重ね録りをすることをダブルトラックと呼ぶらしい
歌番組は生がイイ、という。
それを否定する気は無いし、実際、「THE FIRST TAKE」のような、"一回キリ"の瞬間に立ち会えることの素晴らしさだって、わかっているつもりではいます。
でも、楽しみ方に正解なんてなく、人の数だけ存在するのだから、他人の楽しみ方を否定する必要なんてないよね、というのが、自分の意見です。
冒頭で布石を打ったところで。
今日は、「CDっていいよね」という話しをつらつらと。自分が思い浮かべる音源のカタチが"CD"だった、というだけなので、ここは人によって変わってくるかもしれません。カセットテープ、レコード、今だとSpotifyなどのストリーミングサービスを当てはめる方だっていらっしゃることでしょう。
ライブや歌番組のイキモノ的な歌も、もちろん素晴らしいです。でも、作品、という一つ何かのカタチにすることを目指して、その中にその時思いつく限りの技術を詰め込んでより良いものを完成させようとした、その成果物を楽しむ、ということもそれはそれは贅沢なことだと、自分は思っています。
そんなことを話そうと思ったのは、久しぶりにこの歌を聴いたからです(youtube載せちゃダメだったら教えて下さい)。
https://www.youtube.com/watch?v=srk_78Er_9c
世の中的に有名なのは、WANDSさんのバージョンかな、と思うのですが、小松未歩さんのセルフカバーのバージョンの方が、自分は好きです。どちらも好きですが、どちらかというと、ということで。
いやしかし、歌詞がとってもいいですね。最近の鬱屈した世の中に、もっと聴かれても良いんじゃないかな、と思っています。
久しぶりに聴き返してみて、音や歌い方のところどころで「もしやこれ狙ってる?」と思う部分がありました。詳しい技術的なところはよくわからないので、拙い表現なのは見逃してほしいのですが、歌い方がWANDSさんのバージョンに寄せているように聞こえる部分だったり、多重録音している声がユニゾンだったりハモリだったり、あと、Cメロから最後のサビに入る直前に「ドン!」という音が入っているのはもしや「今を撃ち抜いた?!」かと思うところだったり、とにかく色々と、技巧を凝らしているように聞こえてきました。
A面、B面という言葉、もとはレコードの録音面に由来している、と聞いたことがあります。その時の録音可能時間がたしか45分くらいだったところから、CDアルバムの総録音時間もそれくらいのものが(実際に録音できる時間がもっとあっても)多くなっているそうです。
時間内に何とか収めよう、ということに加えて、せっかくならより良いものを詰め込もう、という、創造する人、製作者の想いを感じ取れたような気がすることから、「CDっていいよね」という感想に繋がっていくのです。
いまや、ストリーミングサービスが主流な時代。アルバムを通して聴く、というような楽しみ方は少なくなっていってしまうのかもしれません。前時代的な自分の思考からすると、ちょっぴり寂しい気もしてしまいますが、しかしそこは芸術、より良い作品はこれからもどんどん生まれてくることでしょう。
去り行く時代に別れを惜しみつつ、この先の未来を楽しみに、これからも気ままに音楽を楽しんでいきたいと思います。
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