志稲20171228100首詠3

百首会のこと・3(実施した感想)

 ふだんの作歌自体が早くないし量産もできないので、そういうペースでやれるのか、やらざるを得ないときに自分の内面に何が起こるのか、心配半分、期待半分でした。

 ふだんの月詠は、いちばん時間がかかるのがテーマ選びで、何首か読むうちになんとなく見えてきたテーマでまとめるスタイルです。10首作るのにも最低でも1週間はかかる。それでも早くなったほうなのですが。

 実際に始めてみると、やはり何を歌にするか、どんな修辞の工夫をするかを考える時間はないので、目についたもの、頭に浮かんだことをそのまま短歌にしていくようになるようです。(「実況法」とでもネーミングしてしまえ。)作った100首を読み返しても「思ふ」とか言いすぎなのは苦笑せざるを得ないです。ついつい同じ言葉を繰りかえし使っちゃうあたりも、語彙力不足を感じます。

 調子がつかめてくると、数分のうちに5、6首続けて作れるけれど、ぱたっと止まってしまうことも何度かありました。そういうときは、気分転換に本棚を眺めたり、本をぱらぱらめくったり、外へ出たり、何か食べたり(笑)。ネタを探しにいく感じで乗り切った感があります。何人かでやるなら題詠に切り替えて、題を出しあったりできますね。

 23時ごろ、体も疲れたので眠ることにしましたが、2時過ぎに目が覚めて、また作り始めました。まぁいつもの睡眠パターンに近いですね。量的にいちばん捗ったのも朝の3時台から5時台くらい。同じ建物の1階に回らないお寿司屋さんがあって、そこへ食べに行ったのもパワーになった。(やっぱりお寿司は偉大。つくづく良い立地だった。)

 実はもともとストレスで過食する傾向があるので(だから痩せないんですが)異様におなかが空くのがストレスなのか血糖値の低下なのかいまひとつ判然としなかったんですが、やっぱり純粋にエネルギーが足りてなかった気がします。奄美で買った黒糖、持っていけばよかったです。

 マラソンをしたことはありませんが、たぶんマラソンと同じことだと思います。栄養補給は大事。あといわゆる「ひとり旅」はそれなりにメンタルが強くないとつらいもんだなーと、思った次第。

 あと、作った100首詠んでみると、いわゆる「手癖」みたいなものが見えてくる。普段は意識していないけれど、自分の作りやすいパターンに「安易に」嵌っていく感じでしょうか。

 そういうことも含めて考えるに、百首会はひとりでもできるしそれなりに実りもあるけれど、信頼しあえる仲間数人でやって、お互いの作歌法などを敢えて見せ合うほうがより高い成果が得られるのでは、と想像します。ともすれば慣れ合いになってしまうのではという危惧もありますので、複数人でやるなら目的を明確にしておく必要がありそうです。

 ともあれ、ひとり百首会はなかなか得難い体験だったし、機会を作ってまたやってみたいと思います。

 作った100首は公式発信用アカウントから画像ファイルで公開しています。仮名遣いの間違いや言葉のおかしいところを早速発見しましたが今回ばかりは大目に見ていただきたく存じます。そのうち、今回のあれこれと合わせて小冊子にまとめるつもりです。(おしまい)