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聴きたくない言葉

マイナスな言葉って耳障りだ。
なんだか言葉のひとつひとつがトゲトゲして暗い色のオーラをまとっている気がする。
そのせいか、周りで交わされるマイナスな言葉は耳に入りやすい。

外出した時、
後から入ってきたお客さんが席に座るなり、「なにしてんだ」「まったく」と1人でずっとぶつぶつ言っていた。聞こえよがしに言いながら店内をキョロキョロと見渡して、他のお客さんへ対応中の店員さんを睨んでいる。
お水がすぐに出てこなかったことに腹を立て、呼び出しボタンを押して、注文をとりにきた店員さんにいきなり捲し立てて水を持ってこさせ謝らせて満足している。
ただその後もなんども呼び出しボタンで呼びつけて、やれナプキンが少ないだ、何が足りないだ、言っている。

雑談をしている二人連れは、ずっと誰かの文句を言っている。
本人たちからしたら、近況報告をしているんだろう。でも聞こえている言葉には「信じられないけど」「私だったらしないけど」という見えない言葉がくっついている。
プラス言葉だけで会話することは難しいと思うけど、こうもマイナス言葉だけで会話できているのもすごいなーと思う。

職場では新人を指導している先輩同士が、新人さんがお休みの日にかならず何か言い合っている。
「指摘すると叱られたとしか受け止めてくれない、かといって褒めるところもないんだよねー」
「うわこんな事しているよ、またあの子?」
「なんであんな効率の悪い事してるんだろ、〜したら早いのに、わざわざ〜するんだよ?意味わかんないよね」
他の社員のことも言っているから、私がいない時にわたしのことを言っていても不思議ではない。

出勤してデスクにバッグを置いたとたん「はぁー」と必ずため息をつく人がいる。朝からマイナスオーラを放ちまくっている。
そして電話をガチャンとうるさく置いて切るたびに相手への文句をなにかゴニョゴニョ言っている。
誰かへ電話を繋ぐ時は、相手に簡潔に話を伝えられず話が長くなりがちだ。「相手がこう言った、私はこう思ったから私はこう言った、すると相手がこう言ったから私はこう思った状態です、お願いしてもいいですか?」相手が混乱していることは傍目からでもよくわかり、2、3質問されてようやく意味が通じている。
おまけになぜかいつも上から目線。以前私に話しかけてきた時、私には関係のない案件なのにおかまいなしに話を続け(さっきの調子で「相手がこう言って私はこう思って…と事実と意見が入り混じった内容)、私は関わっていないと伝えると「そうなんですか、大丈夫ですよ」と言ってきた。
関係ない内容で人の時間を奪っておいて、謝罪するわけでも間違ったことを認めるわけでもなく、「わからないんですか、でも私は大丈夫ですよ」と言うのだ。呆れて唖然としてしまった。

家にいたとき、
外からクラクションの音が何度も聞こえてきた。
驚いて窓から覗くと、無断駐車に対する制裁のようだった。
その車のせいで駐車できず腹をたててクラクションを鳴らしまくって、慌てて出てきた持ち主に怒鳴り散らしている。

こういう時わたしは耳をふさぐというより、耳をかきむしりたくなる。
何も聞きたくないからだ。
聞きたくないのに、耳に流れてくる。気持ちが悪い。
負の感情を聞き流すテクニックを持っていない私は、簡単に負の感情が入りこんできてモヤモヤしてしまう。
さっきまで楽しいことに夢中になったり、集中していたのに、一気にモヤモヤが広がって緊張したり不安になる。
人に影響されやすいというより、自分の感情のコントロールが下手なんだと思う。

といいつつ、私もよくマイナスな言葉を発している。
発する事をしょうがないと思っているわけではない。
発したくないと思いつつ、結果発している。
どうしてこうも意思が弱いんだろう。
理不尽な状況になったことに腹を立て、誰かに賛同してほしくて理解してほしくてマイナス言葉を発する。
周りの人からすると私もマイナス言葉まみれの一員で「自分の事を棚に上げて何言ってんだ」と思うんだろう。

とこうやって綴っている状況もすでにマイナス。
でも一度自分のことをちゃんと見つめたいと思った。
綺麗事をいっていても実行できなれけば一緒でしかない。

よし、今ここで終わり。
プラス言葉を使っていこう。
同じ景色でも言葉でも、見る側の考え方感じ方でいろんな意味に変化するはず。
周りのプラス言葉が聞こえてくるように頑張ろう。


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