2023/03/30 今日は蛙化現象について語っていいのか!?
昔、自分には蛙化現象が起きていると思っていた。けれども、次第にそれは誤りであることに気付いた。
そもそも、「蛙化現象」とはなんなのだろうか。
こんなインターネットミーム、Wikipediaからの引用で十分だろうと思いWikipediaを見たのだけれど、初出は2004年らしい。案外古い言葉だった。
「蛙化現象」という言葉がインターネットミームとしておもちゃにされ始めたのは2020年前後のことのようで、私がこの言葉の意味を知って「これ、アタシのことだ……」と勘違いをしたのはそれより少しだけ前のことだったような気がする。発達障害や精神疾患と同様、「他人と違う、傷を抱えた孤独な自分」を演出するのにこの言葉は都合が良かったのだろう。インターネットにこの言葉が蔓延るのに時間はかからなかったように思う。
『カエルの王様』から生まれたこの言葉は、ここ最近異なる意味が与えられて、再度インターネットの海を闊歩するようになった。フードコートで席を探してうろうろする人に対して幻滅して、蛙化現象を起こすらしい。どういうこと?
おそらく、対象者へ向ける思いが変わってしまう、という点のみに着目されて、原義とは異なる意味が内包されてしまったのだと思う。人に対する思いが変わる経験が全くない人は少ないのではないだろうか。だから、本来この新たな「蛙化現象」と呼ばれる感情の変化に名前をつける必要はなかったはずだ。しかし私は新たな「蛙化現象」という言葉に酔いしれる子どもたちを笑うことができない。私が昔、自分は蛙化現象を起こしていると勘違いしていたものこそが、まさにこれだからである。
はなから大して正の感情を抱いていなかった相手が、自分にとってダサい行為をしていたら、それはその対象に負の感情を向けるのは自然のことだと思う。もしくは、その相手は自分の中で作り上げた虚像だったから、過度に期待をしてしまった分嫌いになってしまうだけだろう。いや、他人の感情の変化なんて私はわからないけれども、少なくとも私はそうだった。
ラベルを貼って、名前のあるものに分類されるのは心地良い。孤独な自分は演出したいけれど、本当にひとりぼっちになって、誰からも受け入れられないのは怖い。だから名前をつけて、自分を「それ」と定義づける。傷を舐め合うのは楽しいか?
自戒です、これ。私が私に向けたものなので、あまり気にせず。
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