トイレのドアに見えるもの
お腹を壊してずっとトイレに篭っていると、昔のことを思い出す。
実家のトイレのドアは木目がプリントされたベニヤ板で作られていた。おそらく量産されたもので、実家にはトイレが二箇所あったがどちらのトイレの壁も同じ木目プリントだった。
小さい頃、便座に座って正面のトイレのドアをじっと見ていると、至る所に顔のようなものを見つけられる。
いつメンは3人。お友達になれそうなニコニコした女の子、手を振って口を開けて笑っている陽気なおばさん、怒っているような険しい顔のおばあさん。それぞれ