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れいわ新選組を追う

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2019年12月の記事一覧

Yと呼ばれる戦争機械

一人の人間が、2011年、ある大きな出来事に遭遇した時、人間と大地の破滅を予感した。その瞬間から、その人間は「戦争機械」に変身しはじめた。だが、そのことに周りの人間たちも、本人でさえも気付いていなかっただろう。それゆえ、その人間は固有名であるYと呼ばれ続けた。 なぜ戦争機械か。Yは、後のある対談で、大きな出来事による破滅を「動物的な感」で感受したと話している。そのときYは、恐怖に振動する情動体に変化していたのであり、いわば動物として存在していたのである。そして情動体であるこ

れいわ支持者のプラットフォーム

研究猫ともさんが、れいわ新選組にたいする提言の補足(note『提言の経緯と補足』)の中で、全国の支持者が自由に出入りできるプラットフォームの形成を提案している。 このプラットフォームはともさんと仲間の人たちによって既に具体化されている。オープンチャットサーバーDiscord上のれいわ新選組非公式ネットワーク「れいわプラットフォーム黒幕連」がそれである。 Discordサーバーをいったんパソコン上にダウンロード、インストールし、それを立ち上げてから入室するという手順が少々わ

改めてれいわ新選組規約を考える

もともと、れいわ新選組が政党としての組織を持たないのは、大野党構想の中で(独立した政党ではなく)触媒組織として位置付けられていたからではないかという疑念を持っていたが(note『一つの疑念』)、その後、「いや、れいわは中心のない『党ならざる党』を目指しており、これまでの政党のような組織がないのは当然」という安冨歩氏が代表する見解が実態ではないか(note『安冨歩氏の組織論と推測訂正』)と思い直し、現在に至っている。 だが、改めてれいわ新選組の規約を見て、少々愕然とするところ

研究猫ともさんの組織論

安冨歩氏のれいわ組織論に触発されながら、れいわ支持者である研究猫とも氏がnote上に『れいわ新選組の政党組織についての提言』(11/26)と、その補足『提言の経緯と補足』(12/1)を発表している。この前のポスト『安冨歩氏の組織論と推測訂正』で、この提言に簡単に触れ、結論として、趣旨はわかるし共感もできるが、基本的に安冨氏の「カオス論」支持に傾くと書いた。これを書いた段階では『提言の経緯と補足』を読んでいなかったので、改めて読んでみて、研究猫とも氏(以下研究猫さんと呼ばせてい

安冨歩氏の組織論と推測訂正

先月11月から今月12月にかけてれいわ新選組をとりまく情勢が大きく動いている。「桜を見る会」問題で、モリトモカケ問題以上にアベ政権が追い詰められ、解散総選挙が近づいていると予測されていることが背景にある。 12月に入って、立憲枝野氏が、これまでの独自路線を軌道修正し、オフィシャルに国民、社民に野党共闘を呼びかけた。だが、この呼びかけが、立憲への合流なのか、新党結成なのかはっきりせず、曖昧なままである。裏ではさまざまなやり取りがあるのだろうが、アベ政権打倒が日程に登りつつ現在

「一つの疑念」への補足

前ポスト「一つの疑念」では、れいわ新選組があらかじめ野党合同構想に組み込まれた触媒政党ではないかとの疑念を書いたが、もしこの疑念が正しいものだったとすれば、山本氏が「野党各党が消費税5%減税に同意しない場合には、次期衆院選でれいわ単独で100名の候補者を立て、野党とも仁義なき闘いをせざるをえない」と繰り返し語っていることはブラフということになる。 しかしこれは野党に対する政治的脅しであり、それがまったくのブラフであったとすれば、山本氏に対する他の野党からの政治的信頼は失墜す

一つの疑念

れいわ新選組をめぐる政局についてはすでにポストしたが、一つ疑念がある。これはかなり前から頭の片隅でくすぶっていたものだが、まだ消えずにくすぶり続けている。それは、れいわはなぜ党組織を作ろうとしないのかということである。これは、れいわが掲げているのが未だに「緊急政策」だけであり、「綱領と規約」を発表していないことと繋がっている。(これを書いた時点で公表されていたことを知らなかった) これに対して、れいわが野党を含めた「旧体制」と異なる新しい運動をめざしていて、組織のあり方もこ

ジョーカー

登録しているyoutubeチャンネルの主催者T氏が、映画『ジョーカー』を観て、自身の貧困時代を想起しながら深く共感し、「この映画は貧困がどれだけ人を狂わせるかをほんとにリアルに描いていて、最後は主人公を暴力によってしかその苦しみを解き放てないところまで追い込んでいるが、これはもう貧困当事者による革命というべきだ」と述べていた。私はまだ未見なのでなんとも言えないが、もしこの映画がK氏がいうようなものであるなら、アメリカのみならず、ここ日本や世界でこれから起こるであろう出来事を予

政局床屋談義

10月に入ってから、躍進するれいわ新選組が「一丸の会」の馬淵澄夫氏らと「消費税減税研究会」を立ち上げたが、25日には鳩山由紀夫氏が新政党「共和党」結成を宣言し、国民民主党に合流した小沢一郎氏も、30日、立憲、国民、社民の国会統一会派結成を踏まえて、野党総結集による新政党結成を呼びかけた。 山本太郎氏が自由党で小沢氏と共同代表だったことは言うまでもなく、小沢氏と鳩山氏が旧知の仲であることもよく知られたことであり、これら一連の動きが繋がっていると推測するのは大きく外してはいない

資本主義の限界

れいわ新選組や国民民主党を含め、緊縮政策から積極的財政出動への転換を掲げる勢力が力を増している。現下の庶民の窮状をともかく早急に改善する必要があり、そのためには緊縮政策からの転換の実施が不可欠であるのは間違いない。 しかし、「積極的財政出動や消費税の廃止、財源としての国債発行や所得税累進性の強化などによってデフレから脱却でき、経済をふたたび成長軌道に乗せられる」というシナリオは根本的に限界を持っていると考えるべきだ。 なぜなら、デフレ不況の真の原因は、企業の利潤率の低下で

陰謀論の誘惑

いまさらだが、陰謀論がなぜダメなのかメモしておく。「現象としての出来事は何かを原因とする結果であり、現象の背後にある原因を究明しないかぎり真実には到達しない」というのがもろもろの陰謀論の背後にある考え方だろう。ここでは出来事はいわば仮象であるとされるので、出来事との正面からの格闘は回避される。陰謀論者は、出来事と格闘する人びとの無知を冷笑し、真実を知るのは自分だけだと悦に入るわけである。 だが本当のところは、生起する出来事は必然的な出来事(現実)として私たちに与えられる全て

山本太郎の流儀

ファシズムの足音が聞こえはじめている今、それに抗う一人の人間の声だけが路上で響きわたっている。今年の4月、「れいわ新選組」という新グループを立ち上げた山本太郎の声である。7月の参議院選挙に向けた彼の闘い方は、情熱(権力への怒り)と怜悧な戦略が組み合わさったユニークなものであり、他の追随を許さないという点で「山本太郎の流儀」と形容するしかないものであった。そしてその闘いは、生活に喘ぎ、絶望に慣れ親しんできた人びとのこころに希望の火を点火ししつある。以下、私が気付いた範囲で、その

鳩山さんの共和党

鳩山さんが、共和党という新党を立ち上げるらしい。告知ページを見ると、元民主党の首藤信彦氏が主催する「新政治運動」が母体のようだが、ざっと目を通してみると、問題意識はさほどズレていないし、新しい党のあり方を模索し、民主主義の再生を目指すとしているところはいいとしても、「中道急進派」と名乗っているように、立憲、国民より左に立ちながらも、議会制民主主義そのものを大胆に組み直すところまでは踏み込んではいない。新政治運動は神奈川の地方政党レベルだし、鳩山さんの人脈や資金は活用できるとし

プチヒトラー

N国の立花孝志はいまや参議院議員だが、世界の人口過剰問題をどう解決するかをめぐってYoutube動画で発言したのが以下である。 「バカな国ほど子供を産む」 「アホみたいに子供を産む民族は虐殺してもいいだろう」 「賢い人だけ活かしといてあとは虐殺」 「人間が人間を殺さざるを得ないから戦争は起こる思う」 「差別は自然なものだからなくすことは不可能」 まんまナチスであり、たぶん立花はヒトラーの「わが闘争」を読みこんでいて、それを彼の言葉で翻案している。 9/24 2019