見出し画像

農業DX化のその先にあるもの

DXはデジタルトランスフォーメーションのことですね。「今までのやり方はアナログなのでデジタルへ脱却して行こう」、ということがアルファベット2文字で表されているわけです。

さてDXが成されるとどうなるでしょうか。僕はコアなアナログがもっともっとあぶり出されてくるのではないかと思っています。

近年でDX化の進展がものすごいのは、コミュニケーションの領域ではないでしょうか。携帯電話、スマートフォン、オンラインミーティング、対面で会わずともほとんどのやりとりができるようになっています。でも本当に会いたい人と会わずに済むでしょうか?逆にもっと会いたくなるのでは?

DXによって会わなくてもいい人(ごめんなさい)に割いていた時間を、本当に会いたい人に使える、逆に言えば、会った人が本当に会いたい人だった。対面で会うことがアナログだとすると、コアなアナログがあぶり出されたということになるかと思います。

僕は農業周りで仕事をしていますが、農業はアナログだとのイメージを持つ人の方が多いのではないでしょうか。実際にその通りだと思うのですが、それでも最近では、ドローンによる肥料や農薬の散布、自動運転トラクター、ハウスの環境制御などデジタル技術がどんどん入ってきています。そうすることで、農業生産者がもっとコアなアナログに集中できるようになっていくと思います。

農業生産者にとってのコアなアナログとは間違いなく畑で作物と向き合うことです。ですから、DX化によって畑に出る時間が減るのではなく、逆に増えるのではないかと予想しています。だから今度は畑での農作物と向き合う時間をもっとDX化していきたいと思っています。

究極を言うと畑の作物と対話できるようになること。おそらく熟練の農業生産者たちは対話できていると思いますが、その言語は統一されていません。翻訳する辞書もないので、その対話は1対1で閉じてしまっています。これではもったいないです。

農業経営体は規模が小さいところが多く、さらに1年に1回しか生産できないというものも多く、経験により植物との対話をレベルアップさせていくには時間がかかり過ぎます。なので、他の生産者と情報を交換し合うことが必要になりますが、言語が違うとそれも難しいでしょう。

ならば辞書を作ればいい。言語のベースとなるのは気象データです。どのような植物にとっても最大の外部要因であり、共通言語として見ても差し支えないかと思います。これをベースにして、農業生産者が受け取った農作物の反応を付け加えていけばいいのです。

このような発想でアプリを作りました。農作物の状況を数値で評価して、気象データと一緒に蓄積していくだけの単純な仕組みなので入力の手間もあまりかかりません。
今のところは、状況評価は主観による入力だけですが、将来的には写真から解析したり、ウエアラブルデバイスと連携したりと自動翻訳アプリのようなことまでできればいいなと思っています。
興味のある方は無料ですので、ぜひ使ってみてください。
https://www.agriclue.net/

最後は宣伝になってしまいましたが、DXの目的はデジタルへ変革すれば達成というわけではなく、コアなアナログへの回帰だと強く主張しておきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?