志稲20171228100首詠1

百首会のこと・1(開催動機)

 「百首会」なるものを初めて見聞きしたのは、今年の上半期、同じ所属欄の先輩歌人「文月郁葉」様からでした。よろしければ一緒にいかが?とせっかくのお誘いだったのに「一晩に百首詠む?無理無理無理無理…」と、開催場所が北陸だったこともあって遠慮してしまったのですが、しかしそのチャレンジングかつエキサイティングな試みに興味は尽きず、いつかは参加したい…と思っていました。

 「百首会」のことを二度目に見聞きしたのは、今年の文フリ大阪で購入した、「ショージサキ」様の漫画&イラスト本でした。この方の漫画は大変楽しくて、百首会って楽しそう、と興味がポジティブ方向に傾くには十分すぎました。

 「百首会」のことを三度目に見聞きしたのは秋の文フリ東京に出店されていた「花笠海月」様からでした。小冊子も買わせていただき、熟読。noteの関連記事も一言一句さらうようにして読みました。そして私は「またいつか企画されたら参加させてもらおうかしら」という待ちの姿勢を捨て、「それなら自分が企画すればいいじゃん」と思うに至りました。しかしながら、初めてのことでいきなり幹事はいくらなんでもハードルが高すぎる。ここはまず自分ひとりでやってみてからだ、と考え直し、その日のうちに開催場所を予約しました。12月7日のことです。

 なにがひとり百首会強行(←大袈裟)の一番の動機だったか。ずばり「このごろ歌ができなくて」(花笠海月さんのnoteの記事より)です。今年は本当に作った歌数自体が少なくて、だからといって一首一首の完成度が高いわけでもなく、今となっては雑役としか呼べないようなあれこれに埋没していくうちになけなしの詩情は遠く家出したまま帰ってくる気配すらなく。

 賞への応募も2つに絞ったのにNHK全国大会の近藤芳美賞も落選(入選していたら通知が来るのは去年知ったので)、未来賞も今年はまるでだめだった(と思い込んでいた)しで、自分の作歌への姿勢をしゃんとさせないとだめだなと反省しつつ、なにか突破口のようなものが欲しかったのです。ひとり百首会は荒療治のつもりでした。

 日程的にも、一晩徹夜という無茶をしても影響が少なそうなのは年末休みくらいでしたので、タイミング的にもちょうどよかったというのもあります。私は徹夜なんぞするとそのあと3日くらいガタガタなので…

 前置きが長いな、ここらへんにして2に続きます。