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ウルトラマンの人形を愛でる〜ウルトラマン半跏思惟像
(全部で2,700字弱です)
おばさんがウルトラマンと出会った
先日、いくつか買い物があって家電量販店に行ってきました。
会計を済ませようとレジに向かうと、近くにおもちゃ売り場が。身近に子供がいないこともあって、おもちゃを見るなんて久しぶりです。ずいぶん前に友人の出産祝いを選んで以来でしょうか。
ふと、ウルトラマンの人形に目が止まりました。あら懐かしい。
と言っても、私はウルトラマンのことをあまりよく知りません。幼稚園の頃、友達につきあってシリーズのうちのどれかをちょっと見た程度。幼かったのでストーリーをちゃんと理解していたわけではなく、正義の味方が怪獣退治をする話、くらいの記憶しか残っていませんでした(そんな単純な勧善懲悪の物語でないことを知ったのは、大人になってどこかでサブカル批評を聞きかじってから。ウルトラマンシリーズは子供向けの特撮番組でありながら、解釈によっては大人も考えさせられるところが多い作品だとわかりました)。
『ウルトラマン』っていつ頃の番組だったのだろうと思い調べてみました。初回の放送は1966年だそうです。以来、シリーズは続いていて、今でも新作が作られていると知ってびっくり。ウルトラマンはもう60年近く、世代を超えて親しまれているヒーローなのですね。
おもちゃ売り場でウルトラマンの人形を見ているうちに、インスタグラムの小道具に使ったら面白いかも、と思い立ちました。私はインスタでぬいぐるみの写真などを投稿しているのですが、このごろ少しマンネリ気味。何か意外性のある材料が欲しいなあと思っていたところでした。かさばるものではありませんし、それほど高価でもなかったので買って帰りました。
このような、キャラクターをかたどった小ぶりの硬質な人形を「フィギュア」というそうですね(ちなみに、柔らかいビニール素材でできていて、中が空洞の人形は「ソフビ」というのだそうです)。この歳になってフィギュアというものを初めて触りました。あちこち関節が動いていろいろなポーズができるのが楽しいです。
ウルトラマンって美しいかもしれない
改めてウルトラマンの顔を見て、こんな顔立ちだったのかと思いました。基本的に無表情なのですが、口元はわずかに微笑んでいます。また、角度によっていろいろな表情に見えます。
少し斜めから見た時、何となく仏像に似ていると感じました。穏やかな雰囲気が漂っていて、戦うヒーローのイメージとはだいぶ違います。ウルトラマンって美しいかもしれない、とこの時初めて思いました。
検索してみてわかったことですが、ウルトラマンと仏像が似ていると思う人は少なくないようです。そして、noteでこちらの記事を見て、実際ウルトラマンのデザインは仏像がヒントになっていたということを知りました(ウルトラマンのファンにとってはきっと周知のことでしょうけれど)。
ウルトラマンをデザインしたのは成田享という彫刻家。ウルトラマンシリーズでは、初代の『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』の2作品で着ぐるみやセットのデザインに携わったそうです。
ウルトラマンのモデルのひとつとされているのが、京都・広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像。飛鳥時代の彫刻で、口元にのみ微笑みを浮かべた「アルカイックスマイル」の仏像として代表的なものと言われています。国宝第1号としても有名なのでご存知の方は多いかと思いますが、この仏像の画像をnoteで見つけましたので、参考までリンクを貼っておきますね。
ウルトラマンの顔が口元だけ微笑んで見えるのも、成田享氏が意図的にアルカイックスマイルを採用したからだったのですね。ウルトラマンの見た目が美しい理由がひとつわかりました。
ウルトラマン(のフィギュア)を撮りたい
最初はインスタの添え物と考えていたのですが、ウルトラマンの美しさに気づいてからは、このウルトラマンを主役に写真を撮ってみたいと思うようになりました。
しかし、インスタに何枚か写真をアップしたものの、今後どのようなものを撮っていけばよいのか、なかなかアイデアがまとまりません。
他の方はウルトラマンをどういうふうに撮っているのだろうと、インスタで先行作品を見てみました。ハッシュタグに「ウルトラマン」の文字が含まれるものをいくつかざっくりと流し見。多いのは、作品の一場面を再現していたり、カッコよくポーズを決めていたりする写真です。熱い写真からは、投稿者がウルトラマンのファンだということがよく伝わってきます。
いっぽう私はといえば、ウルトラマン作品に特に思い入れはありません。「アクションヒーローのカッコいい写真を撮る」ということにはあまり興味がないのです。
インスタで見た写真に刺激されて
インスタの中にはたまに毛色の変わった写真もあります。その中で、ウルトラマンの日常生活を描いた作品に注目しました。こうした発想にはとても惹かれます。
ミニチュアの調度品(よくここまで集めたものです)でしつらえられた家屋で、ウルトラマンたちが普通の生活をしています。スーパーで半額シールが貼られた見切り品を買ったり、子供に抱っこをせがまれてお夕飯の準備が進まなかったり。生活感がよく表現されています。
また、雛祭りやお盆といった年中行事、秋には七輪を囲んで松茸を焼いたりなど、季節感あふれる四季折々の暮らしは平和で楽しそう。そして、ちょっと懐かしい。昔ながらの日常の光景が、昭和のヒーローだったウルトラマンによく似合っています(最近の投稿では、いまどきな感じの作品もみられます)。
キャプションも気が利いていて、なにやら実感がこもっているらしきものも。この方の投稿をかなり過去まで遡って見てみましたが、どれもたいへん面白く夢中になって拝見しました。
この方のインスタのプロフィール欄は下記リンクから。興味のある方はぜひご覧になってみてください。
このような手が込んでいる写真は、到底私には真似できそうにありません(人真似をしても面白くありませんしね)。
しかしながら、この方の投稿からはかなり影響を受けています。題材のヒントになりましたし、大いに刺激されました。私も、自分なりのウルトラマンの写真を、楽しみながら撮っていければいいなと思っています。
とりあえず、広隆寺の弥勒菩薩を真似たポーズで写真を撮ってみました(指先の形が違うとか、右肘が膝につかないとか、うまく再現できなかったところは多々ありますが…)。
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