いなべ総合VS鈴鹿 観戦記

こんばんは。駅伝大好きマンです。
今回は初の試みで、第104回全国高等学校野球選手権三重大会の観戦記を書いていきたいと思います。最後まで読んでいただけると幸いです。
それではお願いします!

いなべ総合 秋2回戦 春ベスト8 Aゾーンシード校

鈴鹿 秋春県大会初戦敗退(2回戦)

春にベスト8に入り夏のシードを決めたいなべ総合と昨年のレギュラーが4人残る鈴鹿の一戦。秋・春、そして初戦を見た限りではいなべ総合が総合力で上回るものの、鈴鹿もセンターラインを中心に守りが固く、3点差以内のゲームになることが予想された。

事前の注目選手はいなべ総合は山田、鈴鹿は尾間

両チームの切り込み隊長でもあり、県下屈指の遊撃手である二人

いなべ総合の先発はエースナンバーの小倉。この日計測したMAXは132キロながら、打者のアウトコースへの制球が抜群だった。球速がない分初回から捉えられる打球もあったが、制球ミスはなかったためほぼ外野の正面に打球が飛んだ。いなべの外野陣のポジショニングもさすがだなと思わされた。

鈴鹿の先発もエースナンバーの大西。130キロ中盤のストレートで序盤はいなべ打線を封じ込める。高めに浮いても押していたのが印象的。さらに110キロ前半の縦のスライダーは空振りをとるというよりも、カウントを整えるのにかなり有効だった。ピンチの場面では特に捕手山本のリードが冴えわたった。

4回まで投手戦の展開が続き、試合が動いたのが5回。初回から飛ばしてきた大西の制球が乱れ始め、球威こそ落ちていないものの若干疲れが見え始めた。2死2塁とにすると、3遊間に打球が飛び、尾間が捕球。タイミングはセーフのタイミングだったが、一塁への送球がショートバウンドし後逸。遂に均衡が破れた。

尾間も目一杯のプレーだったが、あげたくなかった先制点を許す展開で折り返す。

後半もいなべ小倉のピッチングが素晴らしく、鈴鹿はなかなかチャンスを作れず。さらに難しいプレーこそなかったものの、やはり山田の一つ一つの動きにムダがなく、一歩目、ポジショニング、フットワークどれをとっても「全国レベル」の守備だったかと。

さらに、いなべの捕手加藤も自慢の強肩で鈴鹿の盗塁をけん制。イニング間の2塁送球では、座ったままでノーバウンドストライク送球を披露。過去にも高校日本代表に選ばれた渡邉や2年前優勝時の田所もしていたことあって、球場内の観客が驚くということがなかったのも印象的。

一方鈴鹿の山本もスローイングは良いものの、地肩やいなべの走塁のレベルの高さで7回までに盗塁を4つ許した。いなべはかなり自信をもって盗塁を仕掛けていたため、この時点では終盤盗塁が勝負の分かれ目になるような気がしていた。

そして、勝負の分かれ目になった8回いなべ小倉が先頭に四球を出すと、9番山本への初球も明らかなボール。ここで、尾崎監督は迷わずに継投に。一気に試合の焦点は「継投がはまるか」に。

小倉からマウンドを受け継いだ2番手の水野だったが、投球練習から制球が定まらず。結局9番の山本を3球連続ボールで歩かせ、ピンチで一番回したくなかった1番尾間に回る。

尾間に対しても、1球目2球目の直球が外れ苦しい投球に。そして3球目、高めに浮いた変化球を見逃さず振りぬきライトオーバーの2塁打で同点。変わってからストライクの入っていなかった投手の高めに浮いた変化球を見逃さなかった尾間の集中力は見事だった。

この後、スクイズで挟んだもののアウトにできず、送球ミスが重なるなど、「堅守」いなべでは考えられないミスが続き4-1に。

一気に鈴鹿優位の展開になったかと思われたが、その裏にエース大西が脚を攣るアクシデント。何とか続投を試みたが、ヒットを打たれ交代。鈴鹿も継投に入りまた試合が動いた。2番手堤は120キロ台前半ながら、制球を乱すことなく最小失点に留める。1死1.2塁のピンチだったが尾間のところに打球が飛び、堅実にゲッツーを取った。

そして、鈴鹿は9回裏3番手鷲見が登板。初戦でも134キロを計測しており、球に力のある鷲見で逃げ切りたいところだったが、連続安打を許し降板。4番手松本に。そして、この松本の起用が面白かった。

球速も110キロ台で明らかな野手投げで、投手経験が少なそうだったため抑えるのは難しいかと思われたが、難なくバント処理をこなしてアウトを一つとると交代。まさかのバント処理のための登板だった。

そして、5番手岩渕へ。1死2.3塁の場面での登板となった。対するいなべは3番石垣4番篠田とこの上ないバッターへ回る。岩渕は120キロ前後の真っすぐと緩い変化球でとにかく厳しいところに制球。石垣を中飛に打ち取り、1点差に詰められたものの、あとアウト1つ。

4.5番にもとにかく厳しいところを着いた結果連続四球で2死満塁。そして6番梨本の鋭いゴロがサードに飛び、最後は不規則に跳ねたが、サード市川が好捕。そのままベースを踏み、4対3で鈴鹿がシード校いなべ総合を破った。

「まとめ」

両チーム8回から継投に入り、7回までの投手戦が一転、大きくゲームが動いた。鈴鹿は捕手山本の好リードに、それに応えた大西の力投。残り2回を4人で繋いで必ず9回で勝ち切る判断をしたベンチ、そして尾間が8回に見せた集中力。シード校を倒すにはこの展開に持ち込んで、決めるべき人が決める。下剋上のお手本のようなゲーム運びだった。


一方いなべ総合は8回に連続エラー、その裏に無死1.2塁で送りバント失敗など、いなべ総合「らしくない」プレーが連続で続いたのが勝負の分かれ目だった。それでも代打で出てきた2選手が安打を放ち、3番手の2年生高田も130キロ中盤の直球を武器に粘投。総合力の高さを見せた。ベンチ入りした2年生も多く残るので、また秋の大会で強さを見せてくれたら。


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