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師走の浅草で息子と二人、人力車に乗りました

先日、息子と一緒に人力車に乗りました。

浅草に近いところに住んでいるので、人力車はよく見かけます。浅草だけでなく吾妻橋を渡って墨田区にもよく来ているので、日常の風景の一つです。ただ自分で乗ることはありません。歩いて回れる住まいの近くを移動するのに、お金を払って乗る人はあまりいないでしょう。

でも、息子には乗せてみたいと思っていました。どんなことでも経験させたい。ちょっとやってみたいけれど、自分がやらずにきてしまったことは、よくあるでしょう。あまりしない経験をちょっと多めにしたからといって、それで人生が豊かになるとは思いませんが「やってみたいなぁ」が溜まれば、「もうやらずにいいかも…」につながるかもしれません。どんなことでも「やろうと思えば、いつでもやれる」と考えるマインドのほうがいいと思います。以前「人力車に乗ってみたい?」と聞いてみたら「乗ってみたい!」と答えてくれたので、機会があれば乗せようと考えていました。

息子は現在、小学三年生。もう少し大きくなれば、街中で人目に触れながら乗ることを恥ずかしさを覚えるかもしれません。小学校も高学年になれば、友だちと遊ぶ範囲に浅草も入るでしょう。友だちに見られることを想像してしまえば、余計に恥ずかしく感じる場面もあるかもしれません。

そうはいっても、ただの交通手段ではないので、思い立ってすぐに乗せようとは思えず…(料金は二人30分 9千円)

そのうちに・・・と思っている間に乗りたくなくなってしまうかもしれないので近いうちに… とは思っていました。そんなとき、副収入というほどでもありませんが、ふいにちょっとしたお金が入ることがありました。お金が入った日、ちょうど人力車を見かけて、あ、今度、乗せようと決めました。

息子が習い事を終えた後、集合場所に指定された場所に向かいました。

車夫さんはとても丁寧な人で、説明を遮ってしゃべろうとする息子にも丁寧に接してくれました。息子は車夫さんに乗り心地や、乗った感想を伝えます。物怖じしないで大人にも言いたいことを伝えるところ、そして相手が喜んでくれることを伝えようという行動がえらい。思春期を過ぎれば無くなってしまうかもしれないけれど、今は息子の好ましい特徴にちょっと嬉しくなりました。

乗ってすぐに近所に住んでいるということを伝えてしまったので、車夫さんは少し説明しにくそうでした。説明しようとして(どうせ知ってるだろうけど…)というちょっとした間の後に、たぶんいつも通りお客さんにする説明をしてくれました。

息子は、前日の晩、自分の家ではしないであろう夜更かしをしてしまったために、乗車して15分ほどで寝てしまいましたが、ちょっとおもしろがってくれたので、私にもいい思い出となりました。

小三ということは、大人になって記憶に残っているか微妙なところですが、
記憶に残ってなくてもいい。乗車する時のフワッと体が持ち上がる感じ、ちょっと高いところから街を見回す経験を彼の体に刻めたことだけで十分です。

この写真を撮った時には、すでに息子は寝ていましたが、空が広くて、気持ちがいい時間となりました。


いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。