True Sightを見よう TI2019 #06

このnoteは#01から順番に読んでいただいていることを前提に書いております。
今までの記事は以下のマガジンからどうぞ。

さて、今回はLiquidのコアプレイヤー、W33の回です。
早速彼のセリフから見て行きましょう。

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6:50~8:52 第1ゲーム ドラフト Part.2

シーンはLiquidの第4ピックです。

6:50
W33: It's looking like a good TA game if you ask me.
Mind Control: It might be a very good Meepo game by the way.
Kuroky: I mean, Meepo is IMBA, with Chen, Tide.
W33: I want TA.
Kuroky: You want TA? Confident?
W33: Yes. Yes.
GH: Then let's roll, let's go for it.
W33: 俺からすりゃTAのためのゲームみたいに見えるけどな。
Mind Control: いやでも、Meepoで勝てるゲームかもしれない。
Kuroky: Chen、Tideと組んだときのMeepoはぶっ壊れてる。
W33: TAがいい。
Kuroky: TAがいい?自信があるのか?
W33: ああ、そうだ。
GH: じゃあ行こうぜ、それで行こう。

*カメラに映っていない人が喋っているシーンでは、微妙に発言者が違うかもしれません。悪しからず。

さて、TA=Templar AssassinW33が自信を持っているヒーローです。
チームに加入した時からずっと、このチームのTAは常にW33であり、先の準決勝でPSG.LGDを苦しめたのも他ならぬこのTAだったりします。

彼らは一瞬Meepoをピックすることも検討しますが、Meepoはカウンター(対策)されやすいため、なるべく最後にピックしたいところです。
そこへさらにW33TAに対して自信を持っている状況、しかもチームはそれで勝ち進んできている。

そりゃTAを押しますよね。この時点では。

ドラフトは進み、OGの4番目のピックはSpectre。これに対してもW33は自信たっぷりです。
一般的にSpectreが得意としているレイトゲーム(長時間のゲーム)になってもアイテムで持っていけると豪語。

ところが、一度終わったと思っていた議論が蒸し返されます。

7:45
Miracle-: By the way, it's actually a crazy idea, but we can still go for the Meepo, because the will think it's Omar's TA.
W33: Let's see what they do.
(...)
W33: Actually fuck the Meepo man. I want to play TA this game. Look at their heroes.
Miracle-: But the Meepo too, look at their heroes. We have Chen, Tide.
Kuroky: They'll ban it, they're not gonna be stupid about it.
Miracle-: ひょっとしたら突拍子もない考え方かもしれないけど、この状況でまだMeepoに行く手はあるんじゃないか。奴らはTAはOmar(W33の本名)が使うと思ってるだろうし。
W33: 相手次第、かな。
(...)
W33: いや、やっぱMeepoはねーわ。このゲームはTAっしょ。相手のヒーローを見てみろよ。
Miracle-: それはMeepoも同じだ、相手のヒーローを見てみろ。しかもこっちにはChenとTideがいる。
Kuroky: Meepoをバンしてくるだろ、あいつらがやらかさない限りは。

そしてOGの最終バン。一瞬Meepoが脳裏にチラつく彼らですが、最後に選んだのは…

8:22
Kuroky: They banned the Gyro.
Miracle-: I mean, Omar, honestly, isn't f*ckin' Meepo really good?
Kuroky: Meepo is auto-win, man.
Miracle-: Seriously.
Announcer(in game): Ten seconds remaining.
Kuroky: Sorry, Omar.
W33: That's fine.  ... I mean, what do you mean sorry? Give me the f*cking Meepo.
Kuroky: Look at me. Confident, or what?
W33: I'm confident. Just do it man, do it pussy.
GH: Let's see.
Kuroky: Let's f*cking go.
Kuroky: 最終バンはGyroだ。
Miracle-: えっと、Omar、ぶっちゃけ、Meepoはマジで良いと思うよ?
Kuroky: Meepo取れば勝ちまで一直線だ。
Miracle-: マジで。
ゲーム内アナウンス: 残り10秒。
Kuroky: Omar、ごめん。
W33: いいよ別に。…ん、ごめんってなんだよ。クソぶっ壊れのMeepoをよこせって。
Kuroky: こっちを見ろ。自信があるのか、無いのか。
W33: 自信たっぷりだよ。いいからやれよ。さっさと。
GH: 行こうぜ。
Kuroky: じゃあ、Meepoで、行こう。

この流れを紹介したかった…!
何なのこいつら。カッコよすぎか。映画化決定か。

というわけでOGの最終バンはGyro=Gyrocopterでした。

自分はTAで行けると思っているが、チームはMeepoに傾きつつある。
時間は無い。(ここで突然ゲーム内の音声が入るのもめっちゃいい演出。)

悪態をつきつつも、W33も最後は形式上、Meepoピックに乗ります。
特に対立することも無く、すんなりとピックが決まっていったOGに対して、最後まで揺れたLiquid
とは言えLiquidも悪いピックをしたわけではありません。

相性をしっかりと検討した上でのピックですし、そもそもMeepoTAと同じくらい、W33を象徴するヒーローの一人です。

*ちなみに、この"象徴する"ヒーローに対応する表現として、"Signature Hero"という表現があります。
より直訳に近づけるなら、W33の代名詞、といったところでしょうか。

といった感じでドラフトは完了、今回のnoteで追う動画もここまでとしましょう。

今回の注目表現はサクッとスラングを一個だけ紹介します。

IMBA (imbalanced)
バランスが崩れている、という英単語の省略形です。
ゲーム関係の文脈では基本的に、強すぎてバランスが取れていないキャラ・アイテム・技などなどを表すために使います。
(もちろん皮肉やジョークなら弱すぎてバランスが取れていないことを表現することもあるとは思いますが、少なくとも一般的ではありません)

上の訳でも書いた通り、日本語にするなら「壊れ」だと思います。
ちなみにOP(Over-powered)が同じ意味で使われることがあります。

というわけで今回はLiquidのカッコイイシーンを追っていきました。
代償として合間に挟まったOGのシーンを完全にすっ飛ばしてしまいましたが、そっちはそっちで聞く価値ありの会話です。

anaがビルドはどうする?と聞いて、Cebがいやお前はこのスタジアムの中で最強のSpectre使いだから、直感を信じろ、と返すところとかね。
(7:13~7:30あたり)

やりたいことを一つやり切った満足感はありますが、動画はまだまだこれから。今後も頑張ります。
それではまた。


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