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アニメの作り方、アニメプロデューサー柏田真一郎さんが教えてくれたこと

10月13日のイベントのアーカイブ視聴したのでメモ。

アニメの制作の流れ、特に、脚本に関して、プロデューサー柏田真一郎さんが教えてくれたイベントです。終りのほうの質疑応答は、また後日視聴予定。

【タイトル】
アニメ界のヒットメーカーが語る「企画のつくり方・ひろげ方」〜話題のアニメはどうやってつくられた? アニメプロデューサー:柏田真一郎さん

【イベント概要】
スタジオの現場から叩き上げでキャリアを積み、今はアニプレックスで多数のオリジナルアニメのプロデュースを手掛ける柏田真一郎さんに、ヒットアニメのつくり方を伺います。
どのようにアイデアを生み出し、アニメを作り上げているのか。クリエイターやファンをどう巻き込み、作品をひろげているのか。人気キャラクターの誕生秘話も交えて、実際の作品づくりのプロセスをお話しいただきます。聞き手は、『リコリス・リコイル』『冴えない彼女の育てかた』などの企画制作にも携わった、noteディレクターの萩原猛がつとめます。

▼プロフィール
柏田真一郎(アニメプロデューサー)
J.C.STAFF制作プロデューサーを経て、2010年アニプレックスに入社。2014年にプロデューサーを担当した『ソードアート・オンライン』がヒットを収めた。以降もヒットタイトルを連発し、2018年にアニプレックス子会社のA-1Pictures代表取締役社長に就任。2022年にアニプレックスに帰任し、現在は、企画制作第1グループ副本部長兼スクリプトルーム室長を務める。プロデュース作品に、『魔法科高校の劣等生』『冴えない彼女の育てかた』、『君の膵臓をたべたい』、『リコリス・リコイル』などがある。

※アーカイブ動画はこちら

映像メーカープロデューサーの業務

映像メーカープロデューサーの業務(時系列順)

・企画起案(誰に対して、どのようなジャンルのタイトルをいくらで作り、いくらで売るのか?)
・制作会社及び監督やキャラクターデザイン等、メインスタッフ依頼(制作会社の制作プロデューサー含めた各所との話し合い)
・製作費+宣伝費決め
・出資者集め(制作委員会の組成)
・劇中音楽(BGM)担当者選定
・OP・ED楽曲を歌うアーティスト選定
・放送局への取りまとめ(提供料集め含む)
・シリーズ構成打ち合わせ
・各話シナリオ打ち合わせ
・各話のコンテ上がりを確認(代理店チェック含む)
・アテレコ・ダビング立ち合い
・ビデオ編集(放送局への納品素材制作)立ち合い
・製作委員会の立ち上げと、各社との調整(契約他、各窓口の取りまとめ)
・宣伝との連携(放送前の盛り上げから、パッケージ発売までの宣伝試作の方向性確認共有)
・ビデオパッケージ(BD・DVD)及びそれにともなう特典物の制作
・各所との契約の取り交わし

発表スライドより引用

<企画>

原作つきアニメとオリジナルアニメの作り方の違い

  • 原作つきはプレッシャー、これで売れなかったらどうしよう?

  • 売れる・売れないは後からついてくる。そこはしょうがないので、原作の先生に喜んでもらえるような作品にしたい

  • キャラクターのテンプレで売れると思う、でも、そこを売りにすると普通のアニメになってしまう。だから、売れるポイント、おもしろポイントを最初に確認する

  • オリジナルは何もないところからのスタート

  • 若い時は、作りたいものもあるが、ネタも枯渇していく。いろんな人の作りたいもの、作れるものを出していく

  • アニメは制作に3年かかる。制作に関わる人間も書籍よりずっと多い。何百人が関わる。おもしろくなる可能性もあるが、制約が多い

原作ものをアニメにするときに大切にしていること

  • 柏田さんは、漫画をアニメ化しない。絵の正解があるから

  • 柏田さん「原作者が不幸になるならやるべきじゃない」

  • 文章読んで柏田さんの中で絵(映像)が浮かべば、おもしろいものになる

  • 人によって思い浮かぶ絵は違うので、自分が思い描いた通りにアニメになる必要はないけど、映像が浮かぶ必要はある

オリジナルアニメ(原作なし)を立ち上げるときに大切にしていること

  • 最初は、ライターさんが決まる

  • キャラクターの台詞回しだったり、シチュエーションが絵にしたら、おもしろいだろうなと感じるライターさんに、やりたいことを伝える

  • 脚本を作るのに3年くらいはかかる

  • 1話から12話作った後、見直すと足りないところが出てくる

  • あとで入れておきたい伏線出てくる

  • 3年で終わればいいほう

  • 柏田さん「おもしろいものを作ります。は言えるけど、売りますとはいえない。歯がゆいけれど」

「いいオリジナルアニメ」とは?

柏田さん「俺だって売れてないオリジナルアニメ作ってますよ」という前置きのあと

  • 第一話でよくわかんないアニメがある

  • 一話で作品の終わり方を匂わせ、作品の売りを入れ込めた上でm、三話まで見れば、その後の展開が見えるような流れ

  • 第一話が作品を見るかどうかの原動力になる。一番、作成時間も取れる

<脚本>

「仕事を頼みたい」と思える脚本家の条件は?

  • アニメで柏田さんが重要視してるのがキャラクター、なので、キャラのセリフに色がある人

  • セリフでキャラが思い浮かぶ

いい脚本とそうでない脚本の違いは?

  • テンポ感がいい

  • 読んでいて、絵が浮かび続ける

  • ダメな脚本は一行でつまらない(絵が浮かばない、説明台詞)

  • アニメなので説明しなくても絵でわかる

  • 長いな、と思ったらカットしちゃう

  • うまい人はセリフ以外で、絵で見えるところおに説明を埋め込む

脚本について、悔しかったこと

  • 最後まで読めた。絵も浮かんだし、おもしろいだろうと思ったけど、メインヒロインを立てなきゃいけないのに、サブヒロインが立ってた →書き直し

  • まず、シリーズ構成があって、シナリオライターが複数いる

  • シリーズ構成 →プロット→シナリオがあるので、別の人が書いても書ききれるような構成をつくれないとダメ

脚本仕事をやったことがない人にもチャンスはある?

  • 小説書いてる人が脚本書くチャンスはある

  • 書式は経験を積めばできるようになる

(脚本など)文字を書く方へ

くすぶっている方もいると思うが、本は出せなかったけど、おもしろいことを書く人がいる人は知っている。今後、仕事でご一緒できることを期待しています。

所感

アニメの脚本は、絵が浮かぶようなものが大事、という話は何度も出てきましたね。他人に伝わるかの前に、少なくとも自分の中で映像化できるようでないと、いい脚本にするのは難しそうです。ちょっと理由があって、一つくらいは、アニメの脚本を書いてみたいので、映像化できる文章というものを少し意識してみたいと思います。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。