第二就職課
第二就職課と言うと、何やら小説のタイトルのようですが、記事です。
以前、大学の情報メディアセンターで学生にアプリケーションやデバイスの操作方法を教えていたのですが、隣が就職だったこともありまして、3年4年の就職相談などもしておりました。
業界相談から、エントリーシートの添削まで、さらにはSPIを解説し、果てはおすすめの写真屋なども教えていました。
そうしているうちに、就職課から『もう第二就職課を名乗れ』などと、言われまして、就職課とは少し違うアプローチから就職相談に励みました。
ほとんどの人がそれなりに希望するところに入れた覚えがあります。
と、いうわけでして、その頃学生に話していたことを思い出す限りつれづれにまとめようと思います。
就活とは、職業選択の自由の行使
就活とは、職業選択の自由の行使。その自由は権利ということ。せっかく与えられた自由を行使できる実力が、四年までについているか。
自分を納得させる必要はない。自分がやりたいことに理由が必要か。逆に仕方なくしている行動には、いちいち理由をつけているでしょう。
自由というのは、本気を出せる自由を持っているのかということ。本気の出し方なんて、放っておけば忘れてしまう。
本気を出せる人は自由。自由な人はかっこいい。人生に飛び込めばいい。あなたは二十二年間の旅で何をしてきたか。
やりたくないのならやめればいい。ただその自由を行使した後、自由は減る可能性が高い。それなら、飛び込んで浮上してみせる。自分にも情況にも溺れずに浮上して見せる。おきてがなくなれば、支えるものがなくなるから堕ちるに決まっている。
後悔はしない。自分の意志を否定することだから。しくじったと思っても自分の勘を信じる。自分から動かず、人の依頼から始める。皆と同じことを言っていては価値がない。根本の理由が「楽しいから」になれるか。
まず、 自分を知る。自分の過去を自分の目的に合うように編集しなおす。
自分が何でここにいるのか、それをやったのがすべて説明できなくてはならない。
次に相手を知る。大きな看板を掲げているところでも、必ず隙はある。自分の入り込める隙はある。その隙とは、自分と相手をLINKさせる隙。会社と自分をどうlinkさせるか。
相手との関連における自分。見た目もきれいに並べているか。重要なものは時間をかける。組織は、自分を高められる人を求めている。自らの力で、ふつうはめげそうなのにめげない人を。
料理と同じように、今までの自分も作る。自分が何をしたいのかは、今の自分がどのような経緯で成り立っているか。自分を魅力的に思うからこそ、人もそう思う。自分の能力を示すだけでは、人はねたむ。
その能力でどんどん仕事をしていけばいい。自分のため、というときの自分というのは、固体としての自分ではない。今の自分を形成しているのは、自分と自分の大切な人々、この人たちのために、何をしたらいいのか。何をしたらいいのかというのは、イコール何をしたら楽しくなるのか、ということ。
気力は、「この人と仕事がしたい」「必ず助けてやる」から出てくる。
言葉を大切に扱うからこそ、味方になってくれる。止まっている気持ちを動かすため。ただ、忙しく、ゼミの仕事をこなしていては、成長もないし、疲れるだけ。そのなかでどう自分をPRして、自分がどう仕事をしていたのか。
他人のために生きるということと、他人に合わせて生きるということは違う。
はしゃがなくていい。他人に自分が喜んでいることを示し過ぎなくていい。Cool beautyなんだけど、熱い性格。実はマインドで動く。
すぐに要点を始める。普段からプレゼンのつもりで。
面接に行く前に、その会社のWEBを見てイメージトレーニング。その組織の一員になったつもりで行く。
学生と一口に言っても、内容、やることはいろいろある。学生時代にしてきたこと。
得意なもの→ではこの得意なものは、何の職業なのか→私はこういうことが得意でした。そこで、こういう職に就こうと思い、御社のこういうところに共感しました。
仕事を選ぶ→会社を選ぶ。演技してまで入ったら、入社後はもっと演技がいる。
自分を示して受け入れてくれるところに行く。自分の世界を遠慮なく示して、それを受け入れてくれる場所に行けばいい。とはいえ、事前準備は徹底してやる。
「正解」を示そうとしたら偏差値の高い人にかなうはずがない。人と違うことを示す。日常的にオーディションのつもりで。友達と話すときでさえ、本気で話す。相手のことを考えて、まとまった話を示す。五分も続けられない話はせぬほうがいい。逆に言えば、五分は話せるようにしておく。
趣味は何ですか。一言で終えない。三分は続ける。
なぜ聞いてくるのか。相手は意気投合のきっかけを探っている。あくまでもきっかけだから、そこから話を進展させないといけない。
エンタメ業界はプロジェクトを進展させ続けるわけ。その場の話のひとつも進展させられないようでどうする。
「流行を調査するのがすき」→「人が何に対して興味を持っているのか知りたい」→あの人は、どういうことでああいう服をきているのか、とか考える。
「ゼミの副部長としてサポートしていた」ではなく、「部長が出した企画を、実際に運営していました。部員一人ひとりを見て、すすめられないところは、サポートしました」
うまく行かなかったこと、もしくはこういうことをしました。しかし、今も研究し続け、今ならもっとよくできます。
とにかく、自分を表現する言葉を選び抜く。ネガティブな言葉は一切使わない。ポジティブな言葉に代える練習をつむ。
やっていいことがわからなかったとき、とにかく、自分の今までやってきたことで、好きなことを掛け合わせることを考える。
何かの習得をPRするのはよい。しかし、習得して、自分がどうかわったか、何がスムーズに行くようになったのか、つまりは、どのように世界とのかかわりにおける自分の便利ツールになったのか、なんの役に立ったのかを具体的に書く。物語として。
オンオフは、いまやオンラインとオフラインのこと。そして、オフラインと言う現実が重要になってくる。
一緒に仕事をやろうという雰囲気を出す。
職場環境を把握する。業界の動向を知らなくてはいけない。
教養、同期でも同じレベルとは限らない。本を読んでまともなトークをしないと、脳は成長しない。二十一歳で成長しきっていると思っていることもある。
記憶力の問題を言っているのではない。構造は日々変わって行く。いつもやっていることに特化していく。専業主婦の危険性。動物園の霊長類。
専門は何ですか。切り口。何をベースにまとめるのか。
自分探しのtitle「そんなネタが自分に」と、そのくらいのノリで考える。自分だけでは気付きづらいから人と話す。それもいろいろな人と。
恐れというより、照れない。恥ずかしがらない。
視野が狭まっていると感じたら、高めてみる。背伸びするのではなく、背筋を伸ばしてみる。
自分の何を知ってもらいたいか。という事は、自分がどの様なスタイルを取りたいか。と同義。自他の意識の区別。
遠慮や憚(はばか)りではなく、そこにあったのは意志そのもの。
自分の思考でさえ、他者の言葉から始まる。
君のための扉を開けるのはキミしかいない。(キミのための)この扉はキミが開けるためにある。
読みやすさを軽視しない。
「私」と書いたとたんに、その書かれた私は既に私ではない。
夢って、何かになりたいというのではなく、それを通じて、楽しく、しかもまともな扱いを受けられる生活をするという事だろう。
自分の人生をどこかにやってしまうようなことを強いる夢はそもそも夢ではない。
自分が向いていること、好きなことを恥ずかしがらずに手にする。
場がすべて。
自分が明るくなれる場がいい。
ひとは、自信がすべて。
仕事の内容やスキルが身につくとか、将来の事ではない。
自分が明るく、自信がつくから、人脈がよくなるわけ。
どれだけ塗ろうが色の付かなかったキャンバスにも、やがて少しずつ色がついて来る日がくるでしょう。
絵の具がなければ、墨の濃淡で色を表わしたっていいのです。
いよいよ、自分の進路を決める時が近づいていますが、自分の道は、自分でしっかりと確保したいものです。
表現するということは、どういうことでしょうか。
自分の考えを伝えるには、頭の中にある言葉をそのまま伝えても伝わりません。
言葉を選び、足らないことは調べ、研究し、まとめ方も工夫した上で伝える。
自分の思いを表現するのが創造性であるわけでして、表現は、自分と他者との境を見据え、やがては自分を解放するということと考えています。
就職面接も一つのプレゼンです。
このようなプレゼンは何より、自分が話したいことを話す。
これに尽きると思います。
そのためには、日々、自分の気持ちを丁寧に見てあげることだと思います。
とにかく自分をPRする。
アピールではなく。
自分をPRしまくることで自分を知ってもらう。
人は知らない人を恐れる。
職場で嫉妬する人は、仲良くなりきれていない人、知らない人が多い。
ふだんから良く話し、自分をPRすれば、相手も自分にフィードバックをしてくれる。
『注意』というかたちにならないから、相手も気軽だし、自分も反撥(はんぱつ)したり、落ち込むことはない。
これは面接でも同じですが、一言二言ではなく、何らかのエピソードで話すと、人は不思議と納得してしまうのである。
なぜかと言えば、人は、ストーリーに慣れすぎて、ストーリーを聞くと、納得するように頭ができてしまっているためである。
短所を話す場合は、ただ述べるだけではなく、そういう短所があるので自分はこういう行動を心がけています、と言うような話し方をする。
たとえば、昔は、時間ピッタリに来るのが苦手だったために、30分前行動を心がけています。
メラビアンの法則。
第一印象がどんな要素で決まるのかは、まず視覚情報で次が話しぶりや声の質。
内容はほとんど関係がない。
してきたことを通じて、なにを悦びと考え、なにをつらいと考えるのか、それを知るのが自己PR。
周りからどのような人と思われているのか。どのようなコミュニケーション、ひととのかかわりあいをするのか。
自分の性格を表す行動や習慣。
大学生活で何を最も大切にしてきたのか。
アルバイトなどを含めて得たものは何か。
自分がその場にどのような影響を与えたのか。
現在、何に興味があるのか。
長く続けている事柄は何か。
最近、良かったと思う出来事。
志望動機には、仕事に対するものと、会社に対するものがある。
・その仕事だからこそ、自分の性格や能力が向いている。
・その会社だからこそ、自分のようなキャラクターの人間が場になじめ、力をはっきりできる。
ほかの会社に比べてどのようなところが魅力的なのか。
実際にそこの会社の人を見たり、聞いたりした経験を話す。
目指しているところ、課題、魅力を知る。
これは自分もそうだし、受けようとする会社も同じ。
面接は、自分の魅力を示すプレゼン。
と言うよりも、接待と言うか、トークにまで持ち込めたら、たぶんそこは受かる。
自分の価値、といわず、自分の魅力と言う。頭の中では。
結論から話すと、簡潔に述べることができる。
数をいれて、具体的に。
できないことも、できるようになる環境を持っていることを伝える。
面接でなにを話しているのかと言えば、過去から未来へつなぐ話をしている。
未来へ投げかれられたプロジェクト、ともに仕事をする相手を探している。
副詞は使わない。
形容詞も削る。
体言止めは一か所だけ。
やっぱり、普段何を考えているかが顔に出てくるから、あまりに物欲とか優越感に浸るための仕事は、ふさわしくないと思う。
何事も、ほどほどで自分にとっての普通とは何かを考えて選ぶ。
欲望のためにお金を稼ぐというのは、本末転倒であり、何より続けられるものが一番成長になるし、結局は稼げる。
どちらの仕事にしようか迷ったら、両方エントリーしてみる。
ある程度は自分で選んで、あとは決めてもらうのも一つの手。
いくら理想の自分を設定したところで、現実の自分がついてこなければ仕方ない。
そもそも『理想の自分』と言ったところで、しょせんは周りに影響された姿でしかないことが多い。
自分が素直になれるところに行くといい。
反撥や受け狙いで進路を決めるべきではない。
それは、自分ではなく、他人の事を考えているから。
自分の正当性の主張のために、進路を決めるなんてもったいない。
とにかく、面接で盛り上がらないものは、少なくとも笑いの一つもないような所はやめた方がいいよ。
何より重要なのは、誰と仕事をするかだよ。
迷ったら自分の顔を見て決めのるも一つの手である。
その職業にいそうな顔をしているのか。
顔は、その人の性格や思考が現れているから、自分の顔を見て仕事を決めることはあながち間違いとも言い切れない。
『結果がわかっていることをやるのが悪だ』と言う話を何かで読んだことがある。
できそうなことをして、自信を持ちながら仕事をするのも手ではあるが、難しそうなことに挑戦するのもまた楽しいものではないか。
人間関係は一度崩れたら立て直しが難しいが、仕事はある程度の挑戦や背伸びはむしろ歓迎される場合も少なくない。
最後に、一番大事なこと。
自分を魅力的だと思いなはれ。
カミュ
自己を知るということは、自己を肯定することだ。
p.s
いや、"第二就職課"という小説を書けっていう話ですね。
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