小説【再会(4)】 夢を求めて
(4)夢を求めて
学生時代、教員をめざしていたが、心の奥には作家になりたいという思いがあった。それは川の流れに任せ、風に揺られ、流れる方向が定まらない笹舟のようであった。その時々で将来の目標が変わり、しっかりとした意思が持てていなかった。大学生になっても自分探しをしている自分は恥ずかしく、仲間にも相談していなかった。ただ、亜紀には迷っている将来のことを伝えていた。
地元の両親は、公務員になって欲しいと無言のメッセージを常に伝えてきていた。地元の役場の職員になるか教員になっ