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フンザの主要観光スポットをご紹介!!

 今回は、時々お問い合わせをいただく、フンザの観光スポットをご紹介します。カフェを一緒に経営しているガイド歴約20年、シェールさんのガイドコースを参考にしています。フンザでの滞在が3泊4日、ギルギット空港IN・OUTの想定で書いていきます。シェールさんに教わったフンザの主だった観光スポットは大体網羅されているので、旅行の参考にしていただけたら幸いです。
 観光スポットをご紹介、と言っておきながらなんですが、個人的にはフンザに来たら、壮大な山を眺めるだけで十二分に価値があると思います。壮大な山はどこからでも見えるので、ホテルでゆっくりコーヒーを飲みながら山を眺めたり、周辺の小径を散策したりするだけでも、とてもよい旅の思い出になります。
 後述する観光プランは訪問先を詰め込んだ、だいぶ駆け足のプランになっています。なので、これらを逐一回る必要は全くなく、ご自身の旅のリズムに合わせて、訪問先を選択されるのがいいと思います。
(ただしパスー氷河かホッパー氷河は例外で、ぜひ行っていただきたい、一見の価値あるスポットだと思います)

~フンザ1日目~
★ギルギット空港~セントラルフンザへ★
 イスラマバードから飛行機でギルギット空港へ。パキスタン航空のフライトは1日2便。朝一の便であれば、順調に飛べば午前10時ころにはギルギット空港に到着する。ギルギットは、ギルギット川とフンザ川の合流地点に発展した、パキスタン北部地域の中心都市。ここからバスでフンザに行く場合は、空港から西へタクシーで5分ほどのJamatkhana Bazarに行き、そこから乗り合いハイエースに乗る。バス停に行く途中には商店街があるので、歩いて散策してみてもいいかも(売っているものはイスラマバードの下町とほとんど同じ)。 乗り合いハイエースの場合、フンザまでは所用3~4時間。

 フンザ川に沿って建設されたカラコラムハイウェイ(KKH)を通って、フンザへ向かう。乗り合いハイエースよりも、タクシーなど貸し切り車両のほうが景色をゆったり眺めることができる。対岸の山肌には、昔のシルクルートの跡が見える場所もある。途中、グロ(Gouro) の村ではRakaposhi View Pointがあり、晴れていたらラカポシ山を見ながら、お茶休憩ができる。
 さらにKKHを北上。しばらく行くと、道の両脇に十件ほどのチャプシュロ(Chap Shoro)屋台が並ぶ場所がある。チャプシュロは、ひき肉を小麦粉の生地で包んだお焼き。小腹がすいていたら、ここで止まって焼きたてを味わうことができる。さらに進むと、フンザ川に架かる橋を渡る。橋を渡ると、行政区域上のフンザDistrictに入る。トレッキングなどで、ラカポシ山のベースキャンプなどに行く場合は、橋を渡らずにMinapin村へ。村には宿が何件かあり、ベースキャンプまでのガイドも手配可能。
 フンザに入り5,6キロ進むと、断崖絶壁の道に差し掛かる。この辺りの道沿いの岩石には紫色のガーネットが含まれており、採取することができる。観光客に慣れた運転手じゃないと場所がわからないかも。また、道沿いなので、車に要注意!
 断崖絶壁の道を進むと、遠くにウルタル峰が見えてくる。ウルタル峰のふもとが、観光の中心地である、セントラルフンザ(Central Hunza)だ。

★セントラルフンザ★
 セントラルフンザの主要な町は3か所あり、Aliabad, Karimabad, Altit。
アリアバード(Aliabad)はフンザの下町ともいうべきところで、食料品や衣料品、日用品などを売る店がKKH沿いに並んでいる。町の中心部にあるPamir PizzaにはYak Pizzaがあり、おいしい。本当にヤク肉を使っているかは少し疑問?
 ギルギットから乗り合いバスで来た場合、Aliabadで降りることになる。Aliabadからカリマバード(Karimabad)、アルチット(Altit)へは、バスでもタクシーでも行くことができる。所用20分~30分ほど。
 カリマバードは、フンザ観光のメインとなる街で、通り沿いに、ホテルや飲食店、土産物店が立ち並ぶ。見どころは、昔の王様の居城だったBaltit Fortと、登山家、長谷川恒男さんの名前を冠したハセガワスクール。カリマバードからは、ラカポシ山がよく見えるので、水路沿いの小径など、単に散策するだけでも山がきれいで楽しい。
 アルチットは、カリマバードから3キロほどの隣村。こちらにもAltitFortという王様の城と庭園がある。アルチットはカリマバードに比べてホテルもお店も少ないので、落ち着いた雰囲気の村だ。のどかカフェもアルチットにある。アルチットからさらに、車で25分ほど急坂を登り続けると、イーグルネストと呼ばれる展望スポットに行くことができる(ここもいちおうアルチット村の一部)。ここからは、フンザ谷を一望することができるほか、ホテルや飲食店も多くある。
 フンザ初日は、カリマバードやアルチットの村を散策したり、城を見学したりしたのち、夕方からイーグルネスト展望台に上り、夕暮れ時のフンザ谷を堪能するのがお勧め。

~フンザ2日目~
★セントラルフンザ~クンジュラブ峠を往復★
 この日は、中国との国境がある、クンジュラブ峠へ向かう。峠までは、カリマバードやアルチットで車をチャーターしていくのが一般的で、片道4~5時間くらいだ。峠までの道中の地域は、アッパーフンザ(Upper Hunza)と呼ばれ、アタバード湖、グルミット村、吊り橋、パスー氷河などが点在する。これらを全部見ながらクンジュラブ峠に行くと日が暮れてしまうので、まずは峠に直行し、帰り道に余裕があればこれらの見どころも訪問するのがお勧め。
 峠までの道は絶景だらけなので、車に乗っているだけでも楽しい。クンジュラブ峠には、国境モニュメントがある。標高約4800mあり、空の青さや空気の薄さを体験できる。紫外線が強いので、サングラスがあるといい。防寒対策もしっかりと。
 クンジュラブ峠からの帰り道には、パスー村近くにある、レインボーつり橋(Rainbow Suspension Bridge)や、ヤク肉料理が味わえるYak Burgerなどに立ち寄るのもお勧め。夕暮れ前にセントラルフンザのホテルに到着。

~フンザ3日目~
★ホッパー氷河、アッパーフンザ観光★
 朝、ホテルを出発。フンザ川を渡り、対岸のナガル(Nagar)Districtへ行く。峡谷を登っていくと、Hopper氷河に到着する。駐車場からすぐの場所と、歩いて15分くらいの場所の2か所に展望スポットがある。氷河の壮大さは圧巻。氷河のすぐ近くまで降りていくこともできるけど、けっこうな健脚が必要かも。
 氷河からKKHまで戻り、アッパーフンザへ向かう(2日目に通ったのと同じ道)。途中、昔のキャラバン隊が残した岩絵スポットがあり、さらに行くと、中国が建設したとても長いトンネルに入る。トンネルを抜けると、2010年に発生したがけ崩れでできたアッタバード湖(Attabad Lake)に出る。湖畔には飲食店やホテルがあるほか、ボートに乗ることもできる。
 アッタバード湖の次は、グルミット村。こちらでは、村の伝統的な暮らしを展示した小さな博物館や絨毯工房があり、お土産絨毯を買うこともできる。
 さらにKKHを北上すると、フセイニ(Hussaini)村に到着。ここには、世界一危ないと言われる、フセイニつり橋がある。最近は吊り橋の横にZIPラインも作られているらしい。フセイニつり橋の近くの坂を上ると、Borit Lakeという小さな湖にでる。そこを横目にさらに登っていくと、パスー氷河(Passu Glacier)の入口に到着する。
 駐車場から氷河の圧巻のビューポイントまでは、片道20~30分のトレッキングが必要。道幅は狭くないが断崖絶壁の個所もあるので、足元に要注意。ビューポイントには売店がないので、お弁当や軽食、飲み物を準備していくとよいかも。登山家の平出和也さんが2017年にこの氷河を上ってシスパーレ峰7611mに登頂しており、その模様が、BS1スペシャル 「カラコルム・シスパーレ 銀嶺の空白地帯に挑む」で制作されている。
 再びKKHに戻り、さらに北上。先ほどの氷河の下流にあたる、パスー村を訪問する。パスー村からは、パスーコーンズ(Passu Cones)という、二等辺三角形の峰々が集まる美しい山塊を眺めることができる。村へ行く手前右側には、超巨大な扇状地があり、できれば車を止めて、KKHからこの扇状地を眺めてほしい。パスー村を散策すると、、静かでのんびりしたフンザの田舎の雰囲気が味わえる。その後、セントラルフンザへ戻り、ホテルへ。

~フンザ4日目~
 早朝、ホテルを出発し、ギルギット空港へ向かう。乗り合いハイエースでギルギットに行く場合は、前日のうちにセントラルフンザを出発し、ギルギット泊にするのが無難。

まとめ
 上記のプランは、三泊ともセントラルフンザの宿泊ですが、二泊目をアッパーフンザのPassu村などのホテルにしたら、アッパーフンザの観光地を二日間かけてゆっくり効率的に回ることができるので、それもお勧めです。ただし、アッパーフンザはセントラルフンザに比べるとタクシーが見つかりにくいのが難点です。セントラルフンザで二日間にわたって運転手付きタクシーを借りるのが無難ですが、その場合、運転手の宿泊費も払う必要があります。時間があれば、ヒッチハイクや乗り合いバスをつかっても十分旅行可能です。

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