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他人の靴を履く

子供が赤ちゃんの頃に地方の小児科に通っていた時、家のように靴を脱いで上がるタイプの小さな小児科医院だった。最後のひと組になり、
玄関に靴は一足。黒のリーボックハイカット。何も疑わずに履いた。
(違う。私の靴じゃない。)
すぐにわかった。履き心地が違うのだ。
病院の方に伝えたが、すぐには伝わらなかった。
私の靴は黒のリーボックで、黒のリーボックが残っているのだから、それももしかたのない話。一緒だけど、違うんです。
ということで、本日の受付名簿から順番に電話をかけてもらった。
該当者がいて、持ってきてくれることになったが、時間がかかりそう。というわけで、病院のスリッパのようなものを借りて、一旦帰ることになった。地方では車移動なので、人に見られることもなく帰宅することができた。

連絡をいただき取りに行った(スリッパを返しに行った)、見た目は同じ黒のリーボックハイカット。サイズが0.5mm違った。私は気づいたが、もう一人の方は気づかなかったのが不思議だった。

「他者の靴を履く」という本を知って、他人の靴を履くというのは、経験から実に心地の悪いことだったので、そのような状態をさす言葉なのかと思っていましたが、to put yourself in someone’s shoes「他人の立場に立ってみる(立って考えてみる)」という英語の表現のようでした。英語のこのような表現を知らなかったので興味深く感じました。

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