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大谷翔平がいかに素晴らしいか【野球初心者向けにもわかりやすく】

シーズン残り2試合、史上初を更新する「54-57」達成

大谷翔平がすごい”と日々報道されてはいるが、どれほどの偉業を成し遂げているのか。あまりにも漠然としすぎていまいちわからないということを最近野球に馴染みのない数人の同僚に聞かれた。確かに、野球に馴染みがない人は「54-57」とか言われても、全然ピンとこないだろう。調べようにも、記録の達成難易度や野球の常識といった前提があまりよくわかっていないと理解が難しいのも事実だと思う。野球人にとっては「同じ時代に生きててよかった・・・」と震えるほど偉大なプレイヤーである大谷翔平を、野球のルールが分からなくてもその凄さが実感できるように、頑張って書きます。

私なりに大谷翔平を解釈すると、「人類の無限の可能性を感じさせてくれる存在」である。

大谷翔平は、人類の無限の可能性を感じさせてくれる存在である。といっても何ら過言ではない。たまたま”野球”というフィールドで活躍して偉業を残しまくっているが、どの世界でも素晴らしい成果を出す人物であろう。大谷翔平がいかに素晴らしいか、ということの結論は”考え方と取り組み方”にあると、私は思っている。


普段、コンサル顧客の経営者やコーチングのクライアントの相談を受けていて感じるのは、人間は基本的に皆、無意識に「前提条件に縛られているということ」だ。

”投手と打者の二刀流なんて成功する訳がない”、”日本人がメジャーリーグでホームラン王を獲れる訳がない”、”日本人がメジャーで三冠王なんて・・・”

人間は既存の常識の枠外にあるような概念や空想に、ほぼ反射的に抵抗を示したり、”そんなことはできない、あり得ない”というふうに反応してしまうものである。(この「コンフォートゾーン」の話もどこかで書こうかな。)

世の中の当たり前とされている範囲内、すなわち一見疑いすらもしない前提条件の枠の中で99.9%の人間が暮らしているといえよう。

大谷翔平は、そういった世の中の当たり前や前提条件を「これでもか」というほどぶち破ってきた。

サイクル安打:2019年6月14日 ※アジア人史上2人目、日本人史上初、指名打者ではMLB史上6人目[563]
規定打席&規定投球回ダブル到達:2022年 ※近代MLB(1900年以降)史上初[564]
シーズン2桁本塁打&2桁勝利:2回(2022年、2023年) ※1918年のベーブルース以来、MLB史上2人目[565][566]
100本塁打&500奪三振:2023年5月3日 ※ベーブ・ルース以来、MLB史上2人目[567]
シーズン30本塁打&30盗塁:2024年 ※指名打者ではMLB史上初[568]
シーズン40本塁打&40盗塁:2024年 ※MLB史上6人目、126試合での達成はMLB史上最速[569]
シーズン50本塁打&50盗塁:2024年 ※MLB史上初[570]
シーズン10勝&40本塁打&20盗塁:2023年 ※MLB史上初[571]
シーズン10勝&30本塁打 :2回(2022年、2023年) ※MLB史上初[572]
シーズン10勝&40本塁打 :2023年 ※MLB史上初[572]
シーズン30本塁打&150奪三振:3回(2021年 - 2023年) ※MLB史上初[573]
シーズン34本塁打&6三塁打:4回(2021年 - 2024年) ※3年連続はMLB史上初[574]
シーズン45本塁打&25盗塁:2回(2021年、2024年) ※MLB史上6人目、複数回達成はMLB史上初[575]
シーズン45本塁打&25盗塁&100得点:2回(2021年、2024年) ※ア・リーグ史上初、複数回達成はMLB史上初[576]
シーズン40本塁打:3回(2021年、2023年、2024年) ※複数回達成はロサンゼルス・エンゼルス球団史上3人目[572]
シーズン40本塁打&20盗塁:3回(2021年、2023年、2024年) ※ロサンゼルス・エンゼルス球団史上初。3回達成はMLB史上4人目[577][578]
投手でシーズン20盗塁:2回(2021年、2023年) ※近代MLB(1901年以降)史上初[579]
月間 リーグ最多本塁打&最多盗塁:2024年8月 ※68年ぶり、MLB史上5人目[580][581]
月間 12本塁打&15盗塁:2024年8月 ※MLB史上初、同月での達成の条件を除いた上でもMLB史上初[582]
2番投手で先発出場:2021年4月4日 ※1903年9月7日のジャック・ダンリービー(英語版)以来、118年ぶりMLB史上3人目[583]
本塁打数MLBトップで先発登板:2021年4月26日 ※1921年6月13日のベーブ・ルース以来、MLB100年ぶり[584]
同一シーズンで勝利投手&先頭打者本塁打:2021年6月26日 ※1891年のジミー・ライアンとキッド・マデン以来、MLB130年ぶり[585]
シーズン189三振:2021年 ※ロサンゼルス・エンゼルス球団記録[586]
トリプル150:2022年9月27日、対オークランド・アスレチックス戦、初回にシーズン150安打目を放ち、達成。投手では153投球回、203奪三振を記録 ※MLB史上初[587]
トリプル160:2022年10月5日、対オークランド・アスレチックス戦、初回にシーズン160安打目を放ち、達成。投手では166投球回、219奪三振を記録 ※MLB史上初
クインティプル100:2021年10月4日、対シアトル・マリナーズ戦、初回に46号ソロを放ち、達成。130.1投球回、156奪三振、138安打、100打点、103得点 ※MLB史上初。ギネス世界記録に認定[588][589]
9月無安打の本塁打王:2023年 ※1931年のチャック・クライン、1974年のディック・アレンに次ぐ、MLB史上3人目(ライブボール時代の1920年と1994年を除く)[590]
40本塁打&15盗塁 最短達成試合数:112試合(2023年) ※2019年のクリスチャン・イエリッチの109試合、1996年のケン・グリフィー・ジュニアの111試合に次ぐ、MLB歴代3位[591]
開幕試合 10奪三振以上無失点:2023年3月31日 ※MLB史上26人目。チームがその試合で敗れたのはMLB史上初[592]
6月 月間15本塁打:2023年 ※ア・リーグ史上4人目[593]
10本以上本塁打を打った月の奪三振数:37(2023年6月) ※MLB歴代最多(2位は2021年6月)[594]
シーズン1完封以上の投手の本塁打:44本(2023年) ※MLB歴代最多[595]
シーズン10勝以上の投手の本塁打:44本(2023年) ※MLB歴代最多(2位は2022年)[596]
シーズン100奪三振以上の投手の本塁打:46本(2021年) ※MLB歴代最多(2位は2023年、3位は2022年)[597]
登板時 OPS(登板時の打席数60以上):1.220(2023年) ※近代MLB(1900年以降)最高記録[598]
登板試合 猛打賞:5試合(2023年) ※1923年のジョージ・ウール、1958年のウォーレン・スパーンに次ぐ、MLB史上3人目[599]
1試合10奪三振&猛打賞 シーズン2回:2023年 ※MLB史上初[600]
先発登板試合 5出塁:2023年5月15日 ※メル・ストットルマイヤー以来、MLB59年ぶり(ライブボール時代の1920年以降)[601]
6試合連続長打&四球&得点:2023年6月12日 - 2023年6月17日 ※MLB史上3人目[572]
1試合10奪三振&2本塁打:2023年6月27日 ※MLB史上6人目[602]
1試合10奪三振&盗塁:2回(2023年7月6日、7月22日) ※2回はボブ・ギブソンに次ぐ、MLB歴代2位タイ[603]
同日 1安打以下完封&本塁打:2023年7月27日 ※1986年6月8日のフロイド・ユーマンズ以来、MLB37年ぶり[604]
同日 完封&2本塁打:同上 ※MLB史上5人目[605]
同日 1安打以下完封&2本塁打:同上 ※1971年6月23日のリック・ワイズ(一試合でノーヒッターと2本塁打で達成)以来、MLB史上2人目[606]
ダブルヘッダー 異なる試合で先発登板&先発出場:同上 ※ベーブ・ルース以来、MLB史上2人目[607]
ダブルヘッダー 異なる試合で完封&本塁打:同上 ※MLB史上初[608]
先発登板試合 本塁打&盗塁:2023年8月3日 ※1964年5月7日のマッドキャット・グラント以来、MLB59年ぶり[609]
同一試合 本塁打&盗塁&無失点投球:同上 ※クリスティ・マシューソン、パブロ・サンドバルに次ぐ、MLB史上3人目[610]
1試合3本塁打&2盗塁:2024年9月19日 ※MLB史上初[611]
1試合5安打以上&2本塁打&2盗塁:同上 ※MLB史上初[612]
1試合5長打&2盗塁:同上 ※MLB史上初[613]
1試合6安打&5長打&3本塁打&10打点&2盗塁:同上 ※MLB史上初、同一試合での達成の条件を除いた上でも、全ての項目の達成はMLB史上初[614]
1試合10打点:同上 ※ロサンゼルス・ドジャース球団史上初、1番打者での達成はMLB史上初[615]
初出場から14試合12長打:2024年 ※ロサンゼルス・ドジャース球団記録[616]
10試合連続打点:2024年 ※ロサンゼルス・ドジャース球団記録[617]
MLBオールスターファン投票ア・リーグ最多得票:2023年 ※2003年イチロー以来、日本人2人目[618]
MLBオールスターゲーム選出:4回(2021年、2022年、2023年、2024年) ※ファン投票指名打者部門で4年連続選出は、MLB史上初[572]
MLBオールスターゲーム 投打同時選出:3回(2021年 - 2023年) ※MLB史上初[619]
MLBオールスターゲーム 投打先発出場:2021年 ※MLB史上初。ギネス世界記録に認定[620][621]
MLBオールスターゲーム 勝利投手&本塁打:2021年(勝利投手)、2024年(本塁打) ※MLB史上初[622]
全30球団から本塁打:2024年8月18日 ※MLB史上81人目、日本人史上初

Wikipedia 「大谷翔平」

(ここに「日本人史上初メジャーリーグでの三冠王達成」が追記される可能性があるのが9月28日現在の状況。)

いや、ありえん量。ここまでスクロールする間に離脱発生するレベルである。笑

上記Wikipediaからの引用で記載した記録は、ほぼ野球界の既存の常識を打ち破る偉業の数々であるからまた衝撃だ。漫画でもその前提条件を超えて描ききれない域に来ているという事実は、マジで日本人全員が正確に理解した方がいい。

思うに、Wikipediaでみたお母様の、

昔から翔平には人のできないことをやってみたいという冒険心があったと思うんです。花巻東(高校)に入るときも『菊池雄星君たちの代で全国優勝していたら違う高校に入っていた』と言っていましたし、メジャー挑戦すると言った時もパイオニアになりたいと言ってましたよね。誰もやったことのないことをやりたいんでしょう。

Wikipedia 「大谷翔平」パイオニア精神 中より

というコメントから、大谷翔平の中の常識、いわゆる信念は「誰もやったことのないことをやる」ということなのだろうか。

人間は潜在的に持っている信念に基づいて行動する。大谷翔平の中では、「誰もやったことのないことをやる」ということが、信念に従った末の結果なのだろう。この考え方、すごい。

マンダラーチャート

大谷翔平がなぜここまでの偉業の数々を成し遂げてこれているか、ということを何とか理解しようとすると、一つに、”目標設定”があると思う。

大谷翔平が花巻東校時代に書いたとされるマンダラーチャートの話は比較的有名かと思う。

一言でいうと、マンダラーチャートとは目標達成のために使われる視覚的思考整理ツールといえよう。9×9のマスが書かれた紙の中心に大きな目標を書き、その周りに関連する要素やサブゴールを8つ配置する。さらに、それぞれの要素を分解して具体的な行動計画を書いていくことで、実現へのリアリティや日々取り組むことを明確にする効果があるツールだ。

そもそもこれを高校時代に詳細に書き詰めていたことと、野茂英雄の事例はあったものの、当時から「ドラ1  8球団」という、高い目標を設定していたということが素晴らしい。

結果的にドラフト指名は日本ハムの1球団だったが(当時メジャー行きを公言。その状況下での唯一の強行指名だった)、その事実を遥かに超える状況でドラフト会議の日を迎えている。

さらに、このマンダラーチャートの中に書いてある行動を全て超一流のレベルでやり続けていたことも、数々の証言や報道で知ることができる。
その結果、2024年現在のような誰もみたことのない境地において活躍をしているのだろう。

”目標を常に更新し続けることを自分の中で決めて、それを突き詰める”ということがいかに難しいか、そして誰がみても驚く結果を出して進んでいく大谷翔平は、控えめに言っても凄すぎる。

考え方と取り組み方が素晴らしい。(まとめ)

  • 考え方: 大谷翔平は世間の「無理だ」という批判を超えて、野球界の常識を覆す偉大な記録の数々を達成し続けている。そのコアにあるのは、「誰もやったことのないことをやる」という信念に基づいたものだったのかなぁ、と推測すると、その考え方は素晴らしい。心の底からそう思えた瞬間、人間はエネルギーを得るのかもしれない。

  • 取り組み方: 高校時代に作成したマンダラーチャートに書いてあることを全て実行・突き詰めた結果、当時書いていたことの何百倍もの価値がある記録や名声を打ち立てている。”目標を常に更新し続けること”の重要性のようなテーマで、直接大谷翔平にインタビューできたら、人生が変わるだろう。

我々野毛ペッパーズも大谷翔平と同じドジャー・スタジアムで野球をプレイしてみたい。その辺の草野球プレイヤーが「ドジャー・スタジアムで野球をやる」というのも、常識から外れた面白い目標設定だと思う。必ず成し遂げられるように、日々の考え方と取り組み方を常にアップデートしていこう。



野毛ペッパーズという草野球チームで「2030年12月31日までにドジャー・スタジアムでプレイする」という目標を持って活動しております。ぜひ応援よろしくお願いいたします!




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