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データビジネスの作り方(雑感)

久しぶりにデータ業界に対して何か自分の知見を還元したいと思いたち書いてみました。前職ではデータビジネスを立ち上げしてグロース、現職ではデータビジネスの立ち上げ1年後にジョインし、3年かけてグロースを経験してきました。ちょうどいい節目でもありますし、再現性という観点も踏まえて自分の中で徐々に体系化できつつある気がしたのでこのタイミングで放出しておきます。
(なお、本記事は一部生成AIによる支援を受けて執筆していることご了承ください)


データビジネスの基本

ここについては、2023年9月ごろにTwitterで思いつくままに連続ツイートしていました。

その内容をChatGPTに投げて、文章に起こしてもらったのが下記です。

データビジネスの定義とその重要性

データビジネスとは、自社が保有するデータを主な価値源泉として収益を生み出すビジネスモデルです。ここでは、データ活用の効率化やツール提供ではなく、データを直接的な収益源とするアプローチに焦点を当てます。データカンパニーという概念は、データを利用して売上を伸ばし、コストを削減し、新事業を生み出すことを包含しますが、本記事では特に新事業の創出に注目します。

データビジネスの基本的なアプローチ

データビジネスを始める最初のステップは、保有データの意味を再定義することから始まります。これは、従来の呼び方や使われ方から離れ、データを新しい視点で見直すプロセスです。例えば、不動産の物件情報を「空き家情報」として再定義する、検索クエリを「消費者ニーズ」と見なすなど、わずかな違いが新たな価値を生むことがあります。

ビジネスモデルと市場の探求

データの再定義が完了したら、新規事業の開発プロセスは通常のビジネス開発と同様です。誰にどんな価値を提供できるかを仮定し、検証し、プロトタイプを作成するなど、段階的に進めます。データビジネスのビジネスモデルは、市場の顧客数やデータの使われ方によって異なりますが、核となる価値がしっかりしていれば、モデルは柔軟に変化できます。

データビジネスの始め方と内部期待の管理

データビジネスは特に、既にデータを保有している企業にとって多角化のための良い手段です。ただし、本業を上回る収益を期待するのは難しいこともあります。データビジネスは、本業の拡張としてのポートフォリオの一部と捉えるべきです。本業の10%の規模であっても、それが新しいビジネス機会を提供することに意味があります。

データビジネスの利点と戦略

データビジネスは素早く、低コストで立ち上げることができ、収益性が高いという利点があります。また、戦略的に新たな市場に進出する橋頭堡としても機能します。データを基にしたビジネスは、その軽快さを活かして、異なる業界にアプローチすることも可能です。

データビジネスの成長と市場の変化

データビジネスは、スタートアップに近い性質を持ち、柔軟で迅速な試行錯誤が可能です。生成AIの出現は、データから価値を抽出するプロセスを民主化し、ビジネスの起点となるデータの価値を高めました。データビジネスは、スケーラブルで持続可能であり、ゼロサムゲームではなくプラスサムを目指しやすいという特性もあります。

データビジネスの未来と人材育成

データビジネスの未来は、データの価値を理解し、ビジネスに活用できる人材に依存します。事業開発、マーケティング、企画、プロダクト管理などの職種が重要であり、データの活用事例を学び、知識を蓄積することがキーとなります。データビジネスは、その柔軟性とスピードで、将来にわたって重要なビジネス領域となるでしょう。

かなり上手にまとめてくれている気もしますが、逆に要約しすぎて初見ではピンとこない部分もあるかと思いますので、もう少し詳しく知りたい方は元Tweetの方をご参照ください。ご質問などレス頂けたらいつでも回答します。


データビジネス開発上の注意点

上記だけで記事にしようと思ったのですが、ちょっとボリュームが少なかったので、ChatGPTに質問して、記事に追加すべき項目を提案してもらいました。

私からChatGPTへの問いかけ
ChatGPTからの回答
なんか意図がずれている気がしないでもない

ということで、質問が具体的すぎる3を除き、私の考えを回答させてもらいました。

市場のギャップと機会

データビジネスを作ろうとした際に難しいのは、データの意味の再定義だと思います。自社で獲得したデータというのはどうしてもその活用や解釈の幅がもともとの事業ドメインに引きずられてしまうからです。そういう意味では、よりデータビジネスが起こりやすい市場とするためには、業界すら異なる企業間でデータが自由に利活用されるようなエコシステムが必要と言えます。ただ、現在は個人情報や機密情報の保護の観点から自社のデータを他社に渡すことは現実的ではなく、一つの企業内に閉じることが多くなってきています。そのため、データビジネス自体の可能性も一社で大量、複数種類のデータを保有できる大規模プラットフォームが圧倒的に有利という状況にあります。

データの特性と活用法

データの種類としては、価値の再定義次第ですので、一概に価値の高いデータを決めるのは難しいです。ただ、そのデータの価値を最終的に売上に変えることを考えるならばシンプルに、より多くの顧客に、より高い価格で購入されるような価値の定義を考えるべきです。
また、加工において特に重要なのは、データの流通性を高めるために匿名性や秘密性を担保する一方で、そのデータから取得できる情報の粒度を細かくするために生データに近い形での提供が望ましいということです。この矛盾を解決するために差分プライバシーなどの技術を活用することもできますし、シンプルに統計化しても価値が落ちない(解像度の多少の低さがデータビジネス上の障壁にならない)ようなデータは「価値の高いデータ」と言えると思います。

収益モデルとビジネススケール

収益モデルはデータの提供形態によって大きく3つに分けられると思います。
・データそのものを提供する
・データを閲覧、分析できる環境を提供する
・データから引き出した価値を活用した機能を提供する
順に、データ販売、データ分析ツール、データプロダクト、と言い換えてもいいと思います。
上にあるほど、データそのものの加工コストは低くなり、素材のままの提供に近くなります。ビジネスを開始するまでのハードルが下がる一方で、あくまで素材なので単価は低くなりがちで、そこからどう価値を引き出すかを購入者側にゆだねることになります。購入者側に加工の余地を残せるという意味では流通可能な範囲も広くなる可能性がありますが、一方で、価値を引き出せる相手しかターゲットにならないということにもなるので、その自由度がかえって市場を狭める可能性があることには注意が必要です。
データプロダクトとしての提供はその逆で、プロダクト化することのコストを提供者側が負担する分、その価値を求める人に対してはわかりやすい形でプロダクトを通じた価値提供が可能になります。利用の敷居は下がる分、プロダクト開発コストが価格に転嫁されるので素材状態よりも高くなり、ターゲットもニーズと価値が合致しているのであれば広げやすくなります。
データから引き出した価値が解決可能なニーズが一定の規模の市場として存在するようであれば、プロダクトとしての提供を選択し、その傍ら、まだ見ぬ新たなニーズを開拓するためにPoC目的も兼ねたデータ販売も並行して行うのがバランスよさそうです。

リスクとコンプライアンス

リスクという意味では「データを許可された範囲内で利用しているか」の一点に尽きると思います。この点については、データ取得時点から利用目的をしっかりと明示し、データ所有者、権利者の許諾を得たうえで利用することが必須になります。そういう意味では、社内にもともと存在していたデータを利活用してデータビジネスを立ち上げるという考え方においても、実際に外部に提供するデータに関しては再度同意を取り直す、プロダクト開発時に設計し直す、などのステップが必要となる可能性が高いです。
また、データビジネスにおいては法令順守だけでなく、倫理面での規範も大事になってきます。データビジネスにおいて利用されるデータは元をたどると自社よりも手前で誰かに提供してもらったデータであることが多いはずです。その場合、データの提供者、元の所有者の権利を侵すような形での利活用は炎上リスクも高くなりますし、許されることではありません。データの価値はデータの提供者に素早く、わかりやすい形で返すことを意識してビジネス設計するべきだと考えます。

ChatGPTさんのために気合入れて回答したのでだいぶ手厚くなりましたね。

AIが考えるこれからのデータビジネス案

最後に、せっかくなのでこれらのデータビジネスに関するインプットを踏まえたうえで、新たなビジネスアイディアを考えてもらったので共有します。

私からChatGPTへの依頼
日本のために一つ頼むよ

回答が下記です。ドキドキ。

  1. 地域活性化と観光支援データプラットフォーム

    • 地方自治体や観光関連企業が持つデータ(観光客の流れ、消費パターン、イベントの反響など)を集約し、これらのデータを活用して地域固有の魅力を再発見し、新たな観光ルートやイベントの企画を提案するプラットフォームを構築します。地方創生や観光産業の活性化に貢献し、データを活用して地域経済を支援します。

  2. スマートシティデータ統合サービス

    • 都市インフラや公共交通、住民の活動に関連するデータを収集・分析し、より効率的な都市運営のサポートを行うサービスを提供します。エネルギー使用の最適化、交通の流動性向上、環境保護など、スマートシティ構想に沿ったデータ駆動型の都市計画をサポートします。

  3. ヘルスケアデータ分析と予防医療サービス

    • 医療機関、保険会社、ウェルネスアプリなどから収集した医療データを活用し、病気の予防や健康管理に役立つ情報を提供します。AIとデータ分析を用いて、個々の健康状態に最適化された予防医療アドバイスや生活スタイルの提案を行い、健康寿命の延伸を目指します。

うむ。なんともそれっぽいアイディアが出ましたね。どんなデータを保有しているかという前提条件を与えなかったので、普通の企業からするとまずそのデータをどうやって取得する?という問題からになりますが、既にこれらのデータを保有している企業にとってはわかりやすい妥当なビジネスアイディアに見えます。
一方で、この記事で再三主張してきた「データの再定義」という観点ではあまり面白くないアイディアだったかなと感じました。もともとのデータの特性をストレートに活かしすぎているように見えます。既存のデータの価値をそのままストレートに再利用してしまうと、もともとそのデータを取得してきた既存事業とのカニバリが起こる可能性があるので、どうせならもう少し「飛んだアイディア」につなげられるとデータビジネスを立ち上げることの意義が際立ってよいなと思いました。
このあたりの「データの再定義に伴う飛んだビジネスアイディア」を生み出すのは、今後の人間が担当すべきユニークな仕事になるかもしれないですね。今回の記事がそんな新たなデータビジネスを生み出すうえで何かのお役に立てれば幸いです。

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