True Sightを見よう TI2019 #05

このnoteは#01から順番に読んでいただいていることを前提に書いております。
今までの記事は以下のマガジンからどうぞ。

いよいよ第1ゲームの開始です。
そういえば今まで言っていなかったような気がするので今さら言いますが、決勝戦はBO5(Best of 5の略:3勝した方が勝ち)で行われます。

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5:26~6:49 第1ゲーム ドラフト Part.1

ゲームの説明は、真面目にし始めるとそれだけで記事が何十本も書けるため簡単に済ませます。
ここでやっているのは、前にも説明した通りキャラクター選択、ドラフトです。

プロ同士の対戦では自由にキャラクターを選択することはできません。
予め決められたターン順で、各チームがキャラクターを選択していきます(これをPickと呼びます)。
さらにはキャラクター選択の合間に、このキャラクターはこの試合では選択禁止、というキャラを選ぶターンもあります(これをBanと呼びます)。

細かいPickやBanの順番は、まぁいいでしょう。大体交互に選んでいくと思ってください。

個人的な話をすれば、私はこのドラフトが非常に好きです。
特にBO3BO5のような番勝負になった時に、前と同じピックを踏襲するのか、それを防ぐためにバンをするのか。
直前の試合内容がチラついたせいで、致命的な選択肢を見落としてしまったり、負けた試合と同じようなピックを敢えてしてみたり…

話が逸れました。決勝戦に戻りましょう。
OGEnchantressLiquidTidehunterをピックした後、Liquidの第2ピックからです。

6:14
Miracle-: So Tide what? There is ET too.
Kuroky: Tide, ET? The other one is Chen, so.
Miracle-: Oh there is Chen! Oh let's go with Chen.
GH: Chen, Tide?
Kuroky: I think I can do a lot of things for us.
Miracle-: Yeah, I think so too. You are the best Chen after all.
GH: Nice, Kuro! Best Chen!
Kuroky: F*ck off.
Caster: So far Tide and Chen together, when combined, are 5 and 0.
Miracle-: それで、Tideと誰にする?ETもいるな。
Kuroky: Tide, ETか… 他にはChenもあるかな、だから…
Miracle-: あーChenがいるのか、それじゃChenで行こう。
GH: Chen, Tideか?
Kuroky: 色々とサポートはできると思うな。
Miracle-: ああ、俺もそう思う。それにお前は結局最強のChen使いだし。
GH: ナイス、Kuro!最強のChen!
Kuroky: うるせえ。
実況: 今大会ここまで、TideとChenを同時にピックした場合、彼らは5戦全勝しています。

ピックについてもう一つ補足しておくと、この時点ではキャラクターを選んでいっているだけで、誰がそのキャラを操作するか、までは指定しません

実際には大体の場合、チームごとにポジションはある程度決まっているため、ピックした時点でほぼ誰が操作するのかは分かっているも同然ではあるのですが。

この場合、Tide=TidehunterMind Controlが、ChenKurokyが操作するのは本人たちはもちろん、敵チーム目線でもそこそこ明らかです。

一方で、誰が使うか明らかではない、いやそれどころか、誰が使うかピックした本人たちも分からないようなピックもあります。
OGETを選び、その後のOGの第3ピックのシーン。

6:37
JerAx: You should pick Tiny third, 100%, if it's in the pool.
N0tail: I think we should get the Tiny as well. I think we should pick it even for the mid-lane right?
Topson: Yeah, we can.
N0tail: Yeah, it's up to Jesse and you then, to figure out which is best.
JerAx: もし残ってるなら、3番目は100パーTinyピックだ。
N0tail: 俺もTinyを取っとくべきだと思う。ミッドとしても行けるよな?
Topson: ああ、行ける。
N0tail: オッケー。じゃどっちがいいかはJesse(JerAxの本名)とお前に任せる。

ここでOGTinyをピック。
このヒーローは少し特殊で、状況次第(≒敵次第)ではサポートとしても戦えるし、コア(説明を端折ります、サポートの対義語だと思ってください)としても戦うことができます。
チームのポジション的に、サポートの場合はJerAxが操作し、コアの場合にはTopsonが操作することになるため、上のような会話になったというわけです。

このピック時点では、Tinyをどうするか(コアかサポか)は本人たちですらまだ決めていません
誰が操作するかを後から選べるというシステムの関係上、こういう柔軟なピックもできるというわけです。

さて、第1ゲームのピックは後半も見どころ満載なのですが、さすがに勢い余って語りすぎたのでこの辺で一旦止めましょう。

注目表現のコーナーです。

F*ck off.
放送禁止用語を取り上げてしまいました。一応意図があるので聞いてください。
意味は「黙れ」「失せろ」「どけ」などです。

同じ動詞を使う表現でも、メジャーなF*ck youとは異なり、後ろにoffが付いたことで、「オフにすること」に意味が偏っています。

こういうところが英語は面白いなぁと思っています。
他の動詞でも、後ろにつくon, off, to, awayなどなどで意味が幅広く変わります。文法用語では句動詞、というヤツですね。

まぁ、だからと言って今回取り上げた表現は良い子の皆さんは使わないようにしましょう。仮に使うとしても気心が知れた仲だけにしましょう。

it's up to 人
意味は「~に任せる」です。特に選択権を委ねる時の表現です。

It's up to you.=任せる。君が決めて。は非常に使い勝手がいいです。
ただし日本語同様、これを多用する人はだんだんとIt's up to you.=どっちでもいい。どうでもいい。の意味に聞こえるようになってしまいます。
時には任せちゃいけないことも世の中にはあります。主張はしっかりとしましょう。

ちょっといつもより長くなってしまいました。
やっぱり最初にも言った通り、ドラフトは好きなのでついつい喋りすぎてしまいます。

これでも下書きの半分くらいにはなったのですが。というかこれの倍あった本来の下書きは書きたいことが取っ散らかりすぎていてちょっと収集が付かなくなっていました。

そんなこんなで、また次回。もう一回言いますが、次はかなり見どころです。
それではまた。


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