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夜中にキミの名を呼ぶと


...また失敗した。

床で寝落ちしてしまうことを、私は失敗と呼ぶ。

とっても疲れているから、こそ、
今日こそ、お風呂に入ってから
ベッドで寝たいと思って帰ってきたのに

気付いたら床で寝ていた。
そして、そんな自分に嫌気がさして
ひとりで勝手に苛々する。

午前3時。
へんに目が覚めてしまった夜中。

早く寝ればよいものの、なんとなく寝れない。

今日という日の終わり方に満足できず
ひとりで苛立つ。寂しくなる。


遠距離の彼氏。
何を話すでもなく、帰宅後、LINE電話は朝までずっと繋がっている。

ジジ...ジジ...
と、電波音が流れる。

もう彼は眠っている。

キミが近くにいたらなぁ、キミの隣で寝れたらなぁ、キミが居てくれればなぁ、
そんな、今願ったって叶うことのない欲望がふつふつと湧き上がり、どうしようもなくなった。

彼は眠っている。
眠る彼に、小さな小さな声で、

「 〇〇〇くん」
キミの名を呟いた。

彼は眠っていた。
少し間があいて、
「......んー、どうした?」

と、電話越しに彼の声が届いた。

彼は眠っていた。
なのに、小さな小さな呼びかけに応じてくれた。

それだけで、涙がでた。

この人は、いつだって、どこにいたって
私を救ってくれる。
私を心配してくれる。
私を愛してくれる。

「呼んでみただけ、だよ。」

夜中に呼びかけて起こしといて、それだけかよ、と自分でも思う。

でも彼は
「そっか。 だいすきだよ。」

と言ってくれる。

この人と付き合って、もうすぐ2年。

日々更新されていく優しさと、愛の深さに、人としての魅力を感じる。
この人ならきっと大丈夫。
そう確信した午前3時は、今日という終わり方を、最高にしあわせにした。

ゆったりと、涙を流して目をとじる。
キミの寝息に、守られながら。

nodoka🌼


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