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子どもたちの落とし物(その6)就寝後の世界

3人の息子たちの謎の言動などを紹介する「子どもたちの落とし物」シリーズ、第6回目。今回は、昨年のある夏の日の話。

その日、私は早朝サーフィンを終えて帰宅し、お風呂場でウエットスーツを洗っていました。すると、長男と次男が風呂の戸を開けて話しかけてきました。

「おれたちが寝た後、ママと二人でこっそり美味しいもの食べてたりしない?」

「食べてないよ。君らが寝ている間にやることは、波乗りに行くくらいだわ。」

「サーフィンだけ?本当に?ステーキとか、食べてない?」

どうやらテレビのCMで、こどもたちが寝た後に親がこっそりステーキを食べるというのを見たらしく、カミさんと私にもその疑いがかけられたようです。私とのやり取りを終えると、小走りでカミさんに向かって行き、同じ質問を浴びせていました。カミさんは早朝、静かな部屋でパンとコーヒーを飲むのが楽しみなので、子どもたちの予想はあながち間違いではないと思うが、何と答えたのだろうか。。。

確かに、就寝後の現実世界は見ることができない。おもちゃが箱を飛び出しているかもしれないし、座敷わらしがお部屋をウロウロしてるかもしれない。親が子どもたちに内緒で夜な夜な肉を食い散らかしているという疑惑が生じても仕方ないわよね。。。想像力が豊かなこどもならではの発想。でも、子どもたちが思うほど、就寝後の現実世界は夢に溢れた世界ではない。そもそも、カミさんも私も子どもたちと同じ時間に寝てしまうので、ムクっと起きて何かを始めることはないです。その分、早起きをしてテレビを見たり、パソコンでブログを書いたり。私はランニングをしているこが多いかな。どちらかと言ったら、寝ている間に子どもたちが見ている夢の世界の方が華やかでしょうね。そんな夢の世界に比べたら、私たちの過ごす現実世界なんて色褪せて見えてしまいますわ。

そんな色褪せた現実世界だとしても、子どもたちが寝た後の時間は、私たち夫婦にとっては貴重な時間です。それぞれが親の立場から離れて自由に過ごす時間。短い時間のささやかな楽しみですけどね。

子育て中のご家庭では、仕事、家事、子どもの世話に追われる生活をされているお父さんお母さんがほとんどだと思います。特に、就学前の子どもの相手をするのは体力的にも精神的にも大変なことです。だからこそ、親の立場から離れて自分の好きなことをする時間を、一日のうちに少しでも作ることが精神的な余裕に繋がると考えます。

子どもの成長過程において、各段階でいろんな苦労、悩みがあると思いますが、子育て自体を楽しむマインドを持ち続けるためにも、日々、「大人の時間」を確保したい。そして、親の立場としてだけではなく、1人の人間として人生を楽しんでいきたい。


子どもたちの疑いが晴れたかどうかは分かりませんが、「大人の時間」について、いつもより深く考えさせられた出来事でした。


以上です






サポートいただけたら、デスクワーク、子守、加齢で傷んできた腰の鍼灸治療費にあてたいと思います。