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万葉旅行は歌を詠みつつ

ほぼ日の学校アドベントカレンダー2019、第5日です。

ほぼ日の学校では、課外授業が行われることがあります。
万葉集講座では、なんと奈良への万葉旅行がありました!

贅沢なことに、上野先生のガイド付き。

ただおもしろいだけでなく(失礼!)、ちゃんと万葉の世界にも浸ることができるお得な上野先生の授業はこちら(↓)

旅の最初に向かった場所は、吉野の里。
持統天皇が何度も訪れた場所です。夫であった天武天皇のことを思ってか、天皇という地位に立ち返るためなのか。とにかく訪れる必要がある場所だったのでしょう。稜線や川の形など、永く変わってないであろう景色を見つつ、彼女のことを考えて歩きます。何の香りだったか、独特の木々の匂いが立ち込めていました。

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自分の故郷に誇りを持ったガイドさんが説明くださる万葉集の歌の話に聞き惚れます。愛することを前面に出して、丁寧に伝えるという行為は、素敵ですね。

ちなみに、吉野散策の予習に、こちらは必須です。

この万葉旅行で私は歌を読みながら、堪能しました。

万葉に歌われし場所いまここに 景色と香り永く感じる
「天上の虹」最高の参考書 吉野散策の決定版なり
ガイド氏の愛に溢れる説明は いま万葉の長歌になれり
(吉野3首)

初日の晩は、上野先生の講演付きのお食事会がありました。
もう雰囲気に酔いますよね。。

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翌日は、朝から清々しく始まります。
ホテルから歩いて15分ほどにある、橿原(かしはら)神宮にお参りしました。

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朝七時橿原(かしはら)の宮に手を合わす畝傍(うねび)の山の緑を吸って
(朝1首)

この日は目まぐるしく移動します。

藤原宮跡では、上野先生の解説を聞きながら、
「春過ぎて 夏きたるらし 白妙の 衣ほしたり 天の香具山」を声に出して読みました。

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藤原宮、三山(さんざん)の内(うち)香具山の近くにあって声出しうたう
(藤原の宮1首)

大和三山(やまとさんざん)は、香具山(かぐやま)、畝傍山(うねびやま)、耳成山(みみなしやま)です。万葉集に歌われたこの山々の位置を確認します。

今度は、甘橿(あまかし)の丘に移動して三山をみます。
(天皇が住む)宮(みや)と、(宮を囲む)都(みやこ)が誰の時代に、どこにあったか、どう移ったか、甘樫丘でも、山の位置と合わせて、インプットいただきました。

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天気晴れ、風はいささか強けれど弁当うまし甘橿の丘
香具山を地図で感じて、遠くに見、正面に見て、見下ろしている
(甘橿の丘2首)

旅の最後は、平城京跡です。
天皇が平城京に都を移す理由について宣言したという朱雀門から、上野先生に続けて、我々も、その宣言文を朱雀大路に向かって、声に出して読みます。風が強く、普段、あまり鳴らないという門の端にぶら下がった風鐸(ふうたく)が、カランカラン、ガランガランと鳴ります。

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朱雀門、大路に向けて宣言す 我らの意気に風鐸がなる
(平城京1首)

手厚く、笑いの絶えない解説を聞きながら、
歌を詠むために感じ取ろうとした風景、想像した歴史に、美味しいお弁当、
幸せな時間でした。

こういう旅行は、さすがに自分一人では企画も実施もできないですが、また全身に歴史を取り込むような体験はしたいなと思います。講座終了後に企画されることもあるので・・もしかすると。


この記事は、以下のnoteを再構成して作成しました。


いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。