医者になって少し学んだこと。ー女性ってちょっとコワい編ー

少年時代、任侠映画の影響で高倉健さんに強く憧れました。以後は硬派を気取り、あまり女性と接することもなく、普通に勉強を頑張って医師の道へ。

その後、否応なく全ての世代の女性とも接するようになり、少し学んだ「女性って、ちょっとコワい」こと。

大学病院で研修を始め、ナースは当時ほとんどが女性で、何もできない研修医に対しては教育的というよりは、感情的に注意する方が多かったように思います。自身もストレスを抱えていたためでしょうか?ただ、これはどこの病院でもよくある話で、まずは女性って意外とコワいな、と初めて認識した程度。

職場では歓送迎会、忘年会等、飲酒の機会も多く、親しくなる相手も増えていきます。そうなると不倫含む男女のゴシップを聞く機会も増え、また直接相談を受けることもありました。ある日、いつも笑顔を絶やさず清楚で医師からも患者さんからも人気の美女ナースAさんからの相談がありました。私が可愛がって貰っている先輩B先生と不倫をしているが、私どうしたらよいのかな?とのこと。イケメンB先生の女性に対するだらしなさ、性格の悪さを熟知している私からの回答は「貴方ほどの魅力的な人は、あんな人と付き合わずとも、もっと素敵な男性はいくらでもいる。さっさと別れた方が良い。(なんなら私が付き合いたい:心の声)」でしたが、私の熱弁と反比例し、どんどんAさんの顔が冷静になり、明らかに落胆した表情へと変化していきました。その理由は「そんなこと聞くために会っているのではない、先生はB先生と仲が良いのだから、本当に奥さんと別れる気があるのか、しっかり聞いて欲しい!」とのことでした。それなら、最初の質問が違うだろ?と思いつつも、強い圧でB先生に離婚の意志有無を確認することを約束させれらた夜。その後も女性からの相談は、こちらの意見が欲しいのではなく、間違っていようと、自分の味方、後押しをしてほしいだけ、ということが良くわかり、女性ってまあまあ自己中だなあ、コワいなあと、認識。

男性患者の治療をしていると稀に本妻と愛人の場外乱闘の場に遭遇することがあります。ある日、致死的な脳出血から脳死に至り、一週間ぐらいの経過で亡くなられた男性患者さんがいました。付き添いの女性は見た目普通の、どこにでも居そうな地味なおばちゃんで、搬送時からしばらく一人でした。やがていよいよ危険な状態となって、やってきたのが綺麗に着飾った本妻さん含む身内の方々でした。いよいよ心臓が停止して死亡を宣告し、気管内挿管チューブを抜去したところ、すぐさま地味な愛人さんが、男性に猛烈なキスを始めてしまいました。呆気に取られていると、男性に抱き着いたまま、本妻の悪口と自分と出会って本当の幸せを見つけたと言ってくれて有難う!といった内容を延々大声で語り始めました。実際には10分ぐらいでしたが、体感1時間ぐらいのおぞましい現場でした。ようやく静寂が戻り、ほっと一息ついたのも束の間、今度は本妻から、「先生、ああいう非常識な行動をなぜ止めないんですか!先生のせいで私が大恥かかされたじゃないですか!」との強い叱責。「え、こっちじゃなくて、愛人と争ってよ!」とも言えず、え!あ、まあ、すみません・・。で終了。どちらもちょっとコワい女性でした。

今も独身の私は、友人女性達から「先生は女性に理想を求めすぎ!」と注意を受けます。しかしながら自分に甘く他人に厳しい私としては、きっとどこかに存在するであろう、ちっともコワくない天使のような女性を探し求め続けることでしょう。


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