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津波警報が出ても、にげなかった

震災を伝えるとはどういうことだろう、とよく自問自答している。
もちろん、自分や家族、身の回りの人にはできることはしている。

被災地や被災経験者は、
震災の番組は見たくないという人が少なくない。
「忘れてはいけない」という声に抗うように、「忘れてしまいたい」という想いが存在していることも事実です。

亡くなった方の数百倍もの人々が、
恐ろしい揺れや被害を体験していますが、震災のことを思い出したくない人たちが数限りなく存在しています。

しかし、事実として伝承されなければ、わたしたちは過去の災害から何を学んでいるのでしょう。

災害心理学で使われる考え方のうちの一つに正常性バイアスというものがあります。
3.11の東日本大震災の津波の際に、警報が出ていても
「これまで結局来なかったから」
「前例がなかったから」
「周りもみんな逃げてないから」

東日本大震災が発生する前は、
「近い将来必ず起きるといわれている宮城県沖地震」
とテレビ・ラジオなどで度々流れていました。

まさかここで日常が終わるなんてことは到底考えてもおらず、明日以降もまた同じ日常が続くと無意識的に判断し、避難が遅れてしまった現実がありました。

人の意識とはそういうものかもしれません。
2005年に宮城県ではM7.2の宮城県沖地震がありましたが、防災意識や備蓄意識の向上には必ずしも結びついていないようだったと関係者の人は話しています。

震災遺構や伝承施設はそのような正常性バイアスを改めて認識するためのものとして存在しています。

どの施設でも
・多くの人に過去の記憶を未来に継承する
・起こった出来事を風化させない
というようなミッションで伝承しています。

過去の歴史的事実から何を学び、また我々がどう活かしていくか。
とても難しい問題です。
ちょっとしたことでも良い、まずは自分や自分の半径5メートルの人の命を守ること。

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