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転職前のひととき(24首)

近況

相変わらず、プライベートが落ち着かない。転職直前なのに、現職の仕事の残りもある。作歌については、ただ観察しただけの歌は減らしていってるつもり。つもりだ。体験したことも、自分の体を通したものにしようと思っている。思ってはいる。7月の後半、インプット(先人の歌を取り入れる作業)ゼロ。叱りつけたい。

7月後半の歌たち

7/16火
傘ごとにしずくの垂れる様違い とぅるんと垂れる様子おかしく
地下鉄の深きホームに雀おり どうして入った? どうして帰る?

7/17水
スイカバーただ一つ持ちレジの前「Suicaで」と言い頬赤らめる
(「塔」短歌会8/20締切)
7/18木
子らの声つい目と耳を傾ける息子と同じ年代にだけ
人前に出て発表をせいという体がふるえ腹下す予兆

7/19金
パーソナルスペース確保したき人満員電車地蔵のように
駅出口スプレーを振る女あり透明になりそうで目が離せない

7/20土
土曜朝勉強しに行く電車内仕事と同じでもう帰りたい
懇親の席で議論が始まって突っ伏して寝る学び得られず

7/21日
曇り空参院選の投票日 前に済ませてもう他人事
7/22月
20年母校の建物鮮やかに苦しさ悔しさもっと鮮やか
→二十年母校の建物鮮やかに苦しさ悔しさもっと鮮やか
(「塔」短歌会8/20締切)
7/23火
自らのこと人前でさらすことつまらなく思え心暗くす
7/24水
アイス買う食べてる途中滴って気温の高さ手の甲で知る
(「塔」短歌会8/20締切)
7/25木
移動する合い間にカレーを摂ることが日常になり生業のよう
7/26金
浮かぶこと「君子危うきに近寄らず」クレーンの突端揺れるのを見て
30℃超えた街中歩くわけ通院なのにダメージを負う

7/27土
釣り堀で早々と竿手放して餌を撒いては息子手づかみ
(「塔」短歌会8/20締切)
7/28日
自暴自棄しかなれなくて日曜日 杯を死ぬまで傾けるだけ
7/29月
トボトボと歩く小学生がおり我が子の未来重ね苦しく
(「塔」短歌会8/20締切)
別れると決めてしまった翌日は未来の我が子姿ぼやけて

7/30火
「暑い」「暑い」言わずにわかることなれど誰知らぬ声「暑い」「暑い」「暑い」
海外の観光客が歩く夏これが平時と思わないでね
ゆっくりと歩く2人を追い抜いて大事な時間もっとゆっくり

7/31水
夫婦から赤の他人になったとて子はそのままに愛しています


いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。