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寸借詐欺って知ってますか

息子が高校生の頃の話です。
校外学習でミュージカルを観に行く途中の駅で、友達がトイレに行ったので、トイレの外で携帯を見ながら待っていたら、よぼよぼのおじいちゃんが近寄ってきて、「あと100円足りなくて駅から出られないから貸して欲しい。」と言われたそうです。駅員さんに言ってください。と言えばよかったのでしょうが、初めてのことで判断できなかったのでしょう。同情し、小銭がないにもかかわらず、駅構内のコンビニで何か買って、お札を崩して、あげたそうです。私服だったので、学生と思わずに声をかけたのかも。

その日の帰りに待ち合わせをしていて、なんか様子が変でした。
「たぶん、よくないことだと思うけど・・・」と話してくれました。まさかそんなことがあるとは思っていなくて、聞いたこともなくて驚きました。すぐに嘘(詐欺)だと思いましたが、本人もなんとなく気づきつつも早く難を逃れたくてしたことでしょう。返してもらうために個人情報を渡すよりよっぽどいいと思いますし。今度そんなことがあったら、駅員さんにいうということで、いわゆる勉強代だねということになりました。

そのことを会社で話すと、東京生まれ、東京育ちの方に、
「あ〜、それすんしゃくさぎだよ。」と言われました。
初めて聞く言葉で、すぐには脳内で漢字変換できませんでした。
なるほど、そういうことか。そういうジャンルがあるのかと初めて知りました。

その人が言うには、深夜終電ギリギリの時間に駅の切符売り場にそのような人がいることがあると。今はSuicaやPASMOなので、切符を買って乗る人も少ないが、酔っ払いが切符を買っていたら、釣り銭目当てに寄ってくるそうです。終電ぎりぎりだと面倒臭くて、あげてしまうのでしょう。酔っ払って気が大きくなった同僚が、5千円くらいあげたことがあるというびっくりエピソードまで飛び出しました。

東京だけじゃないかもしれませんが、まだまだ知らないことがあるものだとつくづく思いました。

息子は、いつもは単独行動で早歩きなのに、友達を待ったばかりに嫌な目にあった。やっぱり一人がいいと言っていました。100円以上に失うものがあったような。

キャッシュレス時代の今なら、1円も持ってませんと言えるかな。みなさん気をつけましょう。


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