いつかの夢

場面1
※実在する同イニシャルの女優さんとは一切関係ありません。
女優のM.Kちゃんがエッセイ本を出して、それを読んでいると、不思議とその本に書かれている内容が映像となって見えてきた。
M.Kちゃんはある舞台で大女優のS.Oと共演したようで、S.Oから打ち上げの幹事を任されたらしい。
M.Kちゃんは、酒豪のS.Oを納得させられるようなお店を予約できるか不安を感じながらも、彼女を満足させるお店を探し出すことができたようだ。打ち上げの後、S.Oから「凄くいいお店だったわ」と褒められ、安堵していた。M.Kちゃんはこうして芸能界での人脈をまた一つ濃いものにしたのだった。

場面2
中学校時代の友達に、その子が大学時代に住んでいた街を案内してもらっている。
その街の通りには、タイやベトナムで見られるような温かみのある鮮やかな色使いの雑貨屋さんが沢山あった。
道路に面した壁はどの店も全面ガラス貼りで、アルザスの気骨造りを模した木枠で補強してあった。
その子と雑貨屋さんの店長は皆顔見知りのようで、雑貨屋さんに寄る毎に親しそうに話をしていた。
あぁ、この子は大学時代、地元を離れてこんなに素敵な街で、こんな優しい人間関係を築いていたのだなと思うと、ずっと地元でなんとなく過ごしていた自分が空っぽに思えてきた。
そこへ強風が吹き付けてきた。ガラスの扉はビリビリと音を立てて振動し、今にもヒビが入りそうだったが、店長さんがガラスを押さえ、さらに木枠のおかげでなんとか持ち堪えた。

場面3
※実在する同イニシャルのタレントさんとは一切関係ありません。
雑貨屋の一つが医療器具の店で、そこには実習生が器具の仕組みを学んでいた。実習生の一人は元アイドルのN.Nちゃんで、私が店に入ったとき、ちょうど彼女がガラス製の呼吸器の組み立てをしているところだった。
その呼吸器は現在のコロナ禍で一般に使われている(という設定だった)が、数が不足していて、アルコール消毒をして使い回されていた。
本来であれば煮沸消毒をして使い回すのが好ましい(という設定だった)ため、呼吸器の迅速な組み立ては現状の医療現場では不可欠だった。
私も組み立てを習うことになった。その呼吸器は空気を入れるゴム製の容器とガラス管が繋ぎ合わさった作りで、その接続部分が上手くはまらないのが組み立てに時間がかかる原因だった。
私も試してみたが、何度やってもうまくはまらなかったので、結局諦めた。
私には他に何か出来ることがあるに違いないと思い、その医療器具屋の中を探した。
すると、作業台の下にポケモンのフィギュアの箱が山積みになっていた。私のお気に入りのポケモンも入っているかもしれなかったが、外からは中身がわからないので、これも諦めた。
すると、入り口の方で、子どもに親しみを持たせるため、扉にカイリキーとエビワラーの模型を貼り付ける作業をしていた。それはハリボテの模型だったが、色合いは鮮やかでニスで仕上げてあって見事なものだった。

その取り付け作業の途中で目が覚めた。

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