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メタノグラフィ 〜メタバースビジネス/サービスを考えるためのニーズ調査 (バーチャル美少女ねむ・メタバース進化論の感想含む)

2022年、メタバースが大きく注目される中、メタバースに関するビジネス・サービスを考えている方も多いだろう。IT業界、AI業界を先駆けに、様々な企業がビジネスを考えようとしているところだろう。今回はマーケティングでのニーズ把握手法の一つ、エスノグラフィについて、メタバースでの活用を考える。特に、VR原住民であるバーチャル美少女ねむさんの著書「メタバース進化論」についての感想にも触れる。

■メタノグラフィとは?

メタバース時代におけるビジネス・サービスのためのエスノグラフィを意味して名付けた造語である。
エスノグラフィとは、サービスデザイン、デザイン思考等に置いて使われる、ユーザー・顧客の潜在的ニーズ把握の手法である。元々は民俗学等で使われており、フィールドワークで原住民の生活・動向を観察する手法である。本来は原住民とともに生活したり、インタビューすることにより、そのニーズを体験して理解することに意味がある。

メタバースにおいては、もちろん一番良いのは、自らが体験してそのニーズを学ぶ事である。もちろん全く体験せずに、ユーザーに共感する事はできないので、メタバース体験は必須である。しかし、メタバース時代まだ黎明期な部分もあり、今後大きく変化するだろう。そして、メタバースはアバターやワールドを作る側面もあり、全てを体験するにはハードルが高い面もある。ハードルが高いからこそ、レッドオーシャンになり難い面もあるが、まずは当たりをつける上でも全体像を知る事が大切である。
今回は、メタバース原住民に生態を知れる書籍として、バーチャル美少女ねむさんの「メタバース進化論」を読むことをお勧めする。そこで全体像を理解した上で、実際のメタバースを体験して欲しい。

■メタバース進化論

メタバース進化論――仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界-バーチャル美少女ねむ

メタバース原住民であるバーチャル美少女ねむさんの著書であり、現時点のメタバースの現在位置、そしてバーチャル原住民たちの声を調査した結果(バーチャル国勢調査)もまとめられており、その生態を知る上で大変勉強になる。
しかも、代表的なメタバースプラットフォーマーの内容や、技術的な事にも触れており、広くメタバースの世界観を知る上での良書である。

どっぷりと沼に浸かっているユーザーの声は貴重であり、薄っぺらいアンケートでは取れない計り知れない価値がある。

もちろんメタバースの基礎や考え方を知る上でも良い本なのだが、私の気に入った言葉は以下である。

「フロンティア時代の今のメタバースは、まだ貨幣経済が成立していない旧石器時代の、何もない荒野みたいなものです。その代わり、さまざまな「魔法」が使えます。」

—『メタバース進化論――仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』バーチャル美少女ねむ著
https://a.co/b78Muht

メタバースは未開であるが、現実世界の物理的制約である時空、重量を超える事ができる魔法の世界観でもある。私たちはその可能性から、より良い世界を作れるはずである。
AIの研究がどんなに進んでも、ドラえもんのひみつ道具までは作れないが、物理制約を超えたメタバースなら、魔法のようなひみつ道具を作ることができる。この可能性は、人類が進むに値する道だと私は考える。

■冒険者よ

メタバースは、まさにこれから大きく、冒険者たちが踏み出そうとしている大陸である。ここからマジョリティに広まると、メタバース原住民にとっては一部住みにくい世界が生まれる可能性もある。ただそこは画一的な世界でなく、多様な世界を作れるというメタバースの特性でクリアしていきたい。
ねむさんの、より良いメタバースの未来の可能性を伝えるために著書したという、その目的に共感し、私たちも未来の可能性を信じたい。

メタバースの冒険者たちには、より良い少し未来を作るという大志を持って、新しい宇宙を開拓して欲しい。メタバースは、世界の一つの可能性。


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