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常設展の見方がわからない! もっと美術館を楽しむ方法

時々、美術館に行く。

だいたいは企画展、特別展といったものに行くことになる。上野の美術館までドアツードアで30分くらいという場所に住んでいるので、常設展なんていつでも行けんじゃん、という気持ちもあるからだ。

しかし、実際に常設展に行くことはほとんどない。

ひっきりなしに、企画展・特別展が開催されていて、そちらにばかり行くことになってしまう。もちろん、企画展・特別展は、その期間しか見れない作品もあるので、それに対して不満があるわけじゃない。

特別展に行く前には、どうせ見るなら少しでも言語化して、理解を深めたいと思うので、事前に予習もするし、隅から隅まで、2時間、3時間かけて、展示物を往復する。結構、体力がいるので、一度行くと、次に行こうと思うまでに時間がかかる。その間に次の企画展が始まり、前から行きたかった企画展も控えているので、結局、常設展だけ見に行くことがほとんどない。

常設展の見方がわからない!

そんな中、先日、常設展に行く機会があった。基本は、常設展がメインの美術館のようだが、そもそも企画展の入れ替え時期で、企画展をやっていなかった。一人の作家やテーマの縛りがなく、いろんな作品を見ることができるのでお得だという認識だし、その美術館の特徴を知るいいきっかけになると思った。

が・・・、

普段企画展にしか行かないので、作品の見方がわからない。美術に関して、広く深い知識があるわけではないし、審美眼があるとは言えない。

企画展では、テーマや作家について、見るべきポイントを探ってから行く。仮にポイントを探らなくても、好きなポイント、共通点に気づきやすい。有名な絵があれば、その色使い、タッチが、有名作品の少し前の時代に、すでに表れていることが多い。有名な作品の形、大きさなど「好き」が見つかれば、それと同じ「好き」が他の作品にも隠れている。色のバランス、対象の形のとらえ方、色そのもの、構図の特徴、絵にする対象物に共通点を見だしやすい。

しかし、大きな美術館の常設展では、いろんな作家の作品、いろんな時代の作品を見ることになるので、共通点が見いだせない! いいモノかどうかも判断できない。

もちろん、気に入る作品は必ず見つかる。しかし、そこに留まっても、なかなか言葉が出てこない。同じテーマの作品が並んでいれば、隣の作品との共通点、あるいは差異から、この形のとらえ方がいいんだ、色使いが変わったから、より受け入れやすくなったんだ、と気づくが、常設展ではそうした見方ができなかった。

常設展の見方を考える

例えば、同じ時代の作品を集中的に見るというのはどうだろう?

やっぱり戦争が背景にある時代は、悲壮さ、悲惨さが前面に出ていることが多い。その暗い時代や感情をどう表現したか? という見方はできるかもしれない。

同じ感じ方をした作品を行き来するのもいいかもしれない。人物や風景などで、写実ではないのに「これはリアルだ」と感じた絵があれば、なぜ、これは「リアル」なんだろう? と理由を考える。

自分なりに共通項を見いだして、同じ共通点がある作品を行き来するのはいいかもしれない。

今年は、年末まで、見に行きたい企画展が2つ控えている。忙しいので、その2つを見ることができれば、それでお腹いっぱいになる気がする。来年、2024年は、ぜひ、常設展にもっと足を運ぼうと思う。また楽しみができてしまった。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。