ノダアヤコ

編集者、ライター。 映画を中心にレビューしていきます。 記事内に自筆イラストを差し込むときも。 (連絡先)→noda.ayako.1948@gmail.com

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    【映画感想】究極的な”男女の駆け引き” 「COLD WAR あの歌、2つの心」

    カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞! 米国アカデミー賞では3部門ノミネート! 恋愛の醍醐味ってなんでしょうか。多々あると思いますが、その一つが駆け引きです。と言うことで、男女の駆け引きをとことん描いた映画が「COLD WAR あの歌、2つの心」。 どんなストーリーかと言いますと、映画はポーランドの田舎からスタートします。時代は1940年代後半。この当時のポーランドは、ソ連の影響下に社会主義国家となっていました。この田舎町に、音楽舞踊団の養成所を設立した一行がいます。そして、グル

      • 【イラスト映画館】フィクションの力を信じさせてくれる映画「アルプススタンドのはしの方」

        中途半端なまま、何かを諦めた高校生4人ある高校生たち(と先生)の1日をワンシチュエーションで描く、爽やか青春映画「アルプススタンドのはしの方」。 兵庫県にある県立高校演劇部の先生が書き上げた戯曲が、原作。高校演劇がベースと聞くと、鑑賞前はプロットが幼いと思うかもしれないけれど、侮るなかれ! 2020年公開作&配信作の中で、10本の指に入る良作でした。 作品の舞台は、夏の甲子園。母校が甲子園に出場するということで、嫌々、応援に駆り出された安田さんと田宮さんは、演劇部に所属す

        • 感想。「PRODUCE 101 JAPAN」が思ったほど盛り上がらなかった問題を考察する

          「PRODUCE 101 JAPAN」、略して「日プ」。 この「日プ」はデビューしていない練習生101人を集め、サバイバル形式でデビューする11人を決めるというオーディション番組。選ばれた11人はアイドルグループを結成し、期間限定(「日プ」の場合は永久?)で活動する。 なお、このオーディションを審査するのは、すべての日本人。まぁ、ざっくりいうと番組を観ている視聴者ですね。視聴者は好きな練習生に投票し、投票数の多い順に順番が決まり、デビューメンバーが決まるというシステム。視

          • 【イラスト映画館】ハッピーエンドではないのに不思議と希望が湧いてくる。イラストで映画感想「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

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            【イラスト映画館】2019年イチものすごく分からない映画。だけど、ありえないほど感動した「怪獣の子供」

            原作は五十嵐大介さんによる漫画 今年イチ、よく分からない映画。同時によく分からない感動が腹の底からこみ上げた「怪獣の子供」。 思春期まっさかりの中学生、琉花は父親が勤める水族館で、ちょっと(いや、だいぶ?)不思議な青年・海くんと出会います。 どう不思議かというと、海くんは海の中でジュゴンに育てられたため、水の中でしか生きられないんですよ。海くんにはお兄さんの空くんがいて、空くんもまた魚のような生体をしています。もののけ姫のジュゴン版って感じですかね(ざっくり言うとそんな感

            すべての人を拒まない街。新宿サイコー、ありがとうマジで!

            「新宿なら気にせず歩けるの」 この言葉はワタシは仲良くしている女装家さんのお言葉。 そうなんだよね、新宿ってLGBTも、貧乏人も、前科アリの人も、ワケありの男女も、エリートも主婦もお姉さんも、外国人も受け入れる優しい街。 日本有数の企業が集まる西新宿は高層ビルが並び、ヤバい奴らが集まる歌舞伎町は風俗的な空気が漂う。かと思えば新宿2丁目はLGBTたちの場所。そこからタクシーで15分ほど行くと風情な神楽坂がある。 新宿ほど、あらゆる人が集まり、あらゆる人を受け入れる街はな

            【イラスト映画館】イケメンと善人は出禁。ゲス野郎しか出てこない、韓国スリラー映画あるある5選

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            「プロデュースX101」という番組をご存知でしょうか?この番組は韓国発のアイドル育成オーディション番組で、韓国だけでなく世界中のアイドル好きを熱狂させる、超特大ヒット番組。 この番組の仕組みは簡単で、各芸能事務所に所属する101人のアイドルの卵(番組では”練習生”という)が集い、ステージごとに課せられた課題をこなし、苦難を克服していく様を見せていく。 練習生たちが切磋琢磨し、成長していく姿をみたうえで、韓国国民(”国民プロデューサー”と呼ばれている)は応援している練習生に

            人間とはなにかを気づかせてくれる「ひとりぼっちの宇宙戦争」by藤子・F・不二雄

            「タケコプタ~!」でおなじみの「ドラえもん」 の、生みの親である藤子・F・不二雄せんせい。 実は不二雄先生、SFへの造詣も深く、「少年SF短篇」というSF漫画の短篇集も出しています。 そのなかの1作品、『ひとりぼっちの宇宙戦争』。 どういう話かというと、とある惑星からやってきた宇宙人がランダムに選んだ少年と、彼そっくりのクローンロボットが戦い、少年が勝てば地球は現状維持、負ければ地球は植民地化される、という、たった一人の少年に地球の未来を託したSF戦争もの、なんですね