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【新説】宇宙の膨張は、平行宇宙との合体の結果だった!

COBRAの2024年6月17日の記事「Situation Update」で紹介された記事「Our universe is merging with 'baby universes', causing it to expand, new theoretical study suggests」を翻訳しました。

※翻訳がお気に召しましたら、記事下部からサポートをお願い致します。

”科学者たちは、小さな宇宙がこの宇宙に合体している証拠を発見しつつあります。”

元記事

By Andrey Feldman published February 8, 2024

宇宙の膨張の加速の原因がダークエネルギーであるという説については、科学者の中でも意見が分かれるところだ。最近では小さな「赤ちゃん宇宙」が我々の親宇宙に吸収されているという新説が話題になっている。

宇宙は加速度的に膨張している。それについてはどの宇宙理論も認めるところであるが、その原理を説明できる理論は今のところ見つかっていない。そんな中、新たな説が浮上してきた。

「もしこの宇宙が膨張しているのは、他の小さな平行宇宙が合併吸収されているからだとしたら?」

ビッグバンの残光である「宇宙マイクロ波背景放射」の研究によって、宇宙は加速度的に膨張していることが明らかになったわけだが、これを主要理論(定常宇宙論)に適合させるには、宇宙膨張の原因を暗黒エネルギー(正体不明の力)とするしかなくなったのである。

しかし、正体不明と定義された以上、暗黒エネルギーの正体は掴めないままである。多くの天体物理学者がその存在自体に疑問を抱き始め、別の原因の可能性を探っている。

2023年12月12日に「この宇宙と他の宇宙の絶え間ない合体によって膨張が引き起こされているかもしれない」と提唱したコペンハーゲン大学の物理学者ヤン・アンビョルンは、続いて次のように語っている。

「要するに、宇宙が大きくなっている原因と言われている暗黒エネルギーの正体とは、他の赤ちゃん宇宙がこの宇宙にくっついて、大きくなっているというだけの、単純な理論で説明できるのです。従来のどの宇宙論よりも既存のデータと適合するかもしれません」

小さな宇宙を捕食?

「平行宇宙論」自体は物珍しい理論でもない。

しかし今回の研究では、我々の住む宇宙が「進化」していっているということに、数学的理論を付随したのだ。計算上、他の宇宙と融合すれば、それだけこの宇宙の体積も増える。「宇宙の膨張」は、我々が機械でそう認識している現象なのかもしれない。

研究者は続けて、宇宙の膨張速度を計算したところ、従来の標準宇宙モデルよりも実際の観測結果と一致を見せた。

空をスキャンする探査機ユークリッドのイラスト。宇宙膨張の謎を説明するために太古の宇宙からの暗黒物質と暗黒エネルギーの痕跡を探すことを任務としている。
(画像クレジット:ESA)

また、この理論は宇宙論で言うところの「インフレーション(宇宙の初期に起こった謎の超高速膨張)」の謎を解き明かすかもしれない。物理学者たちはこれまで、宇宙の急激な膨張は、ビッグバン後の最初の数ミリ秒間に超高速膨張を引き起こした仮説的な場「インフレトン」によって引き起こされたと提唱してきた。

しかし今回浮上した新しい説によると、この超高速初期膨張も、幼い頃の宇宙が当時すでにあった大きな宇宙へと吸収されただけのことだったかもしれないのだ。

「宇宙が非常に短時間で膨張したという事実は、この膨張がより大きな宇宙との衝突によって引き起こされました。つまり、我々の宇宙が別の "親"宇宙に吸収されたからなのです」

「しかし今となっては吸収過程の証拠を掴むことはできませんし、このようにインフレーションの問題を解決してしまうのは早計でしょうが、とりあえずインフレトンのことで頭を悩まされる必要はなくなります」

赤ちゃん宇宙として生まれ、大人宇宙に吸収され急激に拡大したこの宇宙は、今も他の "赤ちゃん宇宙 "を吸収し続けているという。

確かに、現代宇宙論が抱える問題をいくつも解決する画期的アイデアではあるが、その仮説を立証できるのは観測データだけである。現在、マイクロ波背景の性質を調べるために多くの実験が行われて、立証に向けて更なる努力が続けられている。

東京工業大学の物理学者である綿引芳之は新理論に対し「ユークリッド望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ望遠鏡の観測を続ければ、どの説が宇宙の膨張を一番説明できているか分かる」と慎重な姿勢を見せている。

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