無口なシン・エヴァは共創的なのさ

ついにシン・エヴァが公開されてエヴァが完結したそうです。
私の経営者としてのキャリアはほぼ同じなのでそれを思うと感慨深いですが「新劇」だけでも足掛け14年、その間紆余曲折があったことなど、私も事業の来し方(こしかた)を振り返ってしみじみしてしまいます。

エヴァ25年の間にこうした「作品をつくる」ということのグランドデザインが大きく変わったのだと思います。その先駆けであっていまもまだ巨人なのが「初音ミク」だろうと思います。
乱暴を承知でまとめると「二次創作」を取り込んでコミュニティを大きくできる、革新的なライセンス設計、といえば良いでしょうか。
エヴァもそう変化したなぁ、と感じます。
最初は「批判に耐える完成度」を意識していたように思いますが、いまや作品は「解釈の余地だらけ」で、そこら中にその余白を埋めるためにファンや流行りにのってバズりたいひとたちのブログや動画であふれかえっています。「余白」があるからできることです。一方で「映像の完成度」は初期とは比べ物になりません。

「ミク型ライセンス」は「オープンソース」や「クリエイティブコモンズ」とは異なるタイプのライセンスですし、ミク型ライセンスもエヴァもむしろ「本体の著作権」の保護はふつうに厳しいものでしょうけれど、この「共創的」であることは平成後半から「著作物をバズらせる」とても重要なコンセプトで、このコンセプトを上手に操ることが事業の根幹をなしていると、シン・エヴァであらためて思います。

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