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雲雀丘花屋敷のみちをゆく #9 神戸ベルの極みピロシキ

西神中央に神戸ベルがある!

ベル自体がなくなったと思っていたから、同級生が教えてくれた時の驚きやいかに。いまもベルはあり、そしてあのピロシキも!しかも「極みピロシキ」という名前となっていることが判明しました。

いてもたってもいられず、神戸ベル西神中央店に極みピロシキを食べに行こうと決意。念のためお店に電話をして取り置きをしてもらいました。

読んでいる本が全く頭に入ってこない・・・、興奮を抑えかねながら電車に揺られ約1時間半、西神中央に到着。改札を出るとすぐにベルが目の前に現れました。

神戸ベルのガラスに張られたかわいい動物のイラストたち

ガラスにはかわいいどうぶつのイラスト。昔もこどもがわくわくするようなお店だったよなあと思い出しながら店内へ入りました。ついに待ち望んだ「極みピロシキ」との対面です。

もう一度食べたかった極みピロシキが目の前にある

背筋を伸ばし極みピロシキの袋を開け、少し見つめた後、おそるおそるかじってみました。じゅわっとくちびるをひたす油。二口目、まだ具材にまでとどきません。三口目のミンチの味。「あああ」っと声をあげそうになりました。

さくさくと玉ねぎの音がします。控えめな塩味のミンチとからみあいます。豚まんでもなければカレーパンでもない、まさにこれがピロシキでした。雲雀丘花屋敷にベルがなくなったあと30年も守り続けられていたピロシキ。

いや、守り続けられただけではなく、極みと呼ぶほどに進化をして。ゆっくりと小さな一口で食べ終わった時、やり残した宿題を完成させたような気持ちになりました。

ふと窓の外に目をやると、青空の昼下がり、人工芝が敷かれた広場で、ちいさなおとこの子とおんなの子が遊んでいました。かれらもここでベルのパンを食べて、おとなになったときベルのパンを思い出すのかなあ。走っているふたりを眺めながら、なぜか日本の未来はまだまだ明るいよなと思ったのでした。

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