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どうでもいいこと

バイト先に苦しそうな人がいる。

その人はやたら人に嫌われてしまう。
お客さんにもひどいことを言われてしまう。
見た目が元ヤンみたいな感じなのがあんまりよく思われないようだった。
悪い人ではないので気の毒ではあった。

その人は職場の人間関係もあまりうまくいってなかった。
うちの店は管理職が社会人1年目2年目で、その人は1世代上だからというのもあるかもしれないけど、ちょくちょく私の目から見てもかなりわがままだなと感じる要望や突然の欠勤などがあったからそういう意味でも少しやばい人として管理職に扱われていた。

そのせいもあって、管理職は私のような大学生には気さくで楽し気に話してくれても、その人には割と冷たかった。業務連絡と、たまに注意する(まあ注意されても仕方のないようなことを平気でやるときもある)くらいしか管理職とその人に会話はなかった。
管理職にもパートのほかの人にもあまりよく思われていなかったのもあり、私なら怒られないようなことでその人が怒られていたりすることもあるようだった。よくその人は私に「〇〇さんにこうやって注意されたんですけど、のどかさんは言われたことありますか?」と質問してきた。

その人は相手が自分のことをよく思っていないことをかなり敏感に察知するタイプだった。だから管理職の対応にも気づいていた。そのせいでミスを隠蔽してトラブルになることもあった。私は業務に支障が出てるなら大人同士もうちょっとうまくやってくれと思った。この世に大人なんていないなあと思った。

管理職も管理職で問題がないわけじゃなかったので、バイトは色々不満がたまっていた。そんなときにその人が本社に管理職についてのクレームをいれて、うちは直営店なので大騒ぎになった。
でもその人が言ってもその人自体の信頼がないので、結局「ちょっとやばいバイトに感情的になられて騒がれた」みたいな感じで管理職の問題はなかったことになった。

そんなことが2回もあった。そこまで大騒ぎされてもやめない図太さ(本社に連絡するのは自爆テロ的な感じなので)も相まってその人はますます信頼されず適当にあしらわれた。

その人が言ってることは8割は正しかった。でも、「年下の癖に~」とか、「主婦の大変さがわかっていないのに~」とか、まあそれはあんまり関係ないみたいな、主観が濃すぎる主張をしてしまうから誰にも信じてもらえなかった。

その人がバイトに入りたての時、「今までのバイト全部人間関係がだめになっちゃって、、、運がないんですよね、、、」と言っていた。

なにか自分の思った通りにいかないときとかは、大抵自分のせいにした方が原因がわかると思う。というか、大抵自分のせい。
人に敵意を向けられる人は、相手をちょっとずつ不快にしたり、思わぬ敵意を見せてしまっているのかもしれないと思う。
実際その人は悪い人ではないけど、ほんの少し不快にさせてくることがある。人は鏡って言葉はよくできているなと思う。

その人はまた運が悪かったと思っていると思うと悲しい。
その人はまた違う場所で運が悪かったことになるだろうし、それでも明日はいい日になると信じながら、人に嫌われていくと思うと虚しい。
私は何を信じていて、何がわかっていなくて、何に苦しんでいるんだろうと怖くなることもある。
みんななにもわかっていなくても、原因の真実はあって、大体のことは偶然じゃなくて必然なのに、明日は良くなると思ってることが怖い。

希望の数だけ失望は増えるそれでも明日に胸は震える
どんなことが起こるんだろう

誰も皆悲しみを抱いてる
だけど素敵な明日を願っている

ミスチルもこうやって言ってるけど、本気で考えるとなんて悲しいことなんだろうと思う。

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