私はどうして小説を書いたか
学生時代、富士山の頂上に3週間ほどいたことがある。
物珍しい体験だから、人に話せば喜ばれるし、また聞かれることも多い。
同じことを話すうちに、ストーリー仕立てで話してくるようになり、どのエピソードが受けのかどうかも考えて話すようになっていた。
しかし、繰り返し話しているうちに次第に面倒になり、十人目くらいから話しの途中で飽きてしまい、果ては途中を端折(はしょ)って話す始末で、それを聞いた友人が、「あんた、それなら小説にでも仕立てみたらどうか」と言った。
なるほど。名案