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松尾豊氏が語った「ディープラーニングは、インターネットに匹敵する数十年に1度の技術」である理由 -日刊のぐりゅうAIニュース #17

「すべてのビジネスはAIと共に!」をモットーにしています のぐりゅう(野口竜司)です。さて、本日もAIニュースをお届けします。
photo by 人見淳

1月30日(水)の記事はこちら。

松尾豊氏が語った「ディープラーニングは、インターネットに匹敵する数十年に1度の技術」である理由

「SEMICON Japan 2018」でおこなわれた東京大学大学院 工学系研究科 特任准教授の松尾豊氏による「人工知能は人間を超えるか -- ディープラーニングの先にあるもの」のレポートが素晴らしかったので紹介します。

記事の見出し一覧はこちら。

・コントロールできていれば、王様を突撃させてもいい?
・「人工知能」という言葉が指し示すものの変化
・自然言語処理の分野も革新しているディープラーニング
・画像認識=変数1万個の重回帰分析
・ディープラーニングとは、深い関数を使った最小二乗法
・深くなるとは、つまり表現力が増えるということ
・ディープラーニングは、インターネットに匹敵する数十年に一度の技術
・トランジスタが産業を変えたように、ディープラーニングが全てを変えていく
・最小二乗法という原理が、ブームとして去ることはない
・集積するうちに、ディープラーニングなんて誰も言わなくなるかもしれない
・言葉の「意味・理解」に起こる変化
・学びたい人に投資する文化が日本にはない
・日本ディープラーニング協会で「テスト」を行う理由
・単なる流行ではなく、本質的な技術

松尾先生はこの講演の中で、最小二乗法という考え方からディープラーニングを解説。AIの中でもディープラーニングが画期的なのは、とにかく大量の変数から特徴を自動で見つけ出すことで、その例として100コマ×100コマの画像の詳細データ1万個を例に解説されています。1万個の変数を過去存在した技法で特徴抽出しようとした時の限界性をディープラーニングは超えてくれると解説されています。特に識別系AIとして画像、動画、言語を捉える能力が数十年に一度の技術として根付くとも。

また、講演の中でも以下の部分が未来への提示として、ワクワクするものでした。

ディープラーニングは、2012年から急激に進展しました。それからいろんな技術が出てきています。(スライドを指して)年表を作りましたけれども、わずか6~7年前の論文が古典的な論文になるくらい、本当に進展が早い世界です。

これはまだまだ進むと思っています。これから1〜2年ですごく重要になるのが「世界モデルの構築」といわれているものです。画像認識はできるのですが、3次元構造を理解するということがまだ上手にできないんですね。

今の認識系AIも、実は二次元でしか特徴を捉えきれてないということですが、三次元空間、たとえば部屋に入ってからの部屋全体の状況を把握するなども可能になってくるのではないかとのビジョン提示です。

それからもう1つ、これからの技術の進展としておもしろいと思っているのが、言葉の「意味・理解」です。これもそのうちにできるようになってきます。

どういうことかというと、人間も言葉を使えること以外は、猿と同じなんですよね。猿や他の哺乳類がなにをしているかというと、環境中の情報を知覚して、それによって適応的に行動しているわけです。

そういうものがベースにあって、その上に人間は言葉の処理を乗っけている。つまり、人間の知能というのは2階建てなんです。今までの自然言語処理というのは、1階部分がないのに2階部分を作ろうとしてきた。いま、ディープラーニングによって起こっている変化は、1階部分ができそうということで、これからは1階部分と2階部分を両方備えた意味処理ができるはずなんです。

また、言葉の「意味・理解」は現AIの苦手とするところといわれつづけていますが、これも解消していくと松尾先生は予測してしています。人間に限りなく近づき、さらには人間を超越する日が本当に来るかもしれません。

タイトル画像はプロカメラマンの人見淳氏からご提供いただきました。

AI活用エヴンジェリスト 野口竜司(のぐりゅう)

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