った人は、驚いて腰をぬかし、その後病気になって亡くなった。*****

この山道は、集落から離れた寂しいところです。未だに外灯もなく、墓石も残っていて不気味な気配がただよいます。輿禅院が、かつてこの場所にあったのは事実ですが、ろくろ首が出たというのは、何かの暗喩と思われます。なんらかの事件があり、和尚さんはたまらずに逃げ出したのでしょう。いったい何が起こったのか? 現地調査だけでは想像できず残念です。

また、女性のイメージが強いろくろ首ですが、ここでは男の子なのですね。このことにも、何かヒントが隠されていそうです。(参考資料:『泉市誌』)

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