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かしこさラボ

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賢さとは何か、どのようにすればはぐくむことができるのかを探求するためのマガジンです。 賢さの要素を分析して理解し、それを手に入れる実践をとにかく溜めていくところから始めています。…
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#教育

かしこさラボ【導入】~一緒にかしこくなりませんか~

なお、「かしこさラボ」の「導入・分析編」の記事は、できればPCで腰を据えて読むことをオススメします。スマホで読むことを想定した加工は、少しずつ進めていますが、しっかり考えながら読む環境がベストです。 ①なぜ今賢さの探究をするのか 賢く生きたいと思う人はかなり多いだろうし、私もそうだ。 その割に「賢さって何ですか」という問いに対して明確な答えを持っている人は少ない。「論理的な話し方ができる」などと、部分的な回答は出てくるのだが、体系的に説明している書物やサイトに出会うことは

「私が作る教育」のアイデンティティはポスト資本主義×化政文化だった

9月中旬の私は「地方創生」探訪の旅に出かけたが、その記事を書き終えると一息ついていた。 最近の私は、再び教育の構想を練るべく、安宅和人さんの『シン・二ホン』を読み直しつつ、ICCサミットの『STARTUP CATAPULT』の映像を見て、『神山まるごと高専』の記事を片っ端から読み漁っていた。 この人たちが「インダストリア」を牽引するんだろうね、というのが正直な印象だ。同時並行で、AIリテラシーやら統計学やらデジタル人材に必要な最低限度の学習は進めているから「データ×AI」

『シン・高等教育!』~学歴志向を変えるためのシステム~

社会情勢はドラスティックに変化しているというのに、大学入試制度を含めた改革は遅々として進まない。現状維持の圧力は、自己保身のかたまりだ。子供たちにリソースを「浪費」させるのはもうやめよう。ちなみに、教育現場で「必死に踏ん張っている人たち」を責める意図は微塵もない。システムをどうするかという提案だ。 * ①高校の存在意義って?まず、「大学への進学」という学歴志向の枠組み中で、現状展開されている高等教育の様子を確認していく。高校は数多くの科目をバランス良く教える場で、部活など

偏差値が5ポイント以上下がった日本

「わが大学の大学入試偏差値は驚くほど高い。他大学との相対的に見たらそうかもしれないが、大学の絶対的偏差値があるならば、この10年で、5ポイント以上はさがったという実感がある」と、知り合いの大学の教授。 それは、大学だけではない。会社も同じ。企業偏差値という指標があるとしたら、会社の偏差値は5ポイント以上下がった、という実感がある。会社だけではない。政治もサービス業も建築も芸能も芸術もそうではないか。反論は大いにあるだろう 問題は、なぜ、そういう声が出てくるようになったかで

人材と技術という『資源』~競争と模倣の行方~

組織を活性化するのは「資源」である。その資源をいかに生み出し、活用するかで組織の存続が左右される。待ったなしの競争が繰り広げられるなか、技術の革新で大きく時代が変わろうとしている。今回は時代を変える「資源」について深掘りしてみたい。 まずは、資源にはどのような種類があるのか、一般的な分類から確認する。 経済のグローバル化が進む割に、国民国家の枠組みは守られる。そして豊かな不動産は動かせない。侵略か、物流か、生産かという選択を促すことになる。「破壊」と「創造」は、対局にあり

『日本らしさ』を学んでコミュ力を高める②【かしこさラボ:実践編3】

今回は、世界とコミュニケーションをとっていくうえで、特に重要だと考えている2つの「キラーコンテンツ」について扱う。 ①サブカルチャー多くの外国人が日本を知るきっかけとなっている「アニメ・映画・ゲーム」などのサブカルチャーは、日本文化への入り口として充分な役割を果たしている。それどころか、ハリウッド映画など世界の文化に影響を与える存在になっており、かつて北斎らの浮世絵版画がヨーロッパの印象派に影響を与えたように、世界的に見て秀逸なクオリティを持っている証といえる。 日本のサ

『日本らしさ』を学んでコミュ力を高める①【かしこさラボ:実践編2】

外国人とコミュニケーションを行う機会が増えるなか、日本の特徴を聞かれてうまく説明できなかったという経験談はよく聞く。そういった場面で活用できればという趣旨もあるが、「日本の強みや弱点」を理解することで、日本が生き残る活路を見出したいというのが大きい。 日本の良いところを掘り起こしてみたら、「とんでもなく良い国」であることが分かった。これは是非とも守っていかなければならないという思いを強くした。内容が盛りだくさんなので2回に分ける。次回は「日本が生き残るためのキラーコンテンツ

『面白さ』の構造理解で創造力を高める【かしこさラボ:実践編1】

◎面白さの種類今回は、「面白さ」の構造を理解して、創造力を育成するために必要なポイントをあぶりだしていきたい。 これまで、「面白さ」の構造分析をした人はそれなりにいる。よく使われるのが「funny」と「interesting」の2段階で区分し、それぞれを細分化して共通点や相違点を見つけるという手法だ。 今回はそれに「sensational (shocking)」という段階を加えて考察を加えてみたい。 ①”funny”いわゆる「笑える」「ウケる」というレベルの面白さだ。

かしこさラボ【分析編1:語彙力と論理性】

さて、あなたはどのような人を賢いと評価するだろうか。 ここからは、賢さを構成している要素について深掘りしていくが、それとともに自分の賢さの判断基準バイアスが、どのあたりにあるのかを把握していただけると幸いだ。まずは「語彙力と論理性」の分析から始めていこう。 ①語彙力人間は、目の前にある現象を言語化して理解しようとする。ゆえに語彙が豊富なほどより正確に現象を把握できることになり、相手にも正確に情報を伝えることができることになる。語彙力は論理性の土台だ。 また、「愚者は経験

日本が生き残るためのグランドデザインを想定する【改訂版】

日本のグランドデザインを私ごときが描ききれるわけもなく、計画経済を実行したいというわけでもない。ただ、『グランドデザインを想定しながらモデルケースとなる部分最適を作る』ことが人生の大きな目標となりそうだと予感していて、『部分最適のコミュニティ形成とミドルマン育成』が私の役割となるだろう。 * 今後の日本を考える上で鍵となるのが、大都市に集中した人口の動向であろう。現在、大都市に富は集中し、あてにした人が群がる構図となっている。そしてお互いをサービス産業で潤すという形をとっ