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楽しい話

昔話みたいな雰囲気だけど現代のはなしっていうところがめずらしいかもしれないね。
おれれはたのしく読んだ。 
馬と羊と牛とヤギと鳥が近くにいる。牛と羊はいつも違う場所で放牧されている。牛は日本の牛と違ってふつうの目をしている。

こっちはもう夏みたいになってきた。夜8時過ぎてもまだずっと明るいに。
ドイツの冬と春夏はぜんぜんちがうんだ。冬は一面茶色で枯れ草だったのに、今はきれいな緑で草の背丈ぐんぐんのびてきた。
今日は祝日だに。祝日はだいたいキリスト教にちなんだものなんだ。先週はキリストが昇天した祝日があったけど、一般には「男の日」って言われてて、男ばっかりが集まって大騒ぎしてビールをたくさん飲む日になってた。コロつきの入れ物に樽のビールを入れて歩いている男のグループをたくさん見かけた。
おれれはエルベ川沿いを毎日10キロ自転車こいで学校に通っている。こっちは太陽の日差しが強すぎるときがある。日かげに行くと涼しいんだ。

おれれはいろんなドイツ人から「職業はなんだね?」ってきかれた。ドイツ人の「働く」っていう意味と「職業」って意味は日本人とは違うみたいだ。学生が論文書くのも、おれれが今ドイツ語を学んでるのも庭仕事も arbaiten って言ってる。お金を稼ごうが稼ぐまいが仕事ってことになってるみたいだ。それでおれれはあにのことを思い出したらやっぱりあには「書く人」っていうのがあにの Beruf なんだろうねと思った。

こないだ夜に散歩に行ったら暗闇で馬が草を食べてた。夜の11時くらいなのにね。いつ寝るんだろうね、と思った。
あにのHP楽しくなってるね。おれれはだいたいいつもみている。

春になったね。こっちは鳥りがよく鳴いている。日本の鳥より声が大きい。雨でも暗くても鳴いてるんだ。よく商店街で春の声みたいなCD(鳥がわざとらしく鳴いている)がかかってたけど、それとそっくりの鳴き声だ。

上手になってるね、明るい感じになってた、あには明るいのが似合ってるねと思った。

先週夢をみた。あにが神楽坂みたいな飯田橋みたいな都会のきれいな街に引っ越して一人ぐらしをしてるんだ。あにの顔は出てこなかった。新しい小さめの集合住宅の一階に部屋があるけど、中に入ると2階立てになってた。朝早くあにのうちを訪れた。あには2階でまだ寝てるみたいだった。あにの家の鍵を師匠とおれれの知り合いのだれかがなぜか持ってておれれは知り合いたちといっしょにあにの家に入った。一階は応接に使ってるみたいだった。階段にあにの書きかけの原稿用紙がおいてあった。あにのペンネームが書かれてた。あにはたこおやじとか昔書いた小説以外の別の話を書いてるみたいだった。部屋はこざっぱりしてきれいだった。青色を基調にしたデザインの夢だった。町と家は毎日目に触れるものだから大事だね

スカーフを人からもらったんだ
スカーフをほめたら、次の日にくれたんだに

おれれはクリスマス前から今日まで風邪をひいてた
クリスマスには鴨とウサギをたべた
ほんもののモミの木でおいわいしたんだ
クリスマスプレゼントをもらった
おれれは人からほんものの金の指輪をもらった
アラブでつくられたんだって
1月1日の0時には夜空いっぱい花火があがってきれいだったに!
360度花火だったに
日本の花火の方が大きいけど、ドイツでは個人が買って新年に打ち上げるみたいだ

昨日はアドベントだった
ドイツ人にとってクリスマスはとても大事みたいだ
子供用のワインがあるんだ
おれれはそれを飲んだ
あっためて飲むんだに ぶどうジュースみたいなもんだに
昨日はコンサートに行った
焼いたソーセージとパンとあったかいワインをもらった
前の日にはクリスマスマーケットを見てまわったんだ
バイナハテンマルクトっていうんだ
夜はたくさんあかりがともって夢(夜見る)に似てるにゃ
メリーゴーランドがくるくるまわって楽しいにゃ
でもあかりがともってないメリーゴーランドがあって
人が手で車輪みたいのをまわしてたんだ
人が車輪をまわすと木でつくったメリーゴーランドがくるくるまわる仕組みにゃ

あには天使さんの方をみていつもお願いしてた方がいいにゃ そういえばこっちにはクリスマスカレンダーっていうのがあるんだに
12月1日から25日までのカレンダーで、日付ごとの扉が一枚一枚ばらばらになってて
毎日めくるんだにクリスマスまで
おれれはそれを人からもらった。
扉ごとにチョコレートが入ってるんだ 毎日違うチョコを食べる仕組みにゃ
扉ごとに違う絵が描かれたカレンダーが普通みたいだがね おれれのカレンダーの扉には絵はなかった チョコだけ

このまえイノシシを見た
ドイツの動物ばっかり集めた動物園みたいなとこに行った
ヤマネコにゃと狼もいたよ
イノシシがたくさんいたに イノシシの群れみたいだったに
地面が灰色のとこにいた
ウリボーはちいさかった
餌をあげたんだ
でもでっかいイノシシがわっさわっさ食べてウリボーはあんまり食べれなかったから
おれれはウリボーにたくさんばらまいたんだ

楽しかったに 楽しいけど静かな雰囲気がながれている

  イギリスのお茶セットあるに。
アニ ティーサーバーかね。
おれれ 違うに。こんな、山型のところに、きゅうりのサンドイッチ、マフィン、ケーキが載っているもの。
アニ ああ、あれね。何て言うんだっけ。
おれれ あれはよく考えたものだ。マフィンを食べるに。ケーキを食べるに。そしたらしょっぱい物を食べたくなって、きゅうりのサンドイッチを食べるに。マフィンを食べるに。ケーキを食べるに。その繰り返し。

アニ 昨日、散歩の帰りに上を見たら、電線にカラスがとまってて、右足を上げて、顔をかかかって、掻いていたんだ。猫みたいに。
おれれ そんなのは見たことないに。
アニ それが、首を内側に傾けて、右足を上げて、左足だけで電線にとまって掻いていたんだけど、カラスはあんなに器用だったかね。
おれれ 昔飼ってた鳥は、一本足ですまして立っていた。片膝は曲げて。
アニ あのカラスは、前の猫のまねをしていたカラスなんだよ。同じあたりにいたし。
おれれ 夜なかに練習していたはずだ。昼間猫が掻いているのを観察して、きっと猫になりたいんだ。猫はかわいがってもらえるからね。にゃーにゃーおいで。って呼んだら、来るに。撫でてあげたら猫みたいになつくはずだ。ねこフードあげたりして。いつも上から見ていて、猫はいいなって思っていたんだ。
アニ カラスもそのうち人語を話すと思うね。
おれれ 鳥はね、怒ると毛が黒くなるんだ。子供の頃、水を替えなくて、掃除をしなかったら、怒って、毛を黒くしてた。こんなに膨らんで怒ってて。話しかけても、そっぽを向いて返事をしてくれなかった。水を替えて、掃除しても機嫌が直らなくて。いつもは指を一本眼の前に見せれば飛び乗るんだけど、こうやっても、とまろうとしなくて、返事もしないんだ。それで、「ごめんに。今度からちゃんと水を替えるに。」ってさすったりして、指を宿木のようにして遊んでいたら、やっと「こっ」って一声鳴いて。しばらく遊び続けてやっと、機嫌がよくなった。羽根も白くなって。


花粉症だ。イスラム教のあのベールいいなあ。目だけ出てるもの。あれはいいと思う。安全だ。さすが沙漠の民。おれれもあれつけたいな。しゃっしゃっしゃっ(とベールを巻くしぐさ)わっせわっせ(と手を振り歩くしぐさ)

おれれ下宿にいたとき犬がいた。こんなの。(手で大きさ示す。漬物石くらい。)いつか、部屋に入れずにいたら扉と床の間に三寸ばかりの隙間があって、屈んだら犬の足が廊下でうろうろしていた。開けた後に知らん顔をしていたら、犬も忘れて向うへ行った。あれで気にかけると犬も気にしてしまうんだ。

おれれ学校の帰りにコリー犬と遊んでいた。もう年を取った犬だったけど、子供が遊んでも吠えなかったに。皆触ったり、おれれは背に乗ったり、でも子供だとおとなしいのに、他の犬が通るとすぐに反応して吠えてた。でも尾を振っていたから話していたのかも。

「猫にゃーの髭にものをぶら下げたら猫にゃは困ってしまうに」
「そうだね」
「アニの手は普通の人と役目が違うんだ。手を見て今の状態を確認したり、アンテナみたいなものだ」

「ダイエットはしたことあるかね」
「一度だけ」
「どのくらいだね」
「一日。リンゴ食べた。朝と昼。帰ってからコロッケを夢中で食べた」

「猫の子っていうのはいつ生まれるのかね」
「今頃だと思う」
「そうかね。今度外行ったら注意して見てみよ」と手で双眼鏡の仕草。
「でも親猫がいるんじゃないのかね」
「やっぱりくれないかね」
「それに、その辺にはいないと思う。隠れて育ててるんじゃないかね」

「歌をやるとおれれ元気になるんだよね。今より二十倍くらい元気になる。わっせ、わっせ」

四億あったら犬を飼おう。一匹。柴犬。
「専用庭ありだって」
ジャガイモを作るに。庭を畑にしてしまうに。鶏も放して飼えるということだ。
四億あったら犬を飼いたいなー。おう。一匹ー。柴犬。

他の人は、たらふくって言わないね。
うん。
おれれ以外で、たらふくって言っている人を見たことがあるかね。
ないねえ。
おれれも。

昔、バッタが弱ってて、蒲団を掛けてあげた事がある。ティッシュの蒲団。弟は、カマキリの子供にガーゼ掛けてた。弟が、カマキリの卵を家に持って帰ってきて、家じゅうカマキリだらけになって、遊んでいたら、弱ってしまったから、蒲団掛けてあげた。カマキリの子供はかわいいんだよ。虫籠の目から出てくる。

幼稚園の人たちはもうお帰りかね。お昼ご飯前に帰って来たんだね。

アニも鼻を押したら変身できるといいのに。

今日は角がさかんに立ってますよ。角だらけだ。

「あれは鱗雲かね」
「鱗雲は違うに。鱗雲はあんな色してない。」
「雲の区別を色でつけるのかね。」
「鱗雲はもっと桃色とかオレンジ色してた。あんな不思議な色はしないに。」
「そうかね。」
「あれはやっぱりせめぎ合っている色だ。」

静岡の人は楽しそうだった。
「静岡市内でしょ。あそこは皆楽しそうなんだ。富士山が見えるからね。」

「ルバーブ」のジャムが食べたいというおれれに、アニは百貨店に寄って、ルバーブのジャムを手にした。緑色の煮崩れた寒天のようなものがガラス瓶に入っている。
若い店員に慣れぬ口調で話しかけ、ジャムを購う。
夕食の時に蓋をあけてあげ、白磁の小皿に取って食べてみる。
おれれは、「なかなかおいしい。ありがとう。明日、パンにつけて食べてみようっと。」と喜んだものの、進んで食べるようには見えない。
アニも一口もらってみる。酸っぱい草の味がして、わざわざ食べる気になれず、「これは体にいいの」「カリウムが入っているんだって。」「ふん、豆乳にも入っているね。余分な塩分を出すんだよね。」「うん」
初めは、パンにつけて食べたおれれは、やはり、苺ジャムやピーナッツバターの方が好みらしく、次第に冷蔵庫の奥へやられる。アニも食べない。
いつしか、賞味期限切れを待つルバーブが残るのをアニが思い出して片づける。

床に坐っているアニはいつもの癖で横にした右足の上に左足を乗せている。丁子色と栗皮色の横縞の靴下がひとかたまりとなって見える。
「横縞はかわいらしいねえ。猫も横縞だからね。こう見ると、猫に見える。猫も寝ていると、こうして丸まって、縞模様が襞になっている。」
笑いながらアニの足を撫でる素振りは猫に見立ててのものである。
「猫は不思議だねえ。何で縞縞になっているんだろう。歩けば縞縞が動くんだ。あは。」

秋祭りということは、お米がとれるということだ。

「心で思っていることと口に出して言うことが違う時があるからね。そう言えば、ドーナツ、ドーナツって言いながら、『ドーナツあったよ』って言っても、『ドーナツ食べたかったけねえ』って思う。ドーナツ食べてみて、ようやくかりんとうが食べたかったって気づくもの。でも、ドーナツ食べたくない時なんてないからね。」

「おれれはデパートで働いたことがある。」と言いながら、とっくりで口を隠す。
「そうなのかね」
「チョコ売った」
「楽しかったかね」
「今一つだったねえ。言ってくるんだよ。こことここのチョコをこっちに詰めて、こことここのチョコはこれにしてくれって」
「お客の都合が訳わからないのかね」
「訳わからなくてね。おれれ計算がよくわからないんだ。千七百円と、二千二百円と何かと計算して、それに消費税も加えるんだよ。消費税なんて、あとで自分で払えばいいのに。それで計算したら、えらく高くなって、五千いくらかのを一万八千円ですって言ったら、『そんなに買ったかね』って言われた。『もう一度計算します』ってやりなおしたら、全然違ってた。」
「ふんふん」
「店の人とかも買いに来るんだけど、エレベーターガールの人も来て、『あんた、大丈夫』って計算機打ってくれた」
「百貨店も大変そうだね」
「小児を相手にした時は楽しかった。」
「何をしてたんだね」
「三角籤売ってた。百円で。小児がやって来て、手を箱に入れて、籤をつかんで、『はい』って渡されるから、開けてあげて。小児は何が書いてあるんだろうって言うんだ。そしたら欲しいのはどれだね。って訊いて、小児がガラスケースにある商品を、『これっ!』って指すから、それを渡す仕事。あれは楽しかった。小児が意を決した顔でやって来て、箱に手を入れてた。たまに親が買い物に行ってしまって、小児が『籤引いて待ってて』って言われて待ってた。」
「そうかね」
「おれれも籤引いた。一等が当たった。」
「それは貰えたの」
「おれれ持って帰った」と手を前後に振る。
「何を当てたんだね」
「顕微鏡。前から欲しかったんだ。」

「鶏はあれかね。退化して飛べなくなったんでしょ。ああいうのは、もう一度進化して飛べるようにはならないのかね。一羽くらいが他の鳥が飛んでいるのを見て、羨ましがれば、孫の孫くらいで、飛べそうになりはしないかね。」
「鶏は皆、真正面か、下向いているからね。」
「やっぱり上を向いていると、飛べるのか」

「おれれ うな重特大」
「特大なんてないにゃ 特上にゃ」

空が水溜りの色になったら雨が降る。急に曇ってきたから窓を開けたら、水溜りの色をしていたからね。灰色に少し黄色がかったような色なんだ。

蛇はどうだかねえ。
蛇?
蛇飼うのは。
逃げ出すんじゃないのかね。
逃げ出したら掃除機で吸い取る。
蛇飼うなら鼠飼わないと。鼠食べるよ。蛇は。
草食べるんじゃないのかね。
草は食べないでしょ。
知らなかった。草食べているのかと思ってた。

タヒチはいいらしいよ。アニもタヒチに行ったら元気になるかもよ。元気そうな人たちが近づいて来て、輪になって踊るんだ。両手に花だ。おれれも向かい合って踊る。

くるみって名前はどうかね。おいしそうだ。
名字かね。
うん…くるみカリカリ。おいしそうな名前にしたらどうかね。くるみをカリカリするんだ。

「最近オープンカフェが増えたのは、指をくわえて物欲しそうにする小児が居なくなったからだろうね。」
おれれも昔はよく見てたなあ。くれたけど。
「くれたのかね。」
そんなに食べたい物じゃなかったけど、いいなあ。って、見てたらくれた。おじいさんとおばあさんが飴食べてて、何か食べてる。いいなあ。って思って、おれれは鞄を開けて、タオルかハンカチを出して、丸めて、食べるふりをしていたら、おじいさんとおばあさんが話し合いを始めた。『あげたらどうかなーす』って事になって、おれれはもらった。
おれれがありがとうございました。ってお礼を言ったら、『これだけじゃ何だから』って他にもくれた。千円もらった事もある。

靴下から親指が出てるね。親指だけ不思議がっている感じだ。皆入っているのに、自分だけ出てるな。と思ってるみたいだ。左足はどうかね。
「左は空いてないよ。」
やっぱり自分だけ出てると思ってるんだ。

アニの仕事は時計のねじ巻きがいいだろうね。飾りがいっぱいあるからねじを巻かないといけないんだ。でもアニが時計屋でねじを巻いていたら、やっぱり絵本みたくなってしまうんだ。

おれれは春になったら花を食べてた。花をつまんで、おれれのあとは花が散らかってた。アニは花の蜜を食べた事はあるかね。
「ないと思う」
おれれはよく食べてた。躑躅。ほんのり甘いんだ。
「蜂は寄ってこなかったかね。」
蜂がいない時に食べてたからね。でもおれれが花を食べていたのは小学二年の時までだ。その後は引越したから食べなくなった。駄菓子屋に通うようになったからね。その時は駄菓子屋がなかったから花を食べていたのかもしれない。畑に茎がいっぱい生えていて、他人が、『これは砂糖黍だから甘い』と言うから食べたらちっとも甘くなかった。

おれれは鳥の卵を見つけた事がある。草の処で歩んでいたら鳥の卵があった。卵を割る練習をしていたからね。割ってみたら今一つだった。

おれれは道を歩いていても、楽しそうな方へ歩いて行った。小児が笑いながら歩いていたら、「あは。楽しそうだ。おれれもおれれも。」とついて行った。

おれれは、このあいだのポーランドのチーズケーキが頭にある。

牛と馬が古墳時代に日本に来て稲作が楽になったらしいね。
牛と馬は日本に来たのかね。どこから来たんだろうねえ。
朝鮮半島かららしい。
海を渡って来たのかね。牛しはいやだったろうねえ。船に乗せられたと思って立ったら、水がどんどんやって来て、隣の牛しと眼を合わせて人間の方をちらりと見たりしていただろうね。

高校生の時、昼休みに名所江戸百景を読んでいたら、隣の人が、「何だね、それは。昔話かね。」
「うん、そういうもの。」
「東京の話かね。」
「うん。」
「ダンダラボッチは出てくるかね。」

パソコンの仕事は思うよりずっとつかれるようだ。
パソコンには秘密、秘密がありそうだ。と顎に手をやる。

外国の虫はれんげ(草)を食べるみたいだ。
れんげは美味しいからね。おれれはれんげも食べていた。きゅぽって花をとって、きゅるきゅる食べてた。おれれはいつもお腹をすかせていたからね。躑躅みたく大きくて食べやすくはないけど、蜜があるんだ。春になると田圃とか畑とかに一面に咲くんだ。

夕餉時、「今日は猫にゃがいなかった」「猫を探していたのかね」「うん」

今日は猫ニャー見なかったなーす。おれれは曇り空が都会の光で光ってるのを見てた。猫ニャーは横を通り過ぎていたかもしれない。猫ニャーは足音がしないからね。

おれれは牛と言い合いをした事があるからね。知ってるんだ。牛しは頭がいいはずだ。おれれの事を覚えていたからね。離れていたのに、こっちを見た。牛しは皆でいろいろ喋っているはずだ。「もー」と言っているようでもいろいろな事を言っているはずだ。牛しの脳は大きいに。よく噛んで食べているに。からかったりしたら、非常に怒ってた。牛しは優しい顔なんかしてないに。

貝がこれほど歌が好きとはね。「わっせわっせわーせわっせ」と歌えば、浅利は口を開け、管を出し、半透明の身まで出してくる。
おれれ貝さんに聴いてもらって楽しかった。

今日は曇りと雨だ。「と」って書いておこう。

おれれは昔、駅のなかで担任の先生とばったり会った。「探してた」って言われた。「駅にいれば会えると思ってたからね。」と言ってた。

朝起きたら、ご飯食べるに。そのあと、チョコのかかったマクビティ食べるに。学校に着いたらバランスアップ食べるに。
それは何時頃だね。
十時。お昼になったら学校で食べるに。夕方帰って、夕食食べるに。それだけじゃ足りないから、夜に夜御飯食べる。その後におやつ。
いったい、何食食べてたんだね。
朝、朝、朝、午、夕、夜、おやつ。

おれれは昔、生協であんバターパンを食べていた。先輩が生協ではこれが一番割がいいんだ。百円にしては、重いし、大きいからね。とすすめてくれた。

包丁で人参の皮を剝くのに一仕事。
「まったくピーラーとはいい物を作ったねえ。アメリカ人が作ったのかね。」

おれれは小児の頃、「おれれには不思議な力があるはずだ」と思っていた。「おれれには不思議な力があるはずだ」と思っていたからね。指先から星が出てきても驚かなかったはずだ。
おれれは、不思議な世界が一番価値がある。ピラミッドの頂点には不思議な力を持っていた人たちが不思議な事をしている。おれれは不思議な世界が一番だと思っているからね。

おれれはお風呂に入りながらナスカの地上絵について考えていた。あれはどうして鳥の絵を描いたんだろうね。おれれだったら、どうして描くかねって考えた。鳥は空をすいすい非常な速さで動いてる事を言いたかったんじゃないかね。
さっきテレビでストーンヘンジについてやってた。おれれだったら、どうしてストーンヘンジを作るかねって考えてみたら星はきらきらしているに。星のきらきらを地上に現したかったんじゃないかね。星のきらきらが地上絵に集まって輝く。

このあいだの猫は不思議だった。撫でようとしたら、ささって退いて、でも遠くに行かずに様子を窺ってた。アニが手を出したら寄って来てかわいかったに。

おれれは頭痛なんてわからなかった。昔、マイケルが偏頭痛と言っていたから、むるー、おれれも偏頭痛、って言ったけれどまったく痛くなかった。

アニの頭、ヘアバンドして髪が草のようになっているのを見て、「王様みたいだ。とうもろこしの王様。」

おれれ散歩していたら牛しに会った。えびのの牛しは散歩をしているからね。どうも気性が荒くなさそうだった。綱をつけられていてもあまり気にしてないみたいだった。自分のペースで歩いて楽しそうだった。

「つくばエクスプレスは速かった。ぐんぐん進んでた。」高速鉄道だからね。「帰りは混んでたな」花火大会があるのかね。

何で今の時期にりんごがあるのかね。
冷蔵の物じゃないのかね。
りんごさんは頭よさそうだから、だまされないと思うに。

数学のテレビ番組で、「このグラフは上に凸になります」
おれれ、こんな言い方知らないよ。
授業で聞かなかったのかね。
おれれ、授業中は横を向いたり、後ろを向いたりしてた。立ち上がったりしてた。

今日公園に猫にゃーがいた。不思議な事におれれの方をまったく見なかった。きっと、このあいだ、何も与えなかったから、覚えていたんだ。猫にゃーは頭がいいなあ。

テレビ番組でイタリアの板前がナイフとフォークで魚の身をほぐしてパスタソースに入れている。
「骨を外しているようだね」
うんうん好かった。骨があったら、食べる気がしないからね。

おれれも小さい頃、鶏肉食べた。ローストしたの。おいしかったに。もっと食べたいものだと思った。

田舎は街灯がないからね。「星を頼りに行かないと」と体を傾け、進むしぐさ。

後姿を見て、友だちになりたいなあ、と思った人と、あとで友だちになって、「今日は空がきれいだなあ。雲もきれいだなあ。そう思わないかね。って聞いたら、「思う」って言ってた。「いつもそう思わないかね」って聞いたら、「思う」

おれれ幼稚園の時、「サンタクロースが来る」って言ったから、「え、サンタクロースが来るのかね」って、皆教室に居たけれど、おれれは校庭に出て、空見てた。サンタクロースが来るところを見たかったんだ。そうしたら、教室に園長が扮したサンタクロースが笑いながらいた。「サンタクロースが帰る」って言うから、おれれは、「見に行こう」と、一人友だちを誘って、また庭に出て、空を見てた。サンタが来るとき、「シャンシャン」言う音楽だけがスピーカーから流れているのに、サンタクロースの姿はなかった。

「ピッポくんのひみつシリーズを読んで、『ふんふん、世のなかにはたくさんの秘密があるものだ』と思ってた。」
「おれれは、世のなかには秘密があるはずだ!」と思っていた。

そこの教会の十字架は高そうだったから、おれれ日曜の朝市で買った。
「朝市でそういう物も売るのかね」
朝市だからに。何でもあるに。おれれ毛糸でできた虎の縫い包み買った。鼻がふんふん動くやつ。

耳を嗅いで、「ううん、耳さんは訝しがっているみたいだ。なんだなんだ。って。においを嗅がれた。嗅がれたのははじめてだ。いつも風の音や声を聞いているのに、今日は鼻の音がする。」再び嗅いで、「もう慣れたみたいだ。」

机のマットに坐り、「おれれ小さいとき、マットに坐っていた。おれれの部屋はなかったからね。マットは小さいけれど、おれれの部屋だった。」

半纏が拡げてあり、内ポケットが見える。
「あ、内ポケットがある」
「え。」
「そっちにはないよ。こっちだ」
「あ、本当だ。」膝を数回叩いて、「アニはポケットを三つも見つけた。ポケット探しの名人だ。このあいだは、『ここにポケットがある』って言ってた。今日は、『あ、ポケットがある』って言ってた。」

「『ガンジー伝』を読んでみた。」
アニはちゃんと着て、ちゃんと食べないといけない。

今日もアニの頭は草のようになっている。

トットットッって降りて行ったら、結界が張られたようにこっちに来なくなった。もしかしたら、手が伸びてきて、こっちに引っ張ってくれたのかもしれない。青い空がひろがっているんだ。おれれは大助かりだ。

(ビオトープは)毛虫が這い上がって来ないようにしないといけないよ。靴の上に這い上がってくるからね。

アニを見て、「アニは不思議だ。別世界から来たとしか思えない。アニの後ろには草原がひろがっているようだ」

さくらんぼの枝が皿の上に散らばっている。
「草みたいだ」
「おれれは、草に譬えるのが得意だね」
「おれれはよく草のなかにいた。草を掻き分け進んでいた」
「そんなに背の高い草のなかにいたのかね」
「膝の上まであったからね。掻き分けて進んでた。おれれは草のなかに坐ってた。草の上で寝てた。アニは松を見た事があるだろうね」
「うん」
「(さくらんぼの枝は)松に似てないかね」
「うん」
 「尖ってるからね。おれれはよく抜いてた」
「抜いてどうしたんだね」
「針になるかと思ってた。尖ってるからね。でもやっぱり草だから、針にならなかった」

「おれれはよく草を触ってた」と両手で平面を撫でるように。「おれれが大宰府に行った時、竹の子がこれだけ出ていた。(と親指と人差し指で長さを示す)蹴っ飛ばしてたらこんなに長かった。(と両手で一メートルほど上下に長さを示す)引きずって歩いてたら、皆見てた。おれれは、『竹の子が取れた。』と思ってた。」

おれれは草を擂り潰して、水で薄めて飲んでた。薬だと思ってた。

おれれは小学校の頃、ブロック塀にプリッツを袋のまま隠していた。毎朝学校に行く途中に食べてた。まだあるかなと思ったら、やっぱりあった。隠してたからね。

おれれはお腹を空かせていたから、よく花を食べてた。花の下に蜜があるんだ。公園には躑躅が植えてあったから、躑躅をよく食べてた。どんどんどんどんどん食べてた。公園をめぐって、ちぎっては食べ、ちぎっては食べてた。
駄菓子屋がない所だったからね。駄菓子屋のある所に行ってから食べなくなった。おやつが足りなかったからね。どうも非常に足りない気がしてた。

(天草に)おれれ行ったことあるよ。どんどん道を下って行ったら、海に出たからね。

どうも猫にゃーは話が通じるみたいだ。猫にゃはいるかなあ。と思ったら、猫にゃはこっちを見てた。ニャーと言って、すぐさまやって来た。おれれの後ろについて来た。

今日は猫にゃ、歩いてた。人の後ろを熱心に歩いてた。いつもはあんなにめんどうくさそうなのに。

葉っぱを描いた。と、机の上の紙を指す。

今日の猫にゃ、かわいかったなー。「猫にゃだ」と思ったら、顔を「こうやって」向けてきた。目を細めたまま、ごはんを食べた後みたいで、非常に満足そうな顔をしていた。あんなに満足そうな顔は見た事ないに。

おれれは小児の頃、月を見て、「どうも非常に追っても離れて行くね。」って思っていた。ワーッと追ってみた。そのうち不思議に思いだした。

今日、文化の猫にゃーが二匹になっていた。初め、岩の上に何かいるな、と思ったら猫にゃーだった。ニャーと言ってきた。岩の上にいたまま、枝に顔を寄せていた。猫にゃが、『ニャー』と言ってやって来た。「友だちができたのかね」と言ってみた。猫にゃは、走ってどこかへ行った。と思ったら、すぐ戻って来た。猫にゃ同士、「こんにちは」って言った後、「追っかけっこをしないかね」と言ったんじゃないかね。一匹だけ戻って来て、(岩の上に居て)おれれが手を伸ばしてもちっとも降りてこなかった。待ち合わせをしていたんじゃないかね。『岩の上にいるにゃーす』って。

足のみ毛布から出るのを見て。「アニの足さんは自分だけ毛布がないのを訝しく思っているようだ。」

今日、猫にゃが塀の上をものすごいスピードで駆けて行った。ターッて。何処に行くのかね、遊び場があるのかな。

おれれ、らくだに乗ったことがある。ガタガタ言ってた。

おれれ、小学校のとき、先生が、「学校には毎日来ないといけないよ」と言ったから、「ふんふんそうだね」と思って、毎日毎日行ってたら、ある朝起きたら気持ちわるくなって、ぐらぐらした。

光沢のあるチョコレートケーキ知っているかね。
ザッハトルテのような物かね。
ああいう、艶のある毛並みの猫にゃがいた。そこに金箔張ったような、虎猫だった。あんなの見た事ない。それで、あっ猫にゃだ。と思ったら、猫にゃもこっち見た。

おれれ、昔、散歩中の牛しと擦れ違った事ある。その牛しは怒ってないみたいだった。

アニは蜜柑が好きなのかね。夏になると、虫しがやって来て、皮が厚くなるからね。
「そういう事で厚いのかね。」
そうに決まってるに。虫しが来て、食べても食べても皮ばかり。実に届かないようにしてるんだ。冬は虫しが寝てるからね。蜜柑さんも安心して皮を薄くして食べやすいに。虫しが来てもつるって、滑るようにてかてかして、食べられないようにごつごつさせるに。

曇ってきた。雨雲さんが走ってやって来てる。「もうすぐ着く。」と言って、着いたら、「ガラガラガラ」とやっと着いたと雷鳴らすんだ。

このあいだ、木のところで信号を待っていたら、カサッって音がした。足元に葉っぱさんが落ちてきたんだ。おれれの靴と葉っぱさんは同じ色をしていた。葉っぱさんは虫しが食べた跡があった。それが西瓜の種の形をしていた。それから葉っぱさんは風に吹かれてどこかへ行ってしまった。葉っぱさんは西瓜の種の跡が開いていた。どうも虫しは西瓜の種が好きなんじゃないのかね。

白い月のかかる晩、ビルの入り口に立ってなかを見ている猫にゃがいた。

おれれ、太陽が東から昇って西に沈むなんて知らなかった。
見ていれば、夕方に西の方へ沈んでたんじゃないかね。
おれれ、あっちの方に沈んで行くね、と思っていただけで、西とは知らなかった。浜松に行って、人々が東とか西とか言うのを初めて見た。えびのの人は方角なんて言わなかった。

証明写真を撮ると、どうも目を閉じてしまうに。写真屋で『どうもおかしいですね』って言われる。『こうしていると、目をぱっちり開けているのに、カメラを向けると、目を閉じてしまいますねえ』って言ってた。

「牛しとかは出産のとき、それほど痛がっているようには見えないけど。」
でも、『どうもね』って顔してるに。

おれれ、今日、知らない人から飴貰った。

肉まんはおいしいけれど、店によって味が違う。おれれが食べたのは味噌味。

おれれ、一番前に坐っている事が多かったんだけれど、授業中に黒猫にゃの画をいっぱい描いていた。教科書に。そうしたら、教師が、「それは印刷かね」と聞いてきた。

このあいだ、犬ぬと猫にゃが一緒に歩いていた。犬ぬも猫にゃを気に掛けるけしきもなくて、猫にゃは機嫌がよかったみたいで、そこいらじゅうに尻尾を巻きつけていた。でも最近猫にゃ見ないんだ。
「黄砂がない所に行っているんじゃないかね」
頭いいに。

今日、おれれ猫にゃ見た。横断歩道をタッタカ走っていた。ちゃんと青になって渡ってた。偉いなーす。わかってんのかね。白猫にゃが、公園のほうへ向かって走ってた。

このあいだ、木を見上げていた猫にゃ、今日は地面を見て、臭いを嗅いでいた。このあいだ、草の臭いを嗅いでた猫だ。おれれ、今日、猫にゃと歩いた。おれれ歩いていたら、猫にゃも歩いていた。「あっ、猫だ」と思ったら、猫にゃが「にゃー」と言った。挨拶してくれたに。その猫にゃは好い事があれば、公園の柵に尻尾を巻きつけるんだ。今日も挨拶した後、ちょっと離れて、柵に行って、尻尾を巻きつけてた。それからまた来て、一緒に歩いた。

おれれ、雪降ったら、雪食べてた。かき氷が落ちているのと同じだからね。

今日、いつもの公園で白猫にゃが土を掘ってた。アニ、何かついてる。(と肩へ)何だろう。食べ物みたいだ。トマトソースだ。

おれれポテトチップスとか好きだった。「あーうまうま」と思ってた。

昔は魚を食べていたのかね。
「魚があったからね。魚食べてた。あと、チョコ」

お午は食べたのかね。
食べたに。歩いていたらお腹がすいてきたからね。ひばりが丘で食べた。お腹がすいたのが、ひばりが丘だったからね。

ちゃんと封筒に届くように言ったかね。

紀行文は弁当食べないといけないからね。

おれれ高校の時、自転車とめる所がなかったから、銀行の前にとめておいた。帰りに見たら、『とめるな』って張り紙がしてあったから、銀行に入って、「こんな張り紙がしてあったんですけれど」って聞いたら、「とめてはいけないんだよ」って言われた。「えっ、とめてはいけないのかね」って、非常に驚いて、どうしようかね。って思ったら、話した事もない先輩が、バス停の近くの民家の物置にとめてたから、おれれもそこにとめる事にした。もしかしたら、その先輩は知り合いの家だったのかも知れないけれど、そのうち、家の人が出てきたから、「こんにちは」って挨拶したりしてた。そのうち知り合いみたくなって、雨の日とかは、家の人が出てきて、「傘持ってるのかね」って聞かれた。先輩が卒業した後は、おれれだけとめていた。そこの家は、横浜の人の高校の前にあったから、教室から見て、「今日はもう帰ったね」とか確認していたらしい。卒業のときに挨拶に行こうとしたんだけど、できなかった。

おれれ、短大の時、民俗調査の授業があって、文献調べてもよかったんだけど、地域民俗のことを調べる事にした。でも、どうやったらいいか迷ってて、商店街を歩いていたら、お爺さんが歩いていたから、「昔の事はお爺さんが知っているだろう」と思って話しかけた。そうしたら、「この家の人がそういうの詳しいよって、町会長の家に案内してくれて、おれれ、その玄関に入って、話を聞いた。麦茶も出してくれた。話をするうちに、いろいろ教えてくれた。しばらく文通もしてた。「今は、こんなこと調べている」って言ったら、ちゃんと原稿を書いて送ってくれた。

猫の毛は不思議だ。こんなに着ているのに色あせないなんて。

アニが右の掌を拡げ、左は握って膝の上に載せているのを見て、「グーとパーになっている。太陽と月みたいだ。グッパッ、グッパッ」と掌を開けたり閉じたり。

「昨日、喫茶店でシナモンロールを食べた。ヨーグルトがついてきたから、お腹に好かった。あと、姫ミカンジュースと、クリームチーズもついてきた。太っ腹なところだ」

靴下を爪先に寄せ
「靴下が半分になった」

「ドーナツ買う気が出なかった 出てきた親爺がどうもパン屋に見えなかった 最初 パンに似合わない客だにゃと思ったら 値引きの札張りに出て来たから店の親爺じゃないのかね パン屋に見えなかったに どうもパンより鉄パイプでも作ってそうだ 三十年とが五十年くらい パン屋はパン屋に見える方が客足が伸びるにゃ」。
「あの店はだから パート募集で『明るく若い方』って張り出してるんじゃないのかね」
「パンをこねる人は 気持ちの優しい人に見えたがね」

「にんにくと生姜も入れるに」
「にんにくかね」
「にゃ」
「うん」
「玉子ものせて好いかね」
「うん」
「温泉玉子だ」
「生卵じゃないの」
「冷たいにゃ 温めるにゃ おれれ温めておく」

「味噌汁はおいしいなーす 薬だ 薬は『草に楽しい』と書くにゃ 草を食べると体が楽しくなるんだ」

「今日はアイスがある おれれが買ってきたからね」

「家にいるかね」
「おれれ用事がある」
「用事があるのかね」
「お茶会だ」
「お茶会があるのかね」
「おれ当り籤出す」

金のアームバンドをはめている
「カラスに気をつけないといけないよ 宝石がある 巣を飾るのにちょうどいいって思うだろうからね」

「食べたい物が出てきた」
「何だにゃ」
「スポンジケーキ 丸いのじゃないよ ロールケーキじゃなくて四角いの」
「カステラじゃなくて」
「スポンジケーキね」
「シフォンケーキでもないのかにゃ」
「あの四角いの パウンドケーキ」
「パウンドケーキかにゃ」
「あれが食べたいと言ってる先から別のものが食べたくなった」
「何だにゃ」
「カステラかシフォンケーキ」

「蓮根おいしいにゃあ」
オリーブ油でフライした蓮根を平らげて十分たってから言う
「おれれは前から蓮の花が好きだったんだ 蓮根はどうやって作るのかね 蓮根農家ってあるのかね まったく蓮根がこんなにおいしいとはね おれれ知らなかった …チョコレートより蓮根の方がおいしいと思わないかね」

夕ご飯を食べ過ぎたみたいでしゃっくりがでる
顔を向け
「わ」「わ」
小さく言う
「しゃっくりはとまったかね」
「おれれはあまりしゃっくりしないのかね」
「するよ このあいだ寝る前にしゃっくりした かなわないなあと思ってすぐ寝たら治った」

夢で不動産屋が出てきた。「一階は万全ではない」と言った。どうしようかと思ったら、「探してくる」と言って、鼻歌歌いながら、出て行った。早く戻って来るといいなーす。

「アニ、ちょっと見せて」と顔を覗き込む。
「アニ大きくなったね。やっぱり普通の人とは違うに。大きくなってるし。打ち出の小槌みたいだ。」

「曇りの向こうにお日様があるんだよね」
「うん」
「お日様の下で曇ってても、雨が降ってても、お日様はいるんだ」
「うん」
「すごいなあ。お日様は。いつ晴れても好い様にしているんだ」と見る見る晴れてきた。

アニはふけが出ないね。ふけかと思ったらシルク毛布だったりする。

図書館どうだった。
家具が一杯あった。

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