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”おネエのショー”になにを期待していった?
今回はわたしが”女装家のディナーショー”を観に行ったときの話。
ある日曜の夜、「行列のできる法律相談所」を観ていたときのことだった。
「彼女が出演するディナーショーのチケットはいつも1ヶ月前には完売!関西を代表するオネエ。その名もナジャ・グランディーバ〜〜」
ご存知の方もいると思うが彼女の喋り方といい、振る舞いといい、エピソードといい、一瞬にして目が釘つけになるような存在だ。
「えっ!なにこの人。おネエの中でも強烈すぎじゃない?」
これまで観てきたおネエよりもキャラクターが強く女装家の中も格が違う、まさにプロのおネエだと感じた。(一方的な判断なのであしからず)
「この人なんでこんなに女装したいんだろう……。男性が女性の格好して楽しいのかな。いやいや、なんでわたしこんなにこの人のこと考えてるの(笑)」
特別意識していないのに、だんだんと彼女に対して興味が湧き次第にSNSでも追っかけるようになった。
そんなある日のこと、彼女のインスタグラムを見たときのことだった。
「2019年6月17日、栃木県・宇都宮でディナーショーしま〜す!よかったら観に来てくださ〜い!」
宣伝している広告では派手な化粧と衣装が大きな印象だった。出ているメンバーも有名な女装家たちで「絶対おもしろい!」と思い、即チケットを購入した。
そして迎えた当日。
初めてのディナーショーなのでしっかりとドレスコードも決め、夕方18時からの開演をどきどきしながら待った。
ついに開演!続々と裏からでてくる女装家に続き、最後に美声を披露しながら出てきた”ナジャ・グランディーバ”!(めっちゃ歌うまいです)
想像以上に体格が大きく、お化粧が派手。そしてなによりその圧倒的存在感。おネエを間近にいろいろな衝撃が走った。
外国のポップ曲を口パクで歌い、小道具を使い面白く演じる。会場が一気に盛り上がり、声援と笑いが続いた。
……あっという間に2時間のディナーショーは終わった。しかしながら、わたしはどこか物足りなかった。
「おネエのショーってこれだけ?なんかもっとないの?」
今思うと本当におこがましい考えだが、当時はそう思っていた。”口から火を吹く魔法使い”とでも思っていたのだろうか。
結局その日は「期待以下のディナーショーだった」と友だちと文句を言っていた。
しばらくしてからテレビで再び”ナジャ・グランディーバ”を観た。
その時は珍しくコメンテーターとして出演していて、なんだかまともなことを言っていた。
「こんなしっかりしていたっけ?ディナーショーでお会いした感じと違う……。あれ?」
ここであの時なぜわたしが不満だったのか判明した。
最初に抱いていた彼女のイメージはこうだった。
「ナジャ・グランディーバは立派な女装家だから面白い。面白い人は観客のためにあらゆることをして笑わせてくれる人だ!当日は何ができるんだろう……ワクワク」
女装家=ユニークな人と思い、面白いことができるだろうとイメージを膨らんでいた。膨らませたイメージに加えて、ショーへ大きな期待も抱いていたのだ。
もちろん彼女には女装家以外の顔はあるし、その顔を知らないで判断したわたしの偏見だということは言うまでもない。
この経験から、自分の頭の中にある既存のイメージを一旦置いて、人を見ることを意識する。
自分の考えが絶対的ではないことを、改めて痛感したのだ。
井の中の蛙状態である自分へのイメージトレーニング。
おネエだけではなく、今後はあらゆることで適用させていきたい。
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