イタリアの大学への出願方法
こんにちは、のぐちです。
今回の記事では、イタリアの大学に出願するまでのスケジュール感・必要な書類・注意点などを詳しく書いていきます。
イタリアの大学に留学するための第一ステップです。やることが多くて心が折れそうになる時もありますが、一つずつ着実にクリアしていけば大丈夫です!
なお、こちらの記事は、西日本在住の社会人が、2024年9月にシエナ外国人大学(Università per Stranieri di Siena)の3年間の学士課程(Corso di Laurea)に入学するために出願した方法をベースにまとめています。
志望する大学やその年によって留学手続きが異なる部分もあるかと思いますので、必ず大学や大使館・総領事館に最新情報をご確認ください。
出願までのスケジュール
自分の体験を元に、4月に出願完了するためのスケジュールをまとめてみました
1月
大学のHPで直近の入学要件や必要な書類などを確認
卒業した高校に成績証明書・卒業証明書の発行を依頼
卒業証明書・成績証明書を取得
2月
卒業証明書・成績証明書を外務省に送付し、アポスティーユ(公印確認)を取得
イタリア語翻訳者を探し、卒業証明書・成績証明書のイタリア語翻訳を依頼
等価証明書の申請に必要な住民票・戸籍抄本を取得
3月
大学にメールし、念のため必要書類や出願開始時期などを確認
イタリア語翻訳者にアポスティーユ(公印確認)付きの卒業証明書・成績証明書、等価証明書の取得に必要な住民票・戸籍謄本など書類を郵送
イタリア語翻訳者に等価証明書の申請をしてもらう
在大阪イタリア総領事館から等価証明書を受け取る
4月
UNIVERSITALYに必要書類をアップロードしてオンライン登録
大学側の申請受理を確認して出願完了
※出願が完了したら、これ以降は学生ビザ申請の準備へ
出願に必要な書類
①高校の卒業証明書・成績証明書
出身校に連絡し、卒業証明書と成績証明書の発行を依頼しましょう。
※日本語の証明書で問題ありませんが、英文だと後述するイタリア語翻訳の必要がない場合もあるそうです。各自大学などにご確認お願い致します
大卒者は最終学歴が大学になるかと思いますが、イタリアの大学に入学する場合は、高校の卒業証明書・成績証明書があれば大丈夫です。
また、卒業してから一定の年月が経つと成績証明書は発行されず、「成績証明書の発行が不可な旨の証明書」になります。
②アポスティーユ(公印確認)
取得した卒業証明書・成績証明書を外務省に郵送し、アポスティーユ(公印確認)を依頼しましょう。
アポスティーユ(公印確認)とは?
※私立高校を卒業している方は「公印確認」という作業になります
アポスティーユの申請に必要な書類
※詳しくは下記の外務省のリンクをご確認ください
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000608.html
③卒業証明書・成績証明書のイタリア語翻訳
西日本エリア在住の方は、在大阪イタリア総領事館のイタリア語翻訳者リストから翻訳者の方にメールで見積依頼を送りましょう。
※卒業証明書・成績証明書が英文の場合は、イタリア語翻訳が必要ない場合もあるそうです。各自大学などにご確認お願い致します
※東日本エリア在住の方は、イタリア大使館のHPを確認もしくはメールにて問い合わせをお願い致します
また、追って等価証明書の発行を依頼しないといけないのですが、イタリア語翻訳者の方に翻訳と合わせて等価証明書の取得代行をお願いした方が楽です。
イタリア語翻訳者に実際に送った見積依頼メール
自分が依頼したときは相場が分からなかったので4名の方(イタリア人2名、日本人2名)に依頼しましたが、メールが返ってきたのは1名のみでした。費用については、イタリア語翻訳が書類2点で10,000円、後述する等価証明書の代行取得費が15,000円、合計25,000円でした。
見積もりをもらって問題がなければ、イタリア語翻訳者の方に代金をお支払いし、翻訳作業に着手してもらいます。
翻訳が終わったら確認用のPDFが欲しい旨も伝えておき、翻訳された書類の名前・生年月日など表記に間違いないか確認してください。
④等価証明書
等価証明書の取得はご自身でもできますが、こちらではイタリア語翻訳者の方に代行してもらう場合の手順を記載しています。
※在大阪イタリア総領事館で、等価証明書の取得代行をして頂く場合の手順です
イタリア語翻訳者に、下記の資料を郵送します。
等価証明書の代行取得に必要な書類
アポスティーユ(公印確認)付きの卒業証明書・成績証明書の原本
卒業証明書・成績証明書がイタリア語翻訳されたもの(翻訳が終わっていなければ、翻訳者が印刷してくれるはずです)
委任状(所定の様式なし・日本語でも可能)
戸籍抄本のコピー
住民票のコピー
パスポート写真ページのコピー
宛先に自分の住所を記載したレターパックライト(差出人は書かない)
※注意点
実際に自分がそうでした。返送されてきた等価証明書の出生地のローマ字表記が間違っていたため、在大阪イタリア総領事館に再度等価証明書を返送し、出生地のローマ字表記を訂正してもらう手間が発生して面倒くさかったです。
⑤語学能力の証明書
基本的にイタリアの大学に留学するためには、「B2(中上級)」のイタリア語能力が必要です。すでにCILSやCELIでB2の資格を持っている場合は、大学のイタリア語試験が免除になります。
※シエナ外国人大学においては、アジア圏の留学生(日本・韓国・中国など)は、「B1(中級)」のイタリア語レベルが入学要件となっていました
※日本の実用イタリア語検定は、語学能力の証明として認められませんのでご注意ください。
また、出願時に語学能力を証明できる書類がない場合は、大学が主催するイタリア語試験を受験すればよい場合もあります。(各自大学にお問い合わせをお願い致します)
自分は出願時に語学能力の証明をできる書類がなかったので、大学主催のイタリア語試験を受験する前提で、出願後に6月のCILSを受験しました。
結果が出たのが8月下旬だったので、大学主催のイタリア語試験前ギリギリに語学レベルを証明することができました。
結構ヒヤヒヤしたので、留学する前年の6月・12月に開催されるCILSを前もって受験しておくことをオススメします。
UNIVERSITALYで出願(オンライン登録)
必要な書類が揃い、オンライン出願の受付が開始したら、UNIVERSITALY(オンライン出願システム)から大学に出願します。
まずはアカウントを開設して個人情報を登録、その後大学への出願を進めていきます。
以下、特に注意が必要な項目です。
出生地(City of birth)
等価証明書に記載されている出生地を、ローマ字表記で入力してください。本籍地ではないのでご注意ください。
住所
学生ビザを申請する時に、ご自身が住んでいる住所を入力してください。
自分は当時住んでいたマンションの住所を入力してしまっており、学生ビザ申請時にいる実家の住所とは異なることに後で気づきました。そのため、一度完了した出願を取り消し、大学側で住所を書き換えてもらい、再び在大阪イタリア総領事館に転送するという手間が発生してしまいました。
出願(オンライン登録)へ進む
アカウントにログインし、「Pre-enrolment application」→「New pre-enrolment application」と進み、留学希望先の大学へ入学申請のオンライン登録を進めていきます。
書類のアップロード
各ページの指示に従って、以下の書類をPDFや画像でアップロードしていきます。
パスポート
等価証明書
卒業証明書
成績証明書
語学能力証明書
VISA APPLICATION
自分の住所の管轄エリアに応じて、大使館「AMBASCIATA TOKYO」または総領事館「CONSOLATO GENERALE OSAKA」を選択します。
Specifiy the reason for the visa application
大学進学の場合は「I want to enrol in a study course」を選択してください。
その後は自分が希望する大学・学部などを選択していきます。
出願作業を完了させる
全ての入力が完了したら内容を確認し、「Apply for pre-enrolment」をクリックします。これで出願作業が完了です。
出願が受理されたかの確認
UNIVERSITALYのマイページで、↓の緑の部分のように「大使館に転送された」と表示されればOKです。また、大学からも申請を受理した旨のメールが来ました。
おわりに
はい、ということで、ここまで来れば大学留学の準備も70%ぐらい終わったようなものです。あとは住居を確保して、学生ビザを申請するのみです!
未来のどなたかの参考になれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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